バターの値段は二倍!跳ね上がるNZの食品インフレ率!どうして?今後は?

Kia ora

ニュージーランドと言えば牛や羊が沢山いて、牛乳やチーズがふんだんにあるというイメージがありますよね。
ところが、そんな酪農王国ニュージーランドでは、ここ数年酪農製品の値段が上昇し続けています。特にバターはもはや庶民の手の届かないとんでもない値段がつき社会問題となっているほどです。

どうしてそうなったのか、この編では原因や今後の予測を詳しく解説します。
果たして、バターは安くなるのでしょうか。。。。

ニュージーランドの食品価格は6月までの1年間で4.6%上昇しています。

この4.6%という数値は、日本、米国、英国、ユーロ圏といった主要先進国が理想とする2%の目標からほど遠い数値です。

何よりも、バターを中心とする酪農製品そして野菜や牛肉などが目立ち、特にバターの値段については、連日メディアで取り上げられ政府の干渉が迫られるほど社会問題となっています。

そしてその肝心のバターの値段ですが、現在9ドル前後。
なんと去年より45%も値段が上がっており、10年前と比べると上昇率は120%以上、約5ドルも高くなっています。

牛乳の値段は2リットルあたり4.57ドルと前の年に比べて14.3%、チーズは1kgあたり13.04ドルと30%も上昇しています。

 

6月には既に高騰していた乳製品に追い打ちをかけるように、肉や野菜、果物などの食料品の値段も上がりました。

肉の中では特に牛肉の価格上昇が目立ちました。
牛ひき肉1kgあたりの平均価格は21.73ドルと、前年の18.80ドルから15.6%、牛肉ステーキにいたっては22.3%上昇しています。

果物と野菜グループでは5%、他の食料品グループでは0.8%の値段の上昇が見られました。
特にトマト、ピーマン、ブロッコリー、チョコレート、コーヒー、卵の値上がりが顕著でした。

バターを初めとする乳製品はニュージーランドで作られているのにも関わらず、どうしてこんなに値段が急騰しているのでしょうか?
これからその主な理由を解説していきます。

乳製品は、ニュージーランドの*フォンテラ、NZX、欧州エネルギー取引所(EEX)が折半出資するグローバル・デイリー・トレード(GDT)や、シカゴ、ヨーロッパなどの国際的なオークションで売買されています。
数百社にのぼるバイヤーはこれらのオークションで乳製品をバルク買いし、それぞれの市場で他のバイヤーに販売しています。最大の市場は中国で、東南アジア、オセアニア、中東がそれに続きます。

近年中国や東南アジアの国々では西洋料理が普及し、そして経済的に余裕がある中産階級層が増え、バターや乳製品の需要が急速に高まっています。
ですが供給量が追い付かず、結果として国際的に取引される乳製品の値段が吊り上がっています。

*フォンテラは、ニュージーランドに拠点を置く国際的な酪農協同組合で、ニュージーランドの1万軒以上の酪農家が所属しています。国際乳製品取引における主要企業であり、ニュージーランド市場向けと140カ国以上への輸出向けに、幅広い乳製品原料と消費者向け製品を製造しています。

ここで、ニュージーランド国内で売る分は値段を下げればいいに決まっている!と思う人はたくさんいるかと思います。

国内でのバターの需要はフォンテラの売上高のわずか5%を占めるに過ぎません。乳製品に国内特別価格を設定することは事実上国内販売への補助金となり、見方を変えれば輸出品に更なる関税を課しているとして、世界貿易機関(WTO)に提訴される可能性があります。
国内での例外措置は法律を制定することで可能性はあるものの、おそらく実現不可能だと言われています。

さて、このバターの値上がりについて一時は消費者やメディアが、政府やフォンテラを糾弾する動き起こったほどでした。が、実際のところニュージーランドの国全体にはどういう影響を与えているのでしょうか?

高値で乳製品を販売することで利益を得た酪農家が従業員を追加で雇ったり、設備に投資することで国の経済に利益をもたらしていると言われています。
実際に、ここ数ヶ月の間カンタベリー、オタゴ、サウスランド、ウェストコースト、マールボロなど酪農地域での求人率が高まっています。

乳製品価格の高騰は国全体にとって好ましいことだと経済専門家は説明しています。

今から2年前の2023年のデータですが、バターのニュージーランド国内の消費額は約1億2,400万ドル、そして海外への輸出額は52億ドルに上りました。
ニュージーランドの輸出総額の約7%を占るバターは、とても収益性の高い輸出品です。ここで値段を下げると国内の経済へのマイナス影響は大だと想像できます。

また、中国や日本では500gのバターは13~15ドル前後とニュージーランドよりも高い値段で売られています。
乳製品の価格が上昇しているのではなく、ニュージーランドの所得がそれに追いついていないことが、より大きな問題だと指摘している専門家もいます。

という訳でバターの値段は今後も上がり続け、下がることはないと予想されています。

海外での需要増加に対応できるよう、ニュージーランド国民の所得を向上させるために何ができるか、という点が問われるべきでしょう。

今回の政治家までも巻き込んだ一連のバター騒動は傍から見て異常だと感じたのですが、皆さんはどう受け止められましたか?

1週間から2週間でバターを購入する世帯は、全体の15%から30%に上るそうです。
言い換えれば、過半数の家庭は3週間かそれ以上の間隔でバターを買っています。
一杯8ドル前後で15分間の消費期間のフラット・ホワイト・コーヒーに比べれば、バターは安いものですが、
なぜニュージーランド人は乳製品の価格をそれほど気にするのでしょうか?

その背景にはニュージーランド国民のノスタルジア、愛国心、そして家計の問題があります。
バターは多くのニュージーランドの伝統的な料理の中心にあるため、 バターが主食の域を脱し贅沢品になることに、人々は不快感を感じています。

日本人が米に対する想いと同じだと考えたら、ニュージーランド人の気持ちがわかりやすいかもしれません。

ニュージーランドの給与上昇率は他の国に比べてそんなに悪くはない筈ですが、それでも、食べ物のインフレ率に国民の家計が苦しめられているなんて、一体どうしたものかと思いますよね。

お隣の国オーストラリアでは、酪農製品に消費税は課されてないため、ニュージーランドより安く手に入ります。
それじゃあニュージーランドも消費税フリーにとなるわけですが、主幹産業の酪農製品から税金が取れなければ、他の製品やサービスの税が高くなり人口が少ないニュージーランドでは個人の負担が多くなることでしょう。
頭が痛いですよね。

旅行業など他の産業で補えればいいのですが。。。
と思ってたところ、つい先日ニュージーランド観光局は無料の観光スポットを有料にすると発表しました。
近いうちに特集して紹介する予定です。ご期待のほどを!

Ngā mihi
wonderer

(出典)
https://www.nzherald.co.nz/business/food-shock-prices-soar-in-june-as-fruit-and-veges-follow-butter-and-cheese-spike/NWT4XMYRM5DORPJUCIF7AA2JRA/#google_vignettehttps://www.newstalkzb.co.nz/news/business/meat-and-dairy-continue-to-drive-food-price-inflation-stats-nz-data-shows
https://www.newstalkzb.co.nz/news/business/meat-and-dairy-continue-to-drive-food-price-inflation-stats-nz-data-shows