出会う前に知っておこう!NZの南島に住む世界一頭が良いオウムKEA(ケア)

Kia ora

せっかくニュージーランドを訪れたなら、美しい南島の大自然に触れたいと誰しもが思うもの。特に雪の冠を被ったアルプスの山々となると尚更でしょう。

そういう方のために、この編ではニュージーランドの南アルプスの山々に住む Kea ( ケア )を紹介します。
Kea ( ケア )は、世界一頭が良いオウムと言われ、愛嬌のある姿とは裏腹に時にいたずらの度が過ぎて注意が必要です。

ここでケアについて学んで、実際に遭遇したときに備えて対処方法を身に付けましょう!

ケアの生態・特徴

Kea (ケア)と言えば、

  • 頭が良い
  • オウムなのに雪の高山に住む
  • 社交性に富んでいる

ことで、よく知られています。

© Bernard Spragg. NZ via Flickr

他にもケアならではの面白い特徴があるので、紹介します。

  • Nestor notabilis。
  • マオリ語ではケア/キア、日本語ではミヤマオウム(深山鸚鵡)と呼ばれる。
  • 鳥綱オウム目フクロウオウム科ミヤマオウム属の1種である。ミヤマオウム属にはケアの他にカカ、絶滅種のキムネカカの3種が含まれている。
  • ニュージーランドの南島固有種である。
  • 成鳥のサイズは全長46cm、体重700–1000g。雌は雄の80%の大きさ
  • 全身の羽毛はオリーブグリーン色、翼下部の羽毛は赤。頭部から腹部の羽毛は灰色がかっており、蝋膜(ろうまく:上嘴の基部にある肉性の膜)と眼は濃い灰色。生まれてから、3歳くらいまでは、蝋膜、目の周りとくちばしが黄色。
  • ケーーアと鳴く
  • 南島の広域に生息しているが、主にアルプスでみられる、好奇心が旺盛で特にアルプスやスキー場では人が来ると近づいて来る。
  • 木の根元の穴、岩の窪みなどの地上に巣を作る
  • 産卵は7月から1月の間に4個の卵を産み3~4週間で雛が孵る。ひな鳥は3か月で巣立つ。卵を温めたり餌を与えるのはすべて雌が行い、雄は雌に食べ物を運んでくる。
  • 一夫一妻制
  • 他のオウムや鳥と比べてとても頭が良い、どうかすると哺乳動物を超えるとも言われる、特に若い鳥はいたずらが好きである
  • 適応力に優れており、人間が残した狩った獲物の残骸や、木の幹から幼虫や、土を掘って虫を捕食する
  • 雑食性
  • 幼鳥の期間が長い

© Bernard Spragg. NZ via Flickr

面白いエピソード

では、どれくらいオウムのケアは頭が良いのでしょうか?
それを証明する実際に起きた珍エピソードを紹介します。

キャンプ場で蛇口をひねって水を出すことを覚えた
・トレッキングコースの山小屋で山岳者をトイレに閉じ込めた
・オコジョ退治用の罠を道具を使って開けて中にある卵を盗むことを覚えた
・ウサギの屍骸めぐってネコと引っ張り合いをしていたところを目撃された

などなど、とてもオウムの仕業とは思えませんよね?

他にも面白いケアの行動を捕えた動画があるので併せてご覧ください。

動画①
山中で車から出て景色を楽しんでいる間に、ケアが車をつついて分解したもの。
このビデオは保険会社のテレビのコマーシャルとして使われ、一世を風靡しました。

動画②
観光名所として有名なミルフォードサウンドへ通じる道で、道路工事用のカラーコーンを勝手に動かし走行する車のはた迷惑となり夕方のニュースで放映されました。

ケアの保護

ケアは羊を襲って肝臓を食べることから、1971年に法令で禁止されるまで羊業家はケアを撃って退治していました。
1986年に保護鳥に、2013年に絶滅危惧種に指定されています。

現在ケアはおよそ6,000羽の数が生息していると推測されています。

◆ 数が減っている原因

現在絶滅危惧に指定されているほど数が減っている最大の理由に、地上に作られたケアの巣は天敵に簡単に狙われやすいことが挙げられます。
ケアの天敵は、オコジョやポッサムやネズミなどの小動物です。猫の数も増えるとケアの住みかと重なりケアに危害を与えがちです。
また社交家で好奇心旺盛であるため、人間や車との接触や、オポッサム退治用の罠にかかって死ぬこともあります。
その他に、ケアは鉛の味を好み、鉛の入った釘やランプを舐めて結果として鉛中毒にかかったり、
キャンプ場や駐車場、農場等でのいたずらの度が過ぎて損害与えることから、違法ですが未だに人に撃たれることもあります。

◆ 実際にケアに出会ったら

ケアの保護対策として、天敵駆除のためオコジョやポッサムを捉える罠が仕掛けられています。
また、それぞれのケアの足には個々を認識する色のついたバンドが装着され、行動がモニターされています。

実際にケアに出会ったら、次の点に気をつけましょう。

  • 決して食べ物を与えない。時として害になることが多いです。
  • 衣服や靴、食べ物それから明るくて目立つ色をしたものを傍に置かない
  • 釘やライトなどを鉛が入ってないものに替える
  • 足に認識用の色つきのわっかをつけたケアを見つけたら、いつどこで、何色のバンドを見たかを記録して報告しましょう。
    写真もあると良いです。報告はこちらまで https://keadatabase.nz/report
  • ケアのいたずらに困っている場合はまずはKea Conservation Trustに連絡をして支持を仰ぎましょう。(電話番号 0274 249 594 )

参考文献:https://www.doc.govt.nz/nature/native-animals/birds/birds-a-z/kea/)

あとがき

ケアは雪山に住んでいるオウムというだけでも珍しいですが、その上頭が良くて好奇心旺盛となると、ますます興味深い鳥です。
ケアのように格別に珍しい鳥が存在するのも、地理上他の大陸より遠く離れており、それから約6,800万年もの間哺乳類が生息しなかったニュージーランドだからこそでしょう。

ケアの他にも、ニュージーランドの固有種として代表的なキウイ、それから生息数が僅か200羽余りのオウム、カカポについても紹介しています。
興味がある方は是非こちらもどうぞ。

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ABOUTこの記事をかいた人

1997年にNZに渡航。以来住み心地がよく現在に至る。旅行、ホテル業界を経て現在は教育業界に従事。 趣味は、ガーデニング、アートと映画鑑賞、夏のキャンプ旅行。 パートナーと中学生娘とウェリントン在住。