ニュージーランドの教育システムが大きく変わります。来年から国家学力証明書(NCEA)に変わって新しい教育システムが導入されます。
この編ではその新しい教育システムの内容や、導入についてできる限り分かり易く解説していきます。
ニュージーランドで中高校生の子供さんを持つ親御さん、それからこれから中学・高校留学を考えている方は必見です。
はじめに
今月初め、ニュージーランド政府は現在採用されているNCEAと呼ばれる中高等教育資格制度を廃止し、替わりに新しいシステムを導入することを発表しました。
教育界の大改革と言われるこの新しいシステムの導入について、クリストファー・ラクソン首相は、現在のNCEAは「一貫性がなく」、「運用が難しい場合がある」からだとコメントしています。
NCEAは20年もの間、従来の学校修了証書制度と奨学金制度に取って代わり運用されてきました。
そのNCEAに代わる新しいシステムとは具体的にどのような内容なのでしょうか?

背景
「ニュージーランドの教育制度の卓越性を取り戻す」ことが目的だとエリカ・スタンフォード教育大臣とクリストファー・ラクソンが述べた今回の教育改革、その背景に現行の中高生徒の資格制度であるNCEAは、
- 幅広いスキルと学習を認めるよう柔軟で包括的に設計されているため、一部の分野で成果を上げてきた一方で、あまりにも柔軟しすぎて逆に複雑である
- 生徒の本当の成績がわかりづらい(低成績を覆い隠している)
- ラクソン首相とスタンフォード大臣自身が親として、子供たちがNCEAをうまく活用できるようサポートする中で、制度に戸惑った
と記者会見の席で述べています。

新しいシステムの主な内容
以下は中高校生を対象としたシステムの主な内容です。
- 11年生(Year 11)で英語と数学を必修化し、読み書きと計算能力を認定する独立した基礎スキル認定制度を導入- NCEAレベル1に代わる
- 12年生と13年生では5科目の履修が必須となり、各年次の修了証を取得するには少なくとも4科目の合格が必要
- NCEAレベル2と3に代わり、12年生にはニュージーランド教育資格(NZCE)、13年生にはニュージーランド上級教育資格(NZACE)を導入
- 100点満点の点数とA~Eの文字を組み合わせた新しい成績評価システムにより、生徒、保護者、そして雇用主が生徒の達成度を明確に把握
- 建設、自動車、ホスピタリティなどの分野における職業訓練を強化するため、業界の専門家と共同で新しい科目と基準を設計
こうして生徒は、より一貫性がありまた体系化された科目ベースのプログラムに従って学習できると期待されています。

評価方法
現行の NCEAでは、生徒の学習成果は優・良・可の三段階で評価されています。
新しいシステムでは、文字による5段階(A~E)に加え、100点を満点とする明確な数値で評価されます。これにより生徒の学習成果がより理解しやすくなることが期待されています。
また、新評価システムは個々の基準の集合ではなく、科目ごとの一貫性のある学習プログラムベースに置き換えられます。
いつから?
新しい教育システムは来年2026年から段階的に導入され、生徒に不利益が及ばないような方法で順序付けられます。
最初の対象となるのは現在8年生(2025年時点)の生徒で、来年2026年から新カリキュラムに基づく学習を受け始め、新しい認定資格に基づいて評価されます。
現在9~12年生(2025年時点)の生徒は、引き続き旧カリキュラムに基づく中高等教育を受け、NCEAレベル1、2、3に基づいて評価されます。
従って、新しいNZCE(12年生対象)が始まるのは現在8年生(2025年時点)の生徒が12年生になる2029年、NZACE( 13年生対象)は2030年になります。
NCEAの歴史
ところで現行のNCEAが導入されたのは2002年でした。
NCEAは、それまで学問分野に重点を置いた学校修了証書、大学入学資格、シックスフォーム修了証書、大学奨学金資格に取って代わりました。
教育省のウェブサイトによると、NCEAは「より柔軟で包括的な教育モデル」を謳い文句に、生徒を比較して順位付けするのではなく、設定された基準に照らして各生徒の学習状況を測定します。 各また、その基準は一定の単位数に相当し、ある基準を達成するとその基準に相当する単位数を取得できます。
NCEAの学習成果は、通常、年度末の全国試験による外部評価、または年間を通して実施されるエッセイ、実験、テストによる内部評価(各学校が採点)によって評価されています。 内部評価の採点は、NZQAの独立したモデレーターによってもチェックされ、すべての学校が国家基準に沿って学習成果を評価していることを確認されています。

(出典)
https://www.1news.co.nz/2025/08/04/ncea-changes-what-you-need-to-know/
あとがき
新しいカリキュラムの内容がわからないので何とも言えませんが、評価方法が習熟度から相対度に変わることには大賛成です。
私が以前こちらの高校でアカデミック・ティーチャーズ・エイドとして海外からの留学生の学習をサポートしていた時に、習熟度評価が現実と合わないことを切に実感した経験が多々あります。
例えば、生徒が英語の各単元末テストでなんとか可の評価を受け単位を取得しても、大学へ進学する英語のレベルからはかなりかけ離れているケースなどです。ですので保護者が誤って期待過ぎないように、期末の各教科の教師からのレポートには率直に書くようにお願いしていました。
ところで、今月初めに発表して来年の頭からシステムを導入するとは、さすがニュージーランドです。でも大丈夫なのでしょうか。来年また一波乱ありそうですよね。
Ngā mihi
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