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Yellow Eyed Penguin が今年2024年の最も人気のあるニュージーランドの鳥に選ばれました。
マオリ語でhoiho (ホイホ)と呼ばれる Yellow Eyed Penguin は5ドル紙幣の裏を飾るなど、ニュージーランドの国民に親しまれているペンギンです。
その hoiho ことYellow Eyed Penguin の特徴や1位に選ばれた理由など詳しく紹介します。
1. はじめに
毎年恒例の Bird of the Year 2024 と呼ばれるニュージーランドの鳥の人気投票で、Yellow Eyed Penguin/hoiho が1位の座に輝きました。
この鳥の人気投票は、毎年Forest and Bird という自然保護の非営利団体が主催、国民の投票でランキングが決まります。
2005年に始まったこの鳥の人気投票、今年は52,477票が投じられ、その内6,800 票あまりを集めてYellow Eyed Penguin/hoihoがトップになりました。2019年にも選ばれており、今回は2回目の受賞となります。
2. Yellow Eyed Penguin / hoihoの特徴
Yellow Eyed Penguin / hoiho はニュージーランドの一部の地域にのみ生息し、世界でもっとも希少なペンギンと言われています。
そして、5ドル紙幣の裏側の鳥としても選ばれるほど、ニュージーランドで最も有名なペンギンです。
お分かりのように目の周りが黄色いので Yellow Eyed Penguinの名が付いていますが、一般市民にはhoiho(ホイホ)として親しまれています。
hoiho はマオリ語で煩い甲高い声を意味します。
実際にYellow Eyed Penguin / hoiho はびっくりするような甲高い声で鳴きますが、とても臆病です。
また、他のペンギンのように集団で繁殖コロニーを形成せず単独で巣を構え、森や灌木の間に住むなどとてもユニークなペンギンです。
そして悲しいかな数が激減しており、絶滅危惧種に挙げられていることも事実です。
● 名称
Yellow Eyed Penguin/hoiho
和名:キンメペンギン/キガシラペンギン(黄頭企鵝)
● 生息地
ニュージーランドの南島の南東部、スチュアート島やキャンベル島、オークランド諸島のみ。
ダニーデン郊外のオッタゴ半島の営巣地は有名
● 形態
全長66–78 cm 体重5–8 kg
頭は黄白色に黒斑があり、黄色い目をしている。
● 生態
主に魚類、イカなどを日中に沖に移動して単独で捕食
他のペンギンのように集団繁殖地(コロニー)は形成せず、単独で森林や灌木の間に巣を作る
● 生息数
推定4,000羽。絶滅危惧種。
NZ本土で過去15年の間に78%減少。去年だけでも18%減っている。
生息地の破壊、人為的に移入されたイヌやネコ、オコジョ、フェレットによる捕食や、漁業や観光により生息数が激減している。
3. 保護
hihoが2024年の鳥のランキング1位に見事輝いたのは偶然の賜物ではありません。
実は hoiho支援者の熱い応援があってこそでした。
hoiho の営巣地がある南島のオッタゴ地方の都市Duniden(ダニーデン)は、野生動物の首都の異名が付くほど、市民が自然や野生動物の保護活動に一生懸命に取り組む市として知られています。
そのダニーデンで、オッタゴ博物館、地元の自然環境保護団体、ラグビーチーム Highlanders ( ハイランダー)、地ビール会社などが team hoiho を結成。一丸となって、hoiho 票の獲得に向けてキャンペーンを行いました。
Emerson’s Breweryと呼ばれる地ビール会社は、 キャンペーンの一環として “people’s penguin”という新しい銘柄のビールを作ったほどです。
その甲斐あって今回 hihoが見事1位に輝き世間の注目を集めたことで、hoiho を絶滅の危機から救う具体的な策が執られるものと team hoiho は期待しています。
前にも述べたように、hoiho の数が激減している主な原因は天敵です。特に抵抗できないひな鳥は、ねこやイタチ、オコジョなどに襲われやすく、すべての巣が一掃されることもあるほどです。またジフテリアなどの伝染病も大きな原因となっています。
このため陸地ではこうした害を避けるため様々な保護対策が取られていますが、海上での対策が何ら打たれてないのが現状です。
漁業のしかけ網に引っかかって溺れたり、充分にえさを取ることが出来くて死んでいるなど状況が続いているため、海上でも早急の対策を必要としています。
ちなみに hihoを一位にするキャンペーンには、世界のチンパンジーの最高位の専門家として有名なイギリスのDr Jane Goodallや、ニュージーランドの元首相のHelen Clark, Chris Hipkins らも名を連ねていました。.
4. 上位10 ランキングの鳥
2024年度のBird of the year のトップ10にランクした鳥は次の通りです。
カッコ内の数字は投票数です。
- Hoiho yellow-eyed penguin (6,328)
- Karure Chatham Island black robin (5,442)
- Kākāpō (4,548)
- Ruru morepork (4,467)
- Kea (4,206)
- Pīwakawaka fantail (4,205)
- Takahē (3,892)
- Tawaki piki toka eastern rockhopper penguin (3,834)
- Kōkako (3,445)
- Toroa Antipodean albatross (3,415)
5. あとがき
ニュージーランドは、18種類のペンギンのうち7種類ものペンギンの繁殖地がある、まさしくペンギン王国です。
その中でも、 hoiho はその可愛いらしい姿や希少であることから、ニュージーランド人にとっては格別であると言っても過言ではありません。
10年ほど前ですが、ダニーディンのオッタゴ半島でエコ・ツアーに参加して hoiho を観たことがあります。砂浜の断崖に一羽立っているのを、双眼鏡で覗いてみるというものでした。その砂浜は法令で人間は立ち入り禁止となっており、hoiho やオットセイなどの希少動物が保護されています。
オッタゴからさらに南に下がった最南端のCatlinsでは、ツアーに入らなくても夕方hoihoが沖から巣に戻ってくる様子などを、見晴らし台の上から見ることが出来ます。
無料ですが、距離を保つ、大きな音を立てないなどの決まりごとに気を付けてお楽しみ下さい。
ngā mihi
wonderer