Kia ora
今回のシネマ編では『ハムネット』をお届けします。
『ハムネット』はイギリスの大作家シェイクスピアの名作「ハムレット」の誕生にまつわる物語で、監督はあの『ノマドランド』でアカデミー賞を席巻したクロエ・ジャオ。
そしてこの『ハムネット』でジェシー・バックリーはアカデミー賞主演女優賞受賞しています。
が、『ハムネット』はそれだけではありません。
芸術性に富んだ美しいストーリーや映像は勿論、衣装、そして何といっても子役の男の子の演技など見どころが盛りだくさんです。
存分に楽しめる『ハムネット』は、日本では4月10日(金)に公開されます。
お見逃しなく。
ハムネット
原題:『Hamnet | ハムネット』
製作国:イギリス/言語:英語/上映時間:126分
原作:マギー・オファーレル『ハムネット』
監督:クロエ・ジャオ
脚本:マギー・オファーレル、クロエ・ジャオ
製作:スティーヴン・スピルバーグ、サム・メンデス
出演:ジェシー・バックリー、ポール・メスカル、ジョー・アルウィン、エミリー・ワトソン
日本公開:2026年 4月10日(金)公開
配給:パルコ ユニバーサル映画

あらすじ
16世紀イギリスの小さな村。薬草の知識を持ち、不思議な力を宿したアグネス・シェイクスピア。作家としてロンドンで活動する夫ウィリアム・シェイクスピアが不在のなか、子どもたちを守り奮闘するが、やがて不幸が家族を訪れる。
感想
『ハムネット』はウィリアム・シェイクスピアの名作戯曲「ハムレット」の誕生の背景にあった悲劇と愛の物語を、フィクションを交えながら描いたドラマです。
『ハムネット』は実在したシェイクスピアの唯一の息子を指し、「ハムレット」は1599年から1601年頃に書かれた架空の戯曲です。同じ名前のようですがネとレの文字が違います。ですが当時の英国では「ハムネット」と「ハムレット」は同じ名前の同義語として扱われており、『ハムネット』も「ハムレット」も同じ名前を指します。

その『ハムネット』をニュージーランドで数か月前に観たのですが、純粋に胸が締め付けられるような思いがしばらく拭えませんでした。
それは恐らく『ハムネット』が、死と悲しみという人間としての宿命を、何のてらいもなくストレートに訴えているからでしょう。
訴求性が高い理由の一つに、自然光を取り入れた映像が一役かっています。物語の舞台を自然に美しく作り出したことで、より一層登場人物の心情に近づくことができたと思います。
そしてもちろん各役者の素晴らしい演技無しではこの映画の素晴らしさを語ることは出来ません。
特にシェイクスピアの妻アグネス役、ジェシー・バックリーの喜びや悲しみをありのまま表現し、説得力ある演技は特筆すべきものがあります。アカデミー賞主演女優賞の受賞は当然の結果でしょう。
それから、子役の男の子の演技からも目が離せません。
裏庭で父親と一緒にちゃんばらごっこをしている姿からすでに存在感が示されていましたが、圧巻は彼の最期に暗い世界を彷徨う演技です。大人顔負けの演技でした。
この男の子はジャコビ・ジュプという名前で、なんと『ハムネット』は彼のデビュー作だそうです。
ちなみにジャコビ・ジュプは、舞台の上で『ハムネット』を演じる青年ジャコビ・ジュプの実の弟に当たります。お兄さんのように是非これからも演技を続けて欲しいですよね。

ストーリー、舞台設定、演技、すべてクオリティーが高く評価は文句なし五つ星です。
★★★★★
プロフィール
📣 監督 : クロエ・ジャオ
趙婷、Chloé Zhao, 映画監督、脚本家、映画プロデューサー。
1982年中国の北京市に生まれる。マサチューセッツ州のマウント・ホリヨーク大学で政治の学士号取得後、演劇の名門ニューヨーク大学ティッシュ・スクール・オブ・アーツで映画製作を学ぶ。2015年『Songs My Brothers Taught Me』で長編映画デビュー。2作目の『ザ・ライダ-』(2017年)は高評価を受け、2021年の『ノマドランド』では、ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を、そしてアジア人として初めてゴールデングローブ賞監督賞、アカデミー賞作品賞と監督賞を受賞。『ハムネット』ではアカデミーの8部門にノミネートされた。講談社がハリウッドに設立した映像制作会社「Kodansha Studios」の最高クリエイティブ責任者に就任している。

☆ 主演女優:ジェシー・バックリー
Jessie Buckley, アイルランドの女優。1989年アイルランドのキラーニーに生まれる。2008年から芸能活動をはじめ、アイルランドやロンドンを中心に舞台に立つ。2013年ロンドンの王立演劇学校を卒業。2016年テレビドラマでの演技が注目を浴び、2017年、初主演映画の『Beast』で英国インディペンデント映画賞最優秀新人賞を受賞。2018年、映画『ワイルド・ローズ』の主人公ローズ役を演じ歌も吹き替え無しで歌い、BAFTAスコットランド・アワード主演女優賞を受賞するなど高い評価を受ける。2021年、監督作『ロスト・ドーター』で、オリヴィア・コールマン演じる主人公の若き日を演じ、英国アカデミー賞とアカデミー賞でも助演女優賞にノミネートされる。2021年、舞台『キャバレー』でローレンス・オリヴィエ賞のミュージカル主演女優賞を受賞。2022年出演した『ウーマン・トーキング 私たちの選択』で放送映画批評家協会賞助演女優賞にノミネート。『ハムネット』では主演し、アカデミー賞主演女優賞の他、数々の賞を受賞。

あとがき
今年のアカデミー賞で『ハムネット』は、主演女優賞の他に作品賞か監督賞のどちらかを、もしかしたら両方を受賞すると思っていましたが、残念ながら主演女優賞のみでした。
その他にも私が主演男優賞に期待していた『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』のティモシー・シャラメ、それから脚本賞の『センチメンタル・ジャーニー』もだめで、今年のアカデミー賞の結果にかなり寂しい思いをしました。
アカデミー賞が終わった今の時期はニュージーランドでも封切られている映画の数が少ないですが、日本では一年に渡って上映される洋画が少ないように思えます。
日本映画が沢山製作されているからなのでしょうか。
Ngā mihi
wonderer

















