ティモシー・シャラメがろくでもなし役『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』感想

Kia ora

『デューン 砂の惑星』『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』など、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍しているティモシー・シャラメ。
『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』では、そのティモシー・シャラメが、卓球の世界チャンピオンになって人生一発逆転を狙うろくでもない男を演じます。

日本では3月13日(金曜日)に全国一斉公開予定です。

『 Marty Supreme | マーティ・シュプリーム 世界をつかめ

英題:『Marty Supreme』
ジャンル:/スポーツコメディドラマ/言語:英語/上映時間:150分/
制作国:アメリカ合衆国/製作年:2025年
監督/脚本:ジョシュ・サフティ
製作: A24
   ジョシュ・サフディ、ティモシー・シャラメ
出演者:ティモシー・シャラメ グウィネス・パルトロウ、オデッサ・アザイオン、ケビン・オレアリー
タイラー・オコンマ(タイラー・ザ・クリエイター)
配給:ハピネットファントム・スタジオ
日本公開日:2026年3月13日

あらすじ

1950年のニューヨーク。世界一の卓球選手になることを夢見るマーティ・マウザーは、親戚の靴屋で働きながらロンドンで開かれる世界選手権に参加するためにあの手この手で資金を工面しようとする。世界選手権で日本のエンドウ選手に敗れたマーティは、次回の日本での世界選手権への出場を目指すが。。。

感想

『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』は、1950年代のニューヨークを舞台にした、実在の卓球選手マーティ・リーズマンの人生に着想を得たドラマです。

映画の中の主人公のマーティはマニアックで欲望まる丸出しのろくでもない人間。その同じ人間が一方では、自身で追い詰めた目標を果たし、そして新しい生命に感動して涙します。
が、それでももしかしたらマーテイはまたいつものろくでもなしの生活に戻るかもしれません。それも間の性(さが)というものでしょう。

人間の倫理観や道徳観について考えさせられた鬼才ヨルゴス・ランティモス監督、エマ・ストーン主演の哀れなるものたちを思い出しました。ただ、哀れなるものたちに比べればインパクトが弱いような気がしますが。


それにしても主演のマーティを演じたティモシー・シャラメはすごい役者です。
『デューン 砂の惑星』の静かで強さを秘めた主人公ポールにはシャラメしか以外と評論家を唸らせましたが、本作品では全くその逆の、神経質でまくしたてるように話す最低とも言える男を、これまた地で演じているように見せてくれます。

そして、『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』で引いたギターのように、この映画での卓球もスタント無しですべて自分でプレイしたそうです。

聞くところによると、2018年、コロナ禍中にサフディ監督から出演依頼を受けて以来、ニューヨークのアパートのリビングルームに卓球台を設置しパンデミックの間中ずっと練習し、ロケ先にも卓球台を持って行って『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』のギターと並行して卓球を練習していたと本人がある雑誌のインタビューで語っています。おかげで、撮影が始まった時には、画面上で世界チャンピオンのプレーをほぼ再現できるほど上手で、監督らを驚かせたらしいです。

ティモシー・シャラメ以外の配役もとても面白いです。
6年ぶりのスクリーン復帰となるグウィネス・パルトロウは、ハリウッドの銀幕の女王さながらの気品あふれる存在感を発揮しています。
そして、マーティの宿敵である日本人の遠藤選手も、もの静かな佇まいに中に少し狂信的な雰囲気がありマーティの相手役としてとてもいい味を出しています。この遠藤選手役は、東京2025デフオリンピック卓球男子団体で銅メダルを獲得した川口功人(トヨタ自動車)選手が演じられています。


ちなみに、クライマックスの手に汗握るゲームは50年代の日本を再現した上野恩賜公園で撮影されたそうです。

評価は、全体としての作品のインパクトがいまいち欠けていると感じられたので四つ星にしています。
★★★★

プロフィール

Joshua Henry Safdieジョシュア・ヘンリー・サフディ。アメリカの映画監督。1984年ニューヨークでユダヤ人家系の元に生まれる。コロンビア大学グラマー&プレパラトリースクール、ボストン大学コミュニケーション学部を卒業。
弟のベニー・サフディと共に2009年『あしながおじさん』、2013年『レニー・クック』、2014『天国は知らない』など数々の映画を監督し、2017年公開の犯罪スリラー映画『グッド・タイム』はカンヌ国際映画祭のパルムドール賞を競う。二人の次作『アンカット・ジェムズ』はマーティン・スコセッシが製作総指揮、アダム・サンドラー主演し、インディペンデント・スピリット賞の最優秀監督賞を受賞した。ソロで脚本・監督を務める『マーティ・シュプリーム』アカデミー賞で作品賞と監督賞など4部門にノミネートされている。
プロデューサーのサラ・ロセインと結婚し2人の子供を設けている。

ジョシュア・ヘンリー・サフディ

Timothée Hal Chalamet アメリカ合衆国とフランスの俳優。1995年フランス人で国連勤務の父親と元ブロードウェイのダンサーで不動産ブローカーの母親の元、ニューヨーク州マンハッタンに生まれ、マンハッタンとフランスを行き来して育った。姉はフランスで女優業をしている。コロンビア大学からニューヨーク大学に編入した。幼少期からコマーシャルや短編映画に出演。中には人気TV番組『ロー&オーダー』も含まれる。2014年の映画『ステイ・コネクテッド〜つながりたい僕らの世界』で映画デビュー。2017年初主演の『君の名前で僕を呼んで』の演技が絶賛を浴びアカデミー賞で主演男優賞にノミネート。その後、『レディ・バード』、『ビューティフル・ボーイ』、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』、『DUNE/デューン 砂の惑星』、『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』など数多くの映画に出演。名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』のボブ・ディラン役に続き、『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』の主演でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされている。

ティモシー・シャラメ

あとがき

『君の名前で僕を呼んで』を観て以来ティモシー・シャラメの大ファンです。
来週3月15日に行われる2026年のアカデミー賞で主演男優賞を受賞しなくても、いつかは絶対取るのではないかと確信しています。

次のシネマ編では『Hamnet | ハムネット』を紹介する予定です。

お楽しみに!

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