Kia ora
先月末からウェリントンの国立博物館 Te Papa | テパパでマオリの彫刻展が開催され、大反響を呼んでいます。
その展示会の名前は『Toi Whakairo | トイ・ファカイロ』、直訳すると「アートとマオリ彫刻」です。
『Toi Whakairo | トイ・ファカイロ』展では、ニュージーランドの先住民マオリの伝統文化である彫刻が、モダンにそして美しく表現されています。
あまり、マオリ文化に馴染みがない人も楽しめることでしょう。
この編ではその『Toi Whakairo | トイ・ファカイロ』展の見どころなど詳しく紹介します。
Whakairo とは
マオリ語のエキシビション名『Toi Whakairo | トイ・ファカイロ』の toi はアートを、Whakairo は、カービング|マオリ彫刻を表します。
ニュージーンランドの先住民マオリ族は元々文字を持っておらず、情報の伝達は口語、もしくはWhakairo |マオリ彫刻で行われていました。
マオリ彫刻の幾何学的な模様はそれぞれに異なる意味を持っています。
このため、建物やマオリ人独特の tā moko | 入れ墨 の模様を見れば、その持ち主の部族や人について理解できるという訳です。
Whakairoとtā moko | 入れ墨の詳細は↓をクリックしてご覧ください。
『Toi Whakairo | トイ・ファカイロ』展概要
そのマオリの伝統的な彫刻を集めた特別展『Toi Whakairo | トイ・ファカイロ』は、テパパ国立博物館の4階のマオリセクション 「 Mana Whenua 」に2026年8月にオープンしています。
140点以上が展示されたこの『Toi Whakairo | トイ・ファカイロ』展では、700年に渡るマオリ彫刻を伝統芸能としてだけでなく、新しい技術、素材、アイデンティティ、そして芸術的な表現を通して進化し続けるダイナミックな芸術形式が提示されています。
このようにマオリ彫刻の集大成とも言える大々的な展示会は、1984年から1986年にかけて米国とニュージーランドを巡回しマオリ文化復興に貢献した画期的な展覧会「Te Maori」以来実に40年ぶりです。このため国内外で注目を集めています。
『Toi Whakairo | トイ・ファカイロ』展は、「Te Maori」を始めマオリ文化復興の火付け役となったリーダー Piri Sciascia | ピリ・シアシアの格言、
He Toi Whakairo, He Mana Tangata
芸術の卓越性があるところに、人間の尊厳がある
を指針としており、彫刻を通してマオリ魂の本髄に触れることができます。

主な特徴
- 7 世紀にわたる 140 以上の作品が一堂に展示。そのほとんどが未公開
- 伝統的な彫刻だけでなく、斬新なデザインや素材を使った多様でコンテンポラリーな作品が楽しめる
- 女性の彫刻家(wāhine tā whakairo)による作品も展示
- パステルカラー調の空間で、モダンなアートの空間
- 日本に関連した彫刻もある
- 入場料無料(但し海外客は博物館入館料35NZドル要)


みどころ
とにかく美しくて興味深い作品が多数展示されていますが、その中でもとりわけ見逃せないを作品を挙げて
- Wakahuia|宝箱 1750-1850
貴重な装飾品を保管するために使われ、大切な中身を守るため家の梁から吊るされていました。ラウルと呼ばれる犬の歯の模様と、平行な溝が交互に並んだパターンの螺旋模様が全面に彫られ、アワビ貝の象眼細工が施されています。

- Karetao (marionette), Kapahaka Queen by Ngaroma Riley
女性の彫刻師による作品。日本人と結婚し日本で初めて女性が彫刻する姿を見たのがきっかけで彫刻師に。マリオネット(操り人形)の作品で知られおり、自分自身をマオリの武闘ダンスグループ、カパハカのクイーンの他、母親、アーティストなど女性の多面性を表現しています。

- Hei tiki, Ruatepupuke by Stacy Gordine, 2009
ヘイティキは人体を象ったペンダントです。マオリ族の装身具の中でも最も有名で、高く評価され、文化的に象徴的な存在です。アーティストのステイシー・ゴーディンは、骨や石を使ってpoupou|壁柱のような大型彫刻を小型化したヘイティキの先駆者な存在。このヘイティキは、シカゴのフィールド博物館に所蔵されているpoupou|柱を支えています。

- Tekoteko 作者不明 1850-1900
聖母マリアとイエス。マオリ族と白人の文化交流の一例として、キリスト教、特にローマ・カトリックの信仰とマオリ族の世界観が融合しています。マリアの顔全体にモコ(刺青)を施すことで、聖母マリアの概念を表現されています。

- Whakapapa by Stevei Houkāmau, 2021
アメリカの先住民族が家宝にしている種子にインスピレーションを受けて製作。個別に彫刻された黒、白、茶色の粘土の種は、マオリと太平洋のファカパパを体現し、歴史、アイデンティティ、集団的な希望を運ぶ器として過去、現在、未来の世代を反映しています。

- Poupou (side wall post), Tamarau, by Rangi Kipa 2019.
有名なマオリの彫刻家でtā moko | 入れ墨のアーティストのランギ・キパの作品。 2.1 メートルのピンクの poupou | 彫刻された側壁ポスト はキッチンのカウンタートップに使用される加工石に彫られています。

他にも、実際に whakairo | マオリカービングが行われている模様を収めたビデオは必見です。
それから着物を着てお辞儀をしてる像は、日本人と結婚したマオリ女性の彫刻師Ngaroma Riley(ナロマ・ライリー)の義理の妹がモデルとなっています。
こちらもお見逃しなく。


テパパ情報
名称 : Te Papa Tongarewa
テパパ国立博物館
設立 : 1998年2月14日
住所 : 55 Cable Street, Wellington 6011, NZ
開館日 : 10時~6時 クリスマス日を除き無休
入館料 : NZ 滞在者無料
海外在住者$35(48時間有効)
HP : https://www.tepapa.govt.nz/
あとがき
一般的にマオリの彫刻はものものしく、あまり馴染みがない人には取っつきにくい感がありますよね。
ですが今回取り上げているテパパの『Toi Whakairo | トイ・ファカイロ』展は、淡いピンクや水色が混じった優しい色調がふんだんに使わているなどモダンなスペースに造られているので、気負わずに立ち入ることができます。
日本から来られる方はテパパの入館料として35NZドルかかりますが、48時間有効ですので二日に分けて腰を据えて回ることができます。
その際は、是非この『Toi Whakairo | トイ・ファカイロ』展もお忘れなく!
Ngā mihi
wonderer





















