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ここ最近ニュージーランドでは高齢者介護システムについて盛んに論議されています。
専門家グループが現在の高齢者介護システムは将来持続不可能であると、警笛を鳴らしたことがきっかけです。
ニュージーランドにいる日本の永住者は約6,000人と言われています。
ですので高齢者介護の問題は決して他人事ではありません。
この編ではその高齢者介護システムの実態と課題、そして今後の予測などを詳しく解説していきます。
高齢者介護システム
まず初めに、現在のニュージーランドの高齢者介護システムについて簡単に説明します。
ニュージーランドで高齢による介護が必要になった場合、介護の方法として在宅か高齢者介護施設の利用があります。
高齢者介護施設は全国に700か所あります。リタイアメントビレッジと呼ばれる高齢者向けの集合住宅地とは異なります。
高齢者介護施設に入居するには、その地区の保健局の「Needs Assessment Service|要支援者調査・調整機関(サービス調整機関)」にて、家族構成や現在の収入、どのくらい介護を必要としているかなどが調査されます。
また、補助金が支給される場合もあります。
高齢者介護施設に入居にあたっての具体的な条件は次の通りです。
- 入居資格:65歳以上(慢性疾患、重度の障害、または扶養する子供がいない場合は50歳から64歳)。専門機関により24時間体制の介護が必要であり、自宅で安全に生活できないと認定
- 費用:標準タイプ週当たり約1,500〜1,600NZドル(地域やケアレベルによって異なる)
- 政府の補助金(居住介護補助金):資産や収入が一定の基準以下の場合が該当
個人の年金を含む収入が査定され、標準介護の費用との差額分が補填される。固定の金額設定は無い。(詳細は政府の Residential Care Subsidy(居住介護補助金)参照)

将来への課題
一見すると整っているように思えるニュージーランドの高齢者介護システムですが、実は今大きな課題を抱えており関係機関は揺れています。
その課題がはっきりと明るみになったのは、高齢者介護に関する大臣諮問(しもん)グループが報告書を提出したのが事の始まりでした。
諮問グループは報告書の中で次のようにまとめています。
- 現行の制度は転換期を迎えており、抜本的な制度改革を今すぐ開始しなければならない
- 多くの高齢者は十分な支援を受けているものの、抜本的な制度改革が必要。現状の制度では将来の需要に安全かつ公平、そして持続可能な形で対応することは不可能である

具体的な問題点
また同報告書は、具体的な問題として
- 介護施設のベッド数の不足。現状のままでは10年余りで9000床以上が必要人数に見合わず
- 介護を行う人材不足
であると指摘しています。’
この問題を補うために、政府の年間約6億ドルの追加費用は確定。最悪のシナリオでは数十億ドルの費用がかかるとされています。
理由
上記の問題が起こっている背景には次のような要素が挙げられています。
- 65歳以上の人口の増加(現在の約95万人のは2040年までに約130万人に増加。人口の割合では、1996年は約10人に1人が、2050年代には4人に1人に達する)
- 人々が長生きするにつれて、より複雑なニーズを抱えて介護施設に入居する傾向にある。このため病院、救急外来、一般開業医、そして介護施設にさらなる負担がかかる
- マオリ、太平洋諸島系、アジア系の人々の介護施設に入居する可能性が著しく低く、構造的かつ複合的な不平等が生じている
- 在宅介護と高齢者向け施設介護を含む高齢者介護に政府は25億ドル以上を支出しているが、資金が介護提供コストの上昇に追いつかず持続的な財政的圧力にさらされている

改善案
このような高齢者介護システムの問題について、諮問グループは対応策として幾つかのシミュレーションを行っています。
その中で最も有力なシナリオは、高齢者介護モデルを根本から改革する案です。
そして改革案として40項目が政府に提言されています。
その内国民に直接関係ある項目などを抜粋して紹介します。
- 在宅介護、施設介護、終末期ケア、そしてより広範な保健・社会福祉サービスを包括する単一システムへの改革
- 高齢者介護システムにおけるアセスメントの合理化と、文化的ニーズや非臨床的な社会的要因など、様々な要素を考慮に入れるなど既存のアセスメントツールの改訂
- 契約および規制環境の変更も提言し、2年以内に「大幅な料金値上げ」を実施
- 在宅介護については、コスト上昇に対応するため、来年度に6%の値上げ(約3,000万ドルの費用)を実施し、さらに2028/29年度には介護サービスの提供能力向上に向けた追加投資を行う
- 施設介護については、来年度にベッド1床当たりの料金を7.1%値上げする見込み
- 高齢者介護サービスの資金調達モデルを根本的に見直す
- 原則として公的資金は必要不可欠なニーズに基づく介護を優先すべき
- 資産のある人が介護費用の一部を負担しなければならない基準額を10万ドルに引き下げる

政府の反応
このような諮問機関からの報告を受けて、 Casey Costello | ケーシー・コステロ保健副大臣は記者会見の席で、
と述べていることから、高齢者介護サービスについてなんらかの改革が行われることは間違いないようです。
(参照)
https://www.1news.co.nz/2026/08/17/report-calls-for-action-over-creaking-aged-care-model
あとがき
高齢者人口の増加、人手不足の問題は日本でも同じですよね。同じような問題を抱えている国は多いかと思います。
改善策としての提言にあるように、ニュージーランドでは高齢者介護サービスの利用料金がこれから上がっていくことでしょう。
ですが、それに見合うように年金支給額も増額されるのかどうか。。。
と、疑問です。
この点についてもわかり次第紹介していく予定です。
今後ともよろしくお願いいたします。
Ngā mihi
wonderer
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政府は高齢者介護問題をあまりにも長い間先送りにしてきた。現在の高齢者介護サービスの資金調達方法は時代遅れであり、将来必要となる投資を考慮していない。諮問グループの報告書を歓迎し、政府は政策や資金配分に関する決定を行う前に、勧告を慎重に検討する。
これは人々の生活、個人および政府の財政、医療業界、そしてより広範な医療制度に真に影響を与える重大な問題である。私たちは正しい決断を下さなければならない。