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ニュージーランドは「ニュークリアフリー(Nuclear Free)」の国です。
法律で領海や国内への核兵器および原子力船の寄港・立ち入りが禁止されています。
このニュージーランドの「非核政策」は、ニュージーランド独自の非核精神を貫き取り組んだ政策として世界的に有名です。
これからそのニュージーランドの「非核政策」について、経緯や取り組みなど詳しく紹介していきます。
非核化までの経緯
「ニュークリア・フリー|非核国」として世界的に知られているニュージーランドですが、一夜にして非核化が成し遂げられた訳ではありません。
国全体を挙げて紆余曲折しながら非核化が実現しています。
非核化になるまでどのような経緯を経たのか見ていきましょう。


国民全体による反核運動
ニュージーランドが「非核国」となった直接の要因は国民の強い反核意識です。
国中の人々が非核化を求め様々な運動を起こしました。
その背景には次のような引き金となる出来事がありました。
太平洋の核実験
1950〜60年代に太平洋地域で行われた米英仏などの核実験に対し、特にフランスのムルロア環礁での核実験に対してはニュージーランドの国民の強い反感を買いました。
- アメリカの核実験(マーシャル諸島)1946年〜1958年
主にビキニ環礁、エニウェトク環礁で 67回実験を行い、 1954年の水爆実験「キャッスル・ブラボー」では、日本の漁船「第五福竜丸」や周辺の島民が大量の放射性物質(死の灰)を浴びて被ばく。 - フランスの核実験(仏領ポリネシア)1966年〜1996年
ムルロア環礁を中心とした193回の実験は、現地住民や周辺海域の環境汚染を引き起こし、のちにフランス政府も被害を公式に認めた。この大気圏内核実験により一気にNZの国民の怒りが広がった。
レインボー・ウォーリア号事件
1985年、フランスのムルロア環礁での核実験を阻止するためにニュージーランドのオークランドに停泊していたグリーンピースの活動船「レインボー・ウォーリア」が、フランスの情報機関によってが爆破され沈没し、死者1名がでました。
このレインボー・ウォーリア号事件はテロ爆破事件としてニュージーランド社会に大きな衝撃を与え、国民の反核意識は一層高まりました。

政治的行動
反核意識の世論が高まる中、1984年に就任した David Lange |デヴィッド・ロンギ首相率いる労働党政権は、次のような思い切った行動を取りました。
- 1984年 核搭載艦船や原子力船の入港を拒否
- 1987年 「ニュージーランド無核地帯・軍縮および軍備管理法(New Zealand Nuclear-Free Zone Disarmament and Arms Control Act)」を成立
こうしたニュージーランドの非核化の動きは*米国との ANZUS 安全保障同盟に一時的な亀裂を生じさせ、世界の注目を浴びました。
にも関わらず、
デヴィッド・ロンギ首相は世界の圧力に屈することなく、ニュージーランドの独立した外交政策と国家アイデンティティの中核部分を築き上げました。
デビッド・ラング元首相は1985年イギリスのオックスフォードで行われた非核テレビ討論会で、対立候補に「ちょっと息を止めてみて。君が僕の方に寄りかかってくると、ウランの匂いがする!」と発言したことで有名です。
その模様が二番目の動画に納められていますので、是非ご覧下さい。
ANZUS(アンザス)安全保障条約
オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ合衆国の3カ国が1951年9月に調印した多国間の軍事同盟(太平洋安全保障条約)。3国の頭文字をとって「ANZUS」と呼ばれる。第二次世界大戦後、日本の再侵略を恐れたオーストラリアとニュージーランドの安全を保証するため、アメリカが主導して結成。のちには冷戦における反共産圏の防衛網としての性格が強まる。が、1980年代にNZが米国の核兵器搭載艦船の寄港を拒否する非核政策を取ったことに伴い、1986年にアメリカはNZとの防衛協力を停止。現在では事実上、米豪間の2国間同盟状態である。
現在の状況
現在ニュージーランド国内には原子力発電所は一切なく、電力の大部分は水力や地熱などの再生可能エネルギーで賄われています。
また、非核政策は政権が変わっても一貫して維持されており、ニュージーランドの国民的アイデンティティの根幹となっています。
つい最近も現政権のナショナル党のクリストファー・ラクソン首相が、「自分が政権を取っている間は非核政策を変えることはない」と断言したばかりです。
南太平洋諸島の非核に向けて
ニュージーランドが非核政策を貫いているのは国内においてだけではありません。太平洋諸島の非核化に向けても積極的に動いています。
先月の中国による南太平洋諸島での核実験に対しても断固と反対の意を示し、太平洋諸島の非核化に向けて太平洋諸島と同盟を結び結束を固める姿勢を取っています。
詳細は↓をクリックしてご覧ください。
あとがき
小さな国でありながら、特にアメリカの保護を受ける条約を結んでいるにも関わらず、そのアメリカやイギリスなどの大国に「NO」と断言するなんて、さすがニュージーランドです。
どこぞやの国とは違いますよね。
この編では過去と現在について触れましたが、もし将来核戦争が起きて地球が「核の冬」に陥ってもニュージーランドは安全な国であると言われています。
この件についても、また別に特集を組んで紹介する予定です。
ご期待のほどを。
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