NZ史上初:新ガバナー・ジェネラル/総督はマオリ女性!

kia ora

先週ニュージーランドでは Governor-General / ガバナー・ジェネラルと呼ばれるNZ総督が替わりました。
新総督は、Dame Cindy Kiro ( デイム  シンディ・キロ ) という、名前からお察しのようにマオリの女性です。
マオリの女性が総督の座に就くのは、ニュージーランド歴史上初めてのことです。

Governor-General / ガバナー・ジェネラル/総督は、君主国のイギリス王権に代わる役職。その総督がマオリ人の女性とは新しい気風を感じられずにはいられません。

そこでこの編では、まず日本人にはあまり馴染みのないGovernor-General / ガバナー・ジェネラルと呼ばれるNZ総督について、そして勿論肝心の新総督のキロ女史について紹介します。

このブログの最後部分に、エリザベス女王と新総督のとても貴重なオンライン会見の動画を付けています。是非最後までお読みください。

Governor-General / ガバナー・ジェネラル/総督とは?

Governor-General / ガバナー・ジェネラル/総督はイギリス王権を代表する人です。もっと平たく言えば、イギリスのエリザベス女王の代理人ということになります。
総督には女王陛下の代わりとして、次のような任務が課せられています。

〇 総選挙の前の国会の解散。新首相を任命。国会開会時のスピーチ。
〇 ニュージーランドの重要な公式行事、*ワイタンギ・ディや、アンザック・ディに参加。
〇 慈善団体やスポーツ、文化団体のパトロンとしてコミュニティに貢献。

NZの初代総督は、NZを大英帝国の植民地化した1840年のワイタンギ条約の創案者  William Hobson ( ウィリアム・ホブソン ) 卿です。新総督の (デイム) シンディ・キロは、22代目になります。
総督の任務は通常5年ですが、王室の意向で変わることもあります。


総督は首都ウェリントンにある government house と呼ばれる王室の公邸に住んでいます。一般人には上の写真のような門しか見えませんが、奥には下の写真のような壮大な館が構えています。
ちなみに、総督は給料制で、年収は 371,900 NZドルと言われています。

*  ワイタンギ・ディ(条約)についての詳細はこちらをご覧ください。

新 Governor-General / ガバナー・ジェネラル/総督 就任

先週10月21日木曜日の朝、Dame Cindy Kiro ( デイム シンディ・キロ ) は新しい Governor-General / ガバナー・ジェネラル/総督に就任しました。最高裁長官 Helen Winkelmann(ヘレン・ウィンクルマン)の証人のもと、聖書に片手を着きながら、英語とマオリ語の両方で宣誓の言葉を述べました。

宣誓式の後、キロ新総督は次のように声明しています。

Governor-General / ガバナー・ジェネラル/総督として、三つの柱を基にすべてのニュージーランド国民のために尽くすものである。

・Kaitiakitanga (カイティアキタンガ)
貴重な環境や資源の保護
・Oranga ( オーランガ)
健康と幸福の維持
・Manaakitanga ( マナーアキタンガ)
他人を気遣い尊重する

特に、特にコロナ禍で将来に不安を感じている人や、社会の主流から取り残された人々に手を差し伸べ、また同時にコミュニティに貢献している無名の人々を称えていきたい。

更に、現在のコロナ禍においては、研究と専門知識の重要であることが明確である。
画面から溢れる情報を的確に処理し、国民の将来への不安を和らげる専門のコミュニケーターの育成がとても重要である。

( 出典元 https://www.rnz.co.nz/news/national/453964/dame-cindy-kiro-sworn-in-as-governor-general ) 

NZのジャシンダ・アダーン首相は以前マッセイ大学で当時教鞭をとっていたキロ総督に、子供の福利厚生の専門家として意見を求めた事があり、その時、数多くの質問にキロ総督が辛抱強く答えたことや、キロ総督の慈悲心や人並外れた知識そして姿勢が強く印象に残っているそうです。また、

「wāhine toa ( 強い女性)」が高い地位に就くことに、多くの人がインスピレーションを受けるであろう。
キロ新総督は、社会に貢献する人の良い例で、今後キロ総督のあとに従う人が出てくることを切望する。

と語っています。
( 出典元 https://aotearoanz.net/wp-admin/post.php?post=13141&action=edit&classic-editor )

Dame Cindy Kiro ( デイム シンディ・キロ ) プロフィール

1958年 Whangārei (ファンガレイ)に生まれる。マオリとイギリス人の祖先を持ち六人兄弟の長女である。
オークランドの南部で育ち、マッセイ大学に入学。その後オークランド大学で文学士号を得る。
1987年、イタリアの大学の疫学/伝染病学のコースを学ぶ。

1995年、マッセイ大学で社会政策の教鞭をとる。
2001年、マオリ族の健康維持政策のテーマの論文で博士号を取得。オークランド大学でMBA(経営学修士)を得る。
2003年、児童相の長官に任命、2008年まで続ける。この間に他の政府機関の長と連携し、家庭内暴力特に児童虐待に対する犯罪法の成立化に成功し、メディや大衆の脚光を浴びる。


その後学界に戻り、マッセイ大学で保健の部門長になる。
2013年、ビクトリア大学のマオリ教育の部門長となる。
オークランド大学の大学副総長を務める。

2020年10月、The Royal Society Te Apārangi (ザ ロイヤル ソサイエティ テ  アパランギ  : 非営利の法定独立機関。人文科学の分野のファンディングと政策アドバイスを行う)  のトップに就任することが発表される

2021年1月、 Dame ( デイム ) の爵位を授与。
2021年5月、アダーン首相が総督して推薦するキロ女史をエリザベス女王が認めたと発表。
10月、Dame Patricia  Reddy ( デイム  パトリシア レディ ) に継いで総督に就任。

二度結婚し、自身の息子二人と義理の息子二人がいる。

( 出典元 https://en.wikipedia.org/wiki/Cindy_Kiro ) 

あとがき

上述のDame Cindy Kiro ( デイム シンディ・キロ )のプロフィールを読んで、 素晴らしい学歴とキャリアに驚いた人は多いことでしょう。

キロ総督は、ニュージーランドの史上初めてマオリ女性のGovernor-General / ガバナー・ジェネラルですが、歴代の総督の中に、マオリ人男性一人、女性三人が含まれています。


ちなみに、キロ総督は公務についているときは Her Excellency (閣下婦人)で、それ以外の時はThe Right Honourable(伯爵)の称号で呼ばれます。

最後に、Her Majesty エリザベス女王と、Her Excellency キロ総督のスクリーン上での会見の動画を付けています。
とても面白いので是非再生してみてくださいね。

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1997年にNZに渡航。以来住み心地がよく現在に至る。旅行、ホテル業界を経て現在は教育業界に従事。 趣味は、ガーデニング、アートと映画鑑賞、夏のキャンプ旅行。 パートナーと中学生娘とウェリントン在住。