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リファレンダム 1)マリファナ使用
このリファレンダムでは、娯楽目的のマリファナ使用の合法化に賛成、反対のどちらかに投票します。合法化となった場合、現在禁止されている娯楽目的でのマリファナの使用が、政府の規制に基づいた上で認められることになります。
また法案には、マリファナの消費だけでなく栽培や供給も含まれます。
合法化の目的
合法化して政府が規制をかける目的は、質や効能など法律で定められた基準を満たす製品の利用を可能にすることで、マリファナ使用者とその家族や社会への害を無くすことです。 その為、次のような実施項目が挙げられています。- 非合法の供給を根絶する
- マリファナ使用による身体に及ぼすリスクを社会に訴求する
- 未成年の使用を抑制する
- 公共の場で消費を抑制する
- 製品のパッケージ上で健康問題を訴求する
- 家族が医療や福祉などのサポート機関にアクセス可能にする
- 法律違反者の取り締まりを正当化する
使用における具体案
上記の項目を個人レベルに置き換えると次のようになります。20歳以上であることが対象です。- 1日14g 相当を公売店より購入
- 公売店へ自由に出入りし消費
- 個人の家、公売店での使用
- 1人当たり2株、一世帯 4株 まで栽培
- 14g 相当を共有できる

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リファレンダム 2 )安楽死
このリファレンダムでは、安楽死の合法化に賛成、反対のどちらかに投票します。 合法化されると、末期患者が延命措置ではなく自殺という手段で死を選ぶことが可能になります。 法案では、安楽死は末期患者の医者もしくは看護婦が患者に致死量の薬を投与する、もしくは患者自身が服用して、死に至らしめることで身体的苦痛を回避する事と定義づけています。安楽死が認められる条件
安楽死は以下の条件をすべて満たす患者に限定されます。- 18歳以上である
- ニュージーランド市民もしくは永住者である
- 余命を6カ月とし末期症状に苦しんでいる
- 身体の機能が著しく低下している
- 耐えきれない痛みを経験しているが薬では対応できない
- 安楽死の情報を理解し、覚え、判断した後に決心できる
- 安楽死を決心した旨を何らかの方法で伝達できる
留意点
- 精神障害や、身体障害、また高齢であるという理由は対象外である
- 患者自身が要望を出す必要がある
- 医者もしくは精神医が患者が正確な情報に基づき判断不可能とみなした場合は、安楽死は執行できない
- 医師や看護婦など医療関係者は、患者が本人の意思ではなく周囲からのプレッシャーで安楽死を選んだだけでと気づいたら、即座に安楽死を停止する
- 医療関係者は患者に安楽死をほのめかすことはできない
- 生命保険や他の書類上では、患っている病による死亡として扱われる。安楽死は明記されない
- 患者の名前や安楽死に関わる情報は公表されない

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まとめ
ここまで読むと、マリファナと安楽死、どちらにも考慮するべき点があり、個人の価値観や感情だけでそう簡単にyes か no か言えない事がおわかりいただけたかと思います。 マリファナの合法化については最初は何故?と思われがちですが、ニュージーランドはマリファナの消費量が世界でも高く、あるアンケートによると大人の半分以上が一度は試したことがある、また日常的に使用していると答えた人は16%にも上ります。 現在当たり前のように消費されているアルコールは、19世紀の後半より数度に渡ってリファレンダムが行われ今日に至っています。 ですのでマリファナも討議される時期が来たと言えるでしょう。 ちなみにオランダやオーストラリアの一部、それからアメリカ合衆国の17州では、マリファナの使用者の数は合法化前と後で変わらかなったそうです。 また、安楽死については、本人は最後まで命を全うしたいと思っているにも関わらず家族の負担を感じ安楽死を選んだり、ひいては保険金目当ての殺人というケースになりかねません。 個人の尊厳を尊重する為に安楽死を施す際、どこまで命の尊さが図れるのか、また現在の医療機関の体制が充分に整っているかどうかなどの点も考慮して投票すべきかと思います。 現在のところ、安楽死が認められている国はスイス、アメリカ合衆国の6つの州、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、カナダ、オーストラリアの一部、韓国です。 最後にニュージーランドで前回行われたリファレンダムは2016年、国旗のデザイン変更に賛成か否かというものでした。 投票結果は56.6%が NO で、よって国旗の変更には至りませんでした。
