最高手当て額は週754.87NZドル、ニュージーランドの育休詳細

Kia ora

この7月からニュージーランドの有給育休の手当が増額されています。最高額はこれまでの週712.17NZドル から754.87NZドルに引き上げられました。

その有給育休を初めとしたニュージーランドの育児休暇制度について詳しく解説します。


ニュージーランドでは最長26週間まで 有給の育児休暇を、さらに26週間無給の育児休暇を取ることができます。

その有給の育児休暇の手当て額がこの7月に変更されました。最高額は $712.17 NZドルから$754.87 NZドルに引き上げられています。またこの金額は税込みです。

支給額の増加は育児休暇及びに雇用保護1987法に基づき、改訂されています。

自営業者の最低受給額も増額され、週に税込み $227NZドルから$231.50NZドル に変わっています。

ニュージーランドの育児休暇を取得するには次の2つの条件が前提です。

  • 6歳以下の子供の育児をする
  • 雇用における必要条件を満たす


つまり、雇用上の条件を満たせば、出産したばかりの新生児でなくても養子縁組などで6歳以下の子供を育てる人が対象となります。
また、子供を出産した母親だけでなく、その配偶者も対象になります。

NZの育児休暇には次の4タイプが設けられています

有給育休 primary carer leave
延長育休 extended leave
配偶者育休 partner’s leave
特別育休 negotiated carer leave 

それぞれ対象や特徴が異なります。自分がどの育休に該当するかは、それぞれの育休の特徴を知っておくことが大切です。

4種類の育児休暇の中で唯一手当がつく育休で、上述の通りその手当て額が増額されています。一般には、Primary carer leave ( プライマリー・ケアラー・リーブ) と呼ばれています。
育児休暇を取る人のほとんどのケースがこの有給育休に該当します。

  • 本人、もしくは配偶者が出産
  • 本人、もしくは配偶者が代理で育児(出産した母親の育休が付け替えられる)
  • 本人、もしくは配偶者が養子縁組や家族の事情で6歳以下の子供を育児

 

  • 同じ雇用主に6か月以上週平均10時間以上の労働
  • 最長期間は26週間
  • 継続して取得(一旦仕事に復帰するとそこでとまる)

 

  • 平均給与額による。最高受給額は税込みNZ$754.87

    <例>最低賃金$23.15で週40時間、半年以上働いている場合
    週の収入は$23.15 x 40 =$ 926となり、最上限のNZ$754.87(税込)が給付
  • 給与が不定期に発生している場合は、過去の1年の給与の平均額によって決まる
  • 子供が二人以上でも給付額は同じ
  • 自営業者は異なる

*育児休暇手当ては雇用主ではなく、政府が負担し、IRD(国税局)から支払われます。
詳細については下記のIRDのサイトでシミュレーションできます
https://www.ird.govt.nz/paid-parental-leave/can-you-get-it

 

出産日もしくは出産予定日から適用。
ただし医師の診断により、それから妊娠が業務に支障をきたすが他の部署に異動出来ないなどの理由で、雇用主の了解のもと出産予定日の6週間前から取得も可能。

* 出産前に残っている有給休暇を使って仕事から離れるのが一般的です。

 

  • 育児休暇を延長(無給、条件に合えば)
  • 予定通り職場に復帰する
  • 職場に戻らない

の3つの選択がある。
いずれせよ、雇用主に少なくとも3週間前までに告知する必要がある

最長26週間の有給育休の後に、さらに26週間延長できます。延長期間分は無給です。

配偶者も最長2週間まで育児休暇を取ることができます。無給です。

性別や結婚、事実婚に関わらず、6歳以下の子供の育児をする人が対象です。また偶者の子供でなくても適用されます。

配偶者が出産する21日前から、もしくは子供の育児が始まる時から適用されますが、雇用主が同意すればいつでも取得できます。
適用期間は雇用期間によって異なり、週平均10時間以上、半年の雇用期間で1週間、1年の雇用で2週間です。

ただし、子供を産んだ母親ではなく配偶者が有給の育児休暇を取得している場合は、母親にも配偶者にも配偶者育休は適用されません。

有給や配偶者の育児休暇の条件に当てはまらなくても、雇用主の同意を得れば無給ですが育休を取ることが可能です。

その条件として、出産の3カ月前に、養子縁組や家族の諸事情で6歳以下の子供を育児する場合はその2週間前に、雇用主に書面で申請。雇用主側は1ヶ月以内に書面で返答することが義務付けられています。また育休申請を却下する場合は必ず書面でその理由を説明しなければなりません。不適切な場合は、申請者は労働局に審査を求めることができます。

これまでニュージーランドの育児休暇について概ねの内容を紹介しましたが、もっと詳細を知りたい方は、下記の政府のサイトでご確認ください。

https://www.employment.govt.nz/leave-and-holidays/parental-leave

お気づきかと思いますが、ニュージーランドには日本と違い産休休暇がありません。育児休暇のみが設けられています。
ですので、将来ニュージーランドで家庭を築く予定の方は、心許なく思えることでしょう。

しかし、日本の実際の状況はわかりませんが、ニュージーランドについては自身の経験上、育児休暇は取りやすくまた育児にも優しい環境です。ご安心下さい。

ニュージーランドの育児休暇については、4年前と古いですが今回と違った角度で特集を組んだことがあります。
是非こちらもご覧ください。

 

Ngā mihi
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ABOUTこの記事をかいた人

1997年にNZに渡航。以来住み心地がよく現在に至る。旅行、ホテル業界を経て現在は教育業界に従事。 趣味は、ガーデニング、アートと映画鑑賞、夏のキャンプ旅行。 パートナーと中学生娘とウェリントン在住。