kia ora
ニュージーランドでは9月末にデイ・ライト・セイビングが始まり、日本との時間差が4時間になりました。
朝1時間早く起きなければなりませんが、その代わり夕方も太陽の下で屋外でのアクティビティを楽しむなど、有意義な時間を過ごせると感じている人は多いことでしょう。
そのデイ・ライト・セイビングのあれこれについて紹介していきます。
目次
1. デイ・ライト・セイビング とは
ニュージーランドでは毎年春になると、デイ・ライト・セイビングが始まり時計の針を1時間進めます。そして秋になりデイ・ライト・セイビングが終ると、時計の針を1時間遅らせます。
<質問1> なんのためにあるの?
デイ・ライト・セイビング は、日照時間が長い夏の時間を最大限に利用する目的で設けられています。簡単に言うと、明るい時間をできるだけ屋外で楽しもうということです。
<質問2 > いつからいつまで?
デイ・ライト・セイビング は、通常9月の最後の週の日曜日の朝2時に始まり、4月の第一週目の日曜日の3時に終わります。
通常学校の2週間の休みの期間にあたり、こどもたちが順応しやすい配慮がされています。
今年2024年、来年2025年は
【2024年】
【2025年】
9月28日 日曜日
<質問3> 何をしたらいいの?
デイ・ライト・セイビングの始まりと終わる前の晩(寝る前)に時計の針を動かします。
春、デイ・ライト・セイビングの始まりには、時計の針を1時間進めます。(10時→11時)
秋、デイ・ライト・セイビングの終わりには、時計の針を1時間戻します。(10時→9時)
勿論、携帯電話やコンピューターの時間は自動的に変わるので変更する必要はありません。

2. おもしろい事実
● きっかけは昆虫採集をするため
1868年にニュージーランドの標準時間が設定され、その時はグリニッチ標準時から11時間30分早い GMT – 11:30 でした。
デイ・ライト・セイビングが発案されたのは1895年です。
イギリス生まれの昆虫学者 George Hudson (ジョージ・ハドソン)が、 仕事の後も明るい太陽の下で昆虫採集ができるよう、夏は2時間時計を早めることを提案しました。
それから32年後の1927年、ハドソンが60歳の時に、Summer time act が可決されデイ・ライト・セイビングが導入されました。デイ・ライト・セイビング11月の第一週目の日曜に始まり、3月の第一週目の日曜日に終わりました。
が、一般のニュージーランド人には受けが悪く、デイ・ライト・セイビングの時間を1時間から30分に変更されました。

● 戦後廃止となる
第二次世界大戦中は、緊急対策として1年中デイ・ライト・セイビングが適用されました。
そして戦争が終わるとデイ・ライト・セイビングそのものが廃止されました。
● 1974年に復活
1974年にデイ・ライト・セイビングが試されたところ国民に人気があったため、1975年に正式に復活しました。
が、酪農農家は1年中暗い内に起きて働かなければならないことに不服で、中にはデイ・ライト・セイビングを実施しない町もありました。
そうした農家の反対があっても1985年に行われた調査では、ニュージーランド国民の76%がデイ・ライト・セイビングに賛成だったため継続されることになりました。
● 期間は27週間
2006年にデイ・ライト・セイビングの期間を延長する嘆願書35,000人の署名が集まり、3週間延長され4月の末まで27週間になりました。

3. NZ国民の反応
デイ・ライト・セイビング中は
- 酪農業では牛乳を搾る時間の調整が難しい。夏でも朝暗い内に仕事をしなければならない
- 夜8時過ぎでも明るいので、子供を寝かしつけるのが難しい
などのデメリットが昔から指摘されています。
が、それでも2008年の調査では、ニュージーランド国民の90%がデイ・ライト・セイビングに賛成しています。
また期間が3週間延長された事についても82%が賛成し、その半数が3週間の延長は個人的に良い影響を与えていると回答しています。
ツーリズムやホスピタリティ業界においても、73%がビジネスに好影響を与えていると答えるなど、高い支持率を得ているため、デイ・ライト・セイビングが今のところ改定される予定はありません。
ちなみに2019年と21年にデイ・ライト・セイビングを一年中適用することを一部の人が唱えましたが、ほとんどの国民は興味を示しませんでした。
4. あとがき
前にも書きましたが、1時間早く起きることは、子供や動物だけでなく大人にとっても大変なことですが、まだ日が明るい内に就寝しなければならないことも大変です。
ですが、お天気の良い日は庭でバーベキューしたり、仕事を終えた後にビーチで泳いだりと屋外の時間や自然を楽しむことができるので、デイ・ライト・セイビングはありがたく思います。
皆さんも楽しい夏をお過ごし下さい。
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