羊だけじゃない! ニュージーランドのおもしろい事実あれこれ

Kia ora

ニュージーランドと聞いて、羊や大自然、それからオール・ブラックスのイメージを浮かべる人は多いのでは。

確かにニュージーランドは羊が多くて大自然に恵まれた国ですが、それだけではありません。
ニュージーランドならではの面白い特徴があります。
特に社会面ではニュージーランドだからこそという特徴が沢山あります。

この編ではニュージーランドをあらゆる角度から紹介しています。
特に社会面については注目に値する事実が沢山です。

これからニュージーランド訪問、永住予定の方は必読です。

   国土・地理・気候

  • 北島、南島それから、Stewart Island (スチュアート・アイランド)という三つの島からなる
  • 全長約1700km, 最大幅450kmと南北に細長い島である
  • 国土の総面積は約27万平方km。 日本の国土の7割に匹敵し、イギリスの1.1倍の大きさ
  • 北島 -火山や中央地熱帯が連なる。約11万5千平方km
    南島 -フィヨルド、氷河がある。15万約平方km
    スチュアート島や周辺の小さな島々 約1700平方km
  • 国土の75%以上は海抜200m以上。サザン・アルプスには海抜2300mを超える山が223峰ある。最高峰は Aoraki Mt Cookで 3754km 
  • *南緯34~47度 東経 167 ~ 178 度(37度 南緯 Auckland /北緯 宇都宮、43度 Christchurch/ 札幌)
  • 世界遺産が二つ 
    北島:トンガリロ国立公園
    南島:サウス・ウェストランド(フィヨルドランド、Mt Cook, Mt Aspiring )

エメラルド・レイク トンガリロ国立公園

ミルフォード・サウンド © Bernard Spragg. NZ via flickr

  •  国立公園 13箇所 (カリフォルニア州と同規模)
  • 西岸海洋性気候で温暖で過ごしやすい。1-2月がもっとも暖かく7月が寒い。

   人口、その他の統計

  • 人口523万人(2023年7月現在)人口密度 18.2人/km2
    もっとも人口が多い都市はAucklandで180万人。
    人口の約8割りが北島に居住
  • 戸籍システムが無い代わりに人口などの統計は5年に一度行われる国勢調査の回答結果から抽出される
  • 平均年齢38歳
  • 寿命 男性80歳、女性84歳
  • 女性の平均出産年齢 31歳
  • 人種: ヨーロッパ系 70% マオリ系 16% アジア系  15 %.ポリネシア系 8 % その他 2 % ( 複数該当者含む) アジア人の人口は急激に増加
  • 宗教 :無宗教 48%、キリスト教 37% ヒンズー教 2.7 % イスラム教1.3 %、仏教1.1%、シーク教0.9 %、不明6.7 %

良き羊飼いの教会、テカポ

  • 最低時給 22.70 NZドル
  • 平均給与額は年間 97,300 NZドルだが、半数の国民はそれ以下の収入である
  • 国民総生産額 一人当たり 4万1164.576NZドル

    NZの略史

約6800万年前
ゴンドワナ古代大陸から分離し地質上ニュージーランドが形成
800-1000年
初めて人類が入植。
ポリネシアから探検家クぺが妻と共に辿り着き「アオテアロア」白く長い雲のたなびく地と名づける
1642年
オランダの探検家エイベル・タスマンがヨーロッパ人として初めてNZ発見。足を踏み入れることはなかったが、 故郷のオランダのZealand に地形が似ていることからNew Zealand と名付ける
1769年 
イギリスの航海士キャプテン・ジェイムス・クックが上陸。南島・北島を測量し、綿密な航海チャートを作成。同乗の植物学者が植物を採集した。これを機にNZはイギリスや他のヨーロッパの国々から注目を浴び、イギリス人が入植し始める。
1840年
イギリス王室とマオリ首長らの間でワイタンギ条約が署名・調印。 事実上大英帝国の植民地となる

Reconstruction of the Signing of the Treaty of Waitangi, Marcus King, ©️ Archives NZ

1853年 最初の下院議員選挙が行われる
1856年   初内閣組閣 初代首相にヘンリー・スーウェル就任
1850/60年 オッタゴ半島で金鉱が発見。ゴールドラッシュ
1860年 北島のタラナキ地方でマオリ族とイギリス入植者の間で土地戦争勃発。
1865年 Auckland からWellington に首都移転
1882年 冷凍した肉、バター、チーズのイギリスへの輸出が始まる
1891年 最初の政党である自由党が結成
1893年 女性に投票権が与えられる
1899年 英国連合軍に加わり南アフリカ戦争に兵士を送る
1915年 第一次世界大戦に参戦(ガリポリの戦い
1947年  独立国家となる
1951年  国会が一院制となる
1975年 ワイタンギ条約審査会設立 
1984年、原子力推進/核武装した艦船の寄港とニュージーランド水域への進入を禁止

 政治形態

  • イギリス国王を国家元首とする民主主義国家。イギリス連邦の一員である。
    イギリス国王の権限は代理人である Governor General (総督)に委任されている。総督は任期念で首相の推薦のもと選出され、君主のチャールズ国王により任命される。
    現在は Dame Cidy Kiro というマオリ女性が22代目の総督を務めている。
  • 国会は英国議会制をモデルにした一院制(下院のみ 。1951年に上院が廃止) 120議席で、任期3年制の議会で選任された首相が内閣を組織して国を運営。
  • 選挙3年ごとで小選挙区比例代表を併用。18歳以上のニュージーランド市民もしくは12か月以上滞在している永住者が投票権を持つ

   祝日・記念日

祝日

1月1日 New Year’s Day
元旦
       2日 Day After New Year’s Day
元日の翌日
2月6日 *Waitangi Day
ワイタンギ・デー
3月~4月
 
Good Friday
グッド・フライデー
Easter Monday
イースター・マンデー
4月25日 Anzac Day
アンザック・デー
6月第1月曜日 King’s Birthday
国王誕生日
6月~7月金曜日 Matariki
マタリキ(マオリ新年)
10月第4月曜日 Labour Day
勤労感謝の日
12月25日  Christmas Day
クリスマス
   26日 Boxing Day
ボクシング・ディ

 


記念日

5月第2日曜日 Mother’s day
母の日
9月第1日曜日   Father’s day
父の日
10月31日 Haloween 
ハロウィーン(万聖節の前夜祭)
11月5日 *Guy Folks Day
ガイ・フォークス・ディ

*Guy Folks Day ( ガイ・フォークス・ディ)
約400年前にイギリスで軍人のガイ・フォークスが国会議事堂を爆破しようと試みたことを記念するもので、この日は花火の販売が許可されており一般市民がこぞって花火を挙げる習慣がある。

   教育

  • 新年度は2月の頭から始まる
  • 小学校の入学は5歳の誕生日を迎えてから
  • Year 0-6       primary
             7-8       intermediate
             9-13     secondary
  • 大学入試はなく、secondary school の year 11- 13 地の単位修得が必須
    大学の1年目は授業料が無料(2023年10月現在)
  • 公立の大学は8校
    北島 5校  オークランド、AUT, ワイカト、マッセイ ビクトリア
    南島 3校 カンタベリー、リンカーン、オタゴ

   面白い事実

  • 6800年前に太古ゴンドワナ大陸から分離して1000年前にマオリ族が入植するまで、生息した哺乳類はコウモリと回遊する鯨のみであった。
  • 植物界の50%、鳥類の25%はNZの固有種
  • 羊の数は2500万頭、人口の5倍の多さだが、毎年減少している。
  • 電力はすべて水力・風力・地熱の自然エネルギーを源としているため、電気代がとても高い。
  • 法律で現在14歳以下は一生涯煙草を購入できない。

世界で初めて

  • 大英帝国の植民地化の際に、先住民族(マオリ族)との間に共存目的の契約が結ばれた
  • 先住民族マオリ族の言語、手話が公用語。またマオリ族の伝統行事マタリキが祝日に
  • 女性に参政権が与えられた。(1893 年)
  • ラザフォード卿が原子核を発見。ノーベル化学賞受賞 (1907年)
  • エドモンド・ヒラリー卿がエベレスト山頂成功 (1953年)
  • 八ケットがクイーンズタウンで商業的なバンジー・ジャンプを始める (1988年)
  • 同性婚が合法化 (2013年)

   あとがき

ニュージーランドの人類の歴史は1000年ととても短いですよね。
ニュージーランドは若い国ですが、だからこそ先住民族や同性愛者など世間で言われるマイノリティーグループに優しい柔和な社会だと言えると思います。

個人的に驚いたのは、国民の半数近くが無宗教でキリスト教信者の37%を大幅に超えていることです。移民が多いということもありますが、社会構成が多様化している記しでしょう。

奇しくも今週は総選挙の結果で National (国民党)が連立政権を取ることになりました。すでに経済改革の一案として、大学の文科系の学部の援助カットなどの声が出ています。
もしかしたら、ニュージーランドの世相が変わるかもしれません。
そうならないといいのですが。。。

Ngā mihi
wonderer

ABOUTこの記事をかいた人

1997年にNZに渡航。以来住み心地がよく現在に至る。旅行、ホテル業界を経て現在は教育業界に従事。 趣味は、ガーデニング、アートと映画鑑賞、夏のキャンプ旅行。 パートナーと中学生娘とウェリントン在住。