NZ年金 日本人は受給不可能に??

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Kia ora

10月の総選挙を控えたニュージーランドでは、各政党から色々な公約を発表がされ議論を呼んでいます。

その中でも、ニュージーランド・ファースト党の年金受給者制限の公約は、賛成、反対ともども大きな反響を呼んでいあす。

もしこの公約が実現すれば、ほとんどの日本人永住者が年金受給資格を失うことになります。

そこで、この年金受給者制限の具体的な内容、またその反響や世論も含めて詳しく解説していきます。

NZの年金制度 現在

本題に入る前に、まず現在のニュージーランドの年金制度のしくみについて簡単に説明します。

ニュージーランドの公的年金システムには

の二通りがあります。

  • 特徴: 掛け金が一切なく税金で賄われている
  • 受給資格:
    65歳以上のニュージーランド市民または永住者

    受給申請時にニュージーランド、クック諸島、ニウエ、トケラウのいずれかに居住
    20歳を超えてから通算10~20年間NZに移住していること、かつこの期間内に50歳を超えてからの5年間が含まれていること
  • 受給額
    所得や加入(拠出)期間に関わらず原則として一定額

    単身者(一人暮らし): 約$555.15/週
    単身者(同居シェア): 約$512.45/週
    カップル(2人とも受給): 約$427.04週

*詳細は日本の職業安定所に当たるWork and IncomeのHPをご覧ください。

  • 特徴: 国主導の任意加入型の資産形成制度
  • 仕組み: 個人の給与からの一定割合(3%〜10%など)に加えて雇用主と政府も積み立てを負担
  • 資格:65歳未満でNZに在住する市民や永住者

*Kiwisaver|キウイ・セーバーの詳細は、↓をクリックしてご覧ください。

年金改革案

今回選挙公約として大改革が提案されている年金システムは、NZ Super|公的年金です。

提案されているNZ Super|公的年金の変更点は

というものです。

つまり、二重国籍を持てない日本人は日本国籍を捨てない限りはNZ Super|公的年金を受けられないということになります。

背景

NZ Super|公的年金の受給者制限の公約を発表したのは、New Zealand First | ニュージーランド・ファースト党首のWinston Peters | ウィンストン・ピーターズ氏です。

その背景に

が挙げられます。

ウィンストン・ピーターズ氏はNZ Super|公的年金の受給者を制限することについて

多くの人が年金制度の負担能力について懸念している

しているとし、その理由を次のように述べています。

  • 1977年に設立された現在の年金制度は、現在の移民数が想定されていない。NZに20年間居住し、50歳以降はわずか5年間の居住だけで満額の年金を受け取れる人がいるのはなぜ?
  • 高齢化が進み納税者の​​年金負担が増大している中で、高齢者を支えるための税負担が、NZに移住し生涯働き続けてきた人々と比べて、居住期間も納税期間も半分以下しかない人々の老後資金を全額負担することは公平でない
  • 高齢移民に対する年間年金支出が10億ドルに達する。これは、50歳以上でニュージーランドに居住権を取得した4万2000人以上の年金受給者に対し、政府が200万ドルを支払っていることに基づく

更に

納税者が一部の移民によって底なし沼のように利用されるべきではない

ことを強調しています。

この公約は、今年11月7日に予定されている総選挙に向けて発表されています。

ニュージーランド・ファースト党は二大政党である国民党と労働党のどちらにも属しませんが、双方の党の連立を組み政権に加わってきました。

ここ最近党の支持率が上昇しており、今年7月にと約10年ぶりの高水準を記録するなど強固な支持を集めています。

が、他の野党のアクト党や新しく結成されたばかりのオポチュニティー党なども支持率を上げている為、NZファースト党はそれらの党との差別化を図るために、選挙運動の中で次々に大胆な公約を発表しています。

昔から移民政策には辛口で知られている党の設立者でもあるピーターズ氏は、選挙運動で

NZファースト党は、ニュージーランド国民であることに、本来の意味と価値を取り戻す必要があると考えている。

と演説しています。

世論

選挙運動が激しくなる中、他の党はさほど大きな目立つような公約を立ててないということもあり、NZファースト党のNZ年金の受給者制限案は世間から大反響を呼んでいます。

そして、SNSなどのコメントを見る限りでは、多くのNZ人がこの公約を支持しているようす。
ピーターズ氏が繰り返し演説している「年金制度の負担能力について懸念」から、「納税者が一部の移民によって底なし沼のように利用されるべきではない」には、みごとに国民の感情のつぼをついた感があります。

また、その多くは、日本人のように二重国籍を取ることができない人々がいることを知らないというのも現状です。

その一方で、少数派としてアジア人永住者や学識者から次のような反対意見も出ています。

  • 母国での年金受給権を失ったり減額されたりした状態で老後を迎え、なおかつ、ここNZで何十年も生活し、働き、社会に貢献してきたにもかかわらず、現地の年金受給も拒否されるべきとは、「不公平かつ非人道的である」
  • 特定の家族や集団において不平等の拡大、健康状態の悪化、精神的な負担増を招く恐れがあり、それは社会の結束にとっても好ましくない
  • 単に市民に年金を支給するかどうかという問題ではない。家族や慈善団体、医療・救急サービスといった各方面に、どのような社会経済的コストが転嫁されることになるのかを波及効果が考慮されていない
  • 受給資格の判断においては、単にパスポートの有無ではなく、現行の政策のようにその人の居住年数を考慮すべき
  • 現行の年金制度は現役時代に所定の期間年金保険料を納付できなかった人々や、低賃金の職に就いていた人々が不利益を被らないように構築された。財政負担への懸念に対処するなら、受給資格を市民に限定するのではなく、年金への課税方法を変更したり、裕福な受給者への給付を減らしたりするなどの方法がある

他の改革案

NZファースト党は、年金以外にも投票権、公営住宅の優先権、新生児補助金を市民だけに制限する政策の他、

  • 永住権取得から市民権取得までの期間を現状の5年から10年に変更。その10年間は国からの補助なし
  • 市民権を持つ親に生まれる子供のみに自動的に市民権が与えられる

を公約に掲げて選挙運動を行っています。

あとがき

以前『高齢者介護の現状と問題』で紹介したように、高齢者人口の爆発的な増加や多様なニーズなので問題を抱えており、対処するには莫大な費用がかかります。
それに加えて年金の捻出となると、ウィンストン・ピーターズ氏の公約は客観的に観ると的を得ていると思えます。日本では外国人に対してもっと厳しいですよね。


ですが、市民権を取得したてもできず永住者として長年真面目に働いているケースを含め、精査していく必要があることは確かです。

ところで、私の友人や職場の同僚は日本人が二重国籍を持てないことを知ると、たいがいの人が
「いまどき、日本人はパスポートを一つしか持てないのか?」と驚いた反応を示します。

本当にいまどきです。
何とか日本の制度が変わらないものでしょうかね。。。。

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