自然王国のニュージーランドには、世界で最も小さいペンギンが生息しています。
ブルー・ペンギンと呼ばれるこのペンギンは小さいだけでなくとても愛らしい姿をしていて、しかもニュージーランドのあちらこちらで見かけることができるので、ニュージーランド人には広く親しまれているペンギンです。
そのペンギン、ブルー・ペンギンがどんなペンギンなのか詳しく紹介します。
1. はじめに
Kia ora
ニュージーランド本土では、Yellow Eyed Penguin/hoiho、Fiordland penguin/tawaki、Little Bule Penguin /kororā の 3 種類のペンギンが繁殖しています。
その3種類のペンギンの中で、Little Bule Penguin /kororā は体高がわずか40cmと世界一小さなペンギンとして知られており、 ニュージーランドの多くの地域に生息していることから、ニュージーランド人ににはとても愛着のあるペンギンです。
これから、Little Bule Penguin /kororā の生態や保護について説明していきますが、一般的に呼ばれているブルー・ペンギンとして紹介します。
2. 特徴
- 学名:Eudyptula minor
英語ではブルー・ペンギン、リトル・ペンギン、フェアリー・ペンギンと呼ばれる。
和名:小型ペンギン
マオリ語:kororā「良い小さなダイバー」の意 - 在来種
- 保護状況:絶滅危惧種・減少中
- 脅威:沿岸開発、捕食動物、犬、交通事故
▼ 生息地
オーストラリア南部とニュージーランドの多くの地域で見られる

▼ 形態
- 体高わずか35~43cmで、世界最小のペンギン。 体重は1~1.5kg
- 背中は青みがかった暗い灰色または黒色。前面は白い。くちばしは全体が黒い、下くちばしの下部にのみ灰色または白色。足はピンクで足裏が黒い。
▼ 生態
- 平均寿命は6.5年。飼育下で20年生きた記録がある
- 直立で歩行せずにやや前傾姿勢で歩行する。このことから、最も原始的な種類のペンギンであると考えられている。
- パドルのようなヒレは、時速6キロメートルもの速さで水中を「飛ぶ」のに優れている
- 1日に海上を15~75km移動。
- 長期的なパートナー関係を築くが、たまに「離婚」することもある
- 表層を群れをなして泳ぐ魚、イカ、甲殻類を捕食
- 夜陰に紛れて上陸

▼ 繁殖
- 通常年に1回繁殖するが、最初の雛が巣立った後に2回目の産卵をし1回の繁殖期に2組の雛を育てることができる
- 5~6月に上陸し巣作りを初め、卵を産み巣穴で子育てをする。巣穴は、内陸200メートル圏内の砂丘、海岸林、農地、岩場などに作る。
- ひなは最初の2~3週間は親鳥に守られ、その後は両親ともに海へ出て漁をする。 親鳥はひなに餌を与えるがメスには与ず、代わりにオスが抱卵を引き継いでメスが海へ餌を食べる。
ひなは通常孵化後8週間で巣立ち、その後は独立。 3月までに脱皮し海に戻る。
3. 保護活動
ブルー・ペンギンはかつてニュージーランドでは一般的に見られましたが、天敵から保護されていない地域では、個体数と生息域が減少しています。
最大の天敵は、犬です。他にも猫、フェレット、オコジョに捕食されりことがあります。 また船に衝突されたり、定置網にかかったりして命を落とすこともあります。
特に11月から3月の間は、羽を落とし新しい防水毛皮に生え変わる換羽期が約2週間続きます。この時期は泳げないために危険に晒されやすいため、生息地では犬のリード付けが義務付けれています。
4. 実際に見よう!
ブルー・ペンギンは他のペンギンと違って広範囲に生息していて、首都ウェリントン市内でもたまにでくわすほどです。このため見る機会は多いですが、確実に見たいという方にはツアーやライプ配信をお勧めします。
▼ ツアー
南島でよく知られている二つのツアーを挙げています。詳細はそれぞれの各サイトでご確認ください。
● ダニーデンのタイアロア岬
オッタゴ半島の先端タイアロア岬から始まります。
タイアロア岬はブルー・ペンギンだけでなくアルバトロス(アホウドリ)を見るツアーで知られています。
https://www.bluepenguins.co.nz
● オアマル
クライストチャーチから車で3時間南下した歴史のある小さな街でのツアーです。
▼ 動画で見る
実際にブルー・ペンギンを観れない方は、下の動画をクリックしてお楽しみください。
コロニーのライブ配信をリンクしようと思っていたのですが、残念ながら現時点でライブ配信はされてないようなので、オアマルのツアー宣伝用の動画をリンクしています。
5. ウェリントンのお寿司屋さんに現れる!
5年前のことですが、ニュージーランドの首都ウェリントンで珍事件が起きました。
なんとウェリントン駅前のお寿司屋さんに数羽潜んでいるのが発見されたのです。すぐさま環境保護局(D.O.C )職員が海に戻したのですが、翌日の明け方にはまた同じ寿司屋に戻り、ニュージーランドのお茶の間を沸かせました。
現在ウェリントン港周辺に住む多くのペンギンに足環が付けられ、行動や寿命に関する貴重な情報が得られるようになっています。
6. あとがき
ブルー・ペンギンは私が住む半島の海岸線にも住んでいて、散歩道にも犬のリードをして歩くようあちらこちらに看板が立てられています。
一度は、私の犬がビーチからは50mくらいの高さの断崖上の散歩道近くの灌木の間に巣を見つけ、慌てたことがあります。
ですので、皆さん是非注意書を守って行動してくださいね。

最後にペンギンが好きな人は、マオリ語でhoiho (ホイホ)と呼ばれる Yellow Eyed Penguinの特集も是非併せて見てみて下さいね。
Ngā mihi
wonderer