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ニュージーランドでは、英語能力が限られているアジア系患者がよく理解できないまま手術に臨んでいることが、ある医療機関のまとめで明らかになりました。
ニュージーランドに住んでいる人にはとても気掛かりですよね。
特に生死に関わるかもしれない医療現場では、十分に気を付けて正確な情報を得る必要があります。
そこでこの編では、語学能力不足の患者の実態と、ニュージーランドに住んでいる人に保障されている語学サポートの権利を説明します。
ニュージーランド永住者は勿論、就労、ワーキングホリディ、学生ビザでニュージーランドに滞在、もしくは滞在予定の方は是非最後までご覧ください。
医療での英語サポートの実態
先月発表された医学研究結果で、ニュージーランドではアジア系で英語能力が限られている患者が手術に同意の際に語学のサポートを受けられずにいることが明らかになりました。
調査内容
その医学研究では、2022年と2023年にワイカト病院で治療を受けた500人以上のアジア系患者の記録を調査し、英語能力が限られている患者が手術前に通訳を提供されたかどうかが調べられました。
手術に同意することは、患者が手術のリスクや利点、代替治療法を理解することが期待される重要な局面であるという前提のもとです。
結果
英語が不得意なアジア人患者の調査で、
- 通訳を必要とするアジア系患者の約5人に1人が、手術同意書に署名する際に通訳を受けていない
- 特にインド系患者、次に他のアジア系患者に比べて、言語支援を受けられる可能性が著しく低い
- 英語能力が限られている患者は平均年齢が65.4歳と、英語に堪能な患者の平均年齢47.4歳よりも高く、より脆弱なグループである可能性が高い
ということが判明しました。

所見
このような調査結果を受けて、研究者らは次のように述べています。
- 英語能力の不足は移民、特にワイカト地方などで増加しているアジア系コミュニティにとって大きな障壁となっている
- 適切な言語支援がなければ、患者は医療情報を理解するのに苦労し、不安の増大、誤解、そしてインフォームドコンセントの違反につながる可能性がある。
- 専門通訳者がコミュニケーションの障壁を解消し、倫理的・法的要件を満たす上で重要な役割を果たしているが、代わりに家族や友人が通訳を務めるケースが多く、意思疎通の齟齬、患者の自律性の喪失、そして臨床結果への悪影響といった懸念が生じている
- ニュージーランドの保健・障害者サービス利用者権利法は、患者が必要に応じて有能な通訳者を利用する権利を保障しているにもかかわらず、医療現場における通訳者の利用状況にばらつきが見られる

原因と今後の対応
- この格差は、医療従事者による言語ニーズの認識不足、患者の抵抗感、文化的な違い、あるいは通訳へのアクセスにおける制度的な障壁といった要因に影響されている可能性がある
- 65歳以上の居住者アジア系人口は、2048年には299,800人へと4倍に増加すると予測されており、的を絞った取り組みが必要
- 医療従事者の研修強化、英語能力が制限されている患者を特定するための体系的なプロトコルの策定、通訳サービスへのアクセス改善など、制度的な変革が必要
- 患者中心のケアを確保し、倫理原則を遵守するためには、病院は英語能力が限られている疑いのある患者、および英語能力が限られていることが確実な患者すべてに対し、通訳の利用を義務付ける方針を導入し、医師の裁量に頼る度合いを減らすべき
NZ永住者、就労/ワーホリビザ保有者の権利
前置きが随分と長くなってしまいましたが、これでニュージーランドの医療での語学サポートが医利用されている実態や、国としての対応などがわかっていただけたと思います。
さて、ここからようやく読者の皆さんに直接関係あることを説明していきます。
上述のように、
ニュージーランドの法律によって、公立の病院において患者が必要に応じて有能な通訳者を利用する権利を保障されています。
サービスは無料で、ニュージーランドの市民や永住者に限らず、就労ビザやワーキング・ホリディビザ保有者も対象です
留学生は含まれておらず、各自の海外留学保険の補償範囲内で通訳サービスを理由することができます。
通訳の利用は対面、電話、またはビデオ通話で行うことができ無料です。
通訳者の予約方法
病院で予約を取ったらすぐに通訳が必要であることを病院またはクリニックに伝え、必要な言語を指定してください。
すでに病院にいる場合でも受け付けや看護師に言語サポートが必要であることを伝えれば、通訳を手配してくれます。
予期せずまたは緊急時に病院に到着した場合も、到着後すぐにスタッフに知らせて、オンデマンドの電話通訳者と連絡を取ってもらいましょう。
一般診療所 (GP)では地元のプライマリーヘルス組織 (PHO) が無料の通訳サービスに資金を提供していることがよくあるので、GPに相談しましょう。

あとがき
5年ほど前に近眼をなおすためにレーシック手術を受けようと近くのクリニックでコンサルティングを受けたところ、担当の医者の英語がアイルランド訛りが強く、何を言っているのかさっぱりわからずほとほと困ったことがあります。
幸い眼の状態が合わず手術は受けなかったのですが、あのまま受けていたらどうなっていたことか。。。
特に生死に関わるような手術や治療でしたら、自分で正しく把握しておきたいもの。
皆さん、遠慮なく通訳サービスを利用しましょう。
話は変わりますが、今回紹介している無料通訳サービスなどを保障するニュージーランドの保健・障害者サービス利用者権利法は公平な社会を前提に設定されています。
この公平な社会については別の編で紹介しています。
興味のある方は合わせてご覧ください。
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