ニュージーランド名物キウイフルーツのあれこれ

Kia ora

ニュージーランドの名物の果物と言えば勿論キウィフルーツ。

今年4月にジャシンダ・アダーン首相が日本を外交訪問した際は、ゼスプリ社のキウィフルーツの巨大マスコットやテレビコマーシャルなどがNZ でも連日報道され、日本はNZのキウィフルーツ産業にとって大事な国であることを目の当たりにしました。

そのNZのキウイフルーツ産業の他、キウイフルーツの特徴や効能、保存の仕方など知っておくと便利なあれこれを紹介します。

NZのキウイフルーツは一大産業

 

ジャシンダ・アダーン首相が今年4月に日本で、キウィフルーツの大きな着ぐるみと一緒に舞台に立ち、キウィフルーツのパブロバを食べ、キウイと習字で書いたりと、躍起になってキウイフルーツのプロモーションが行われた事は、皆さんのご記憶に新しいかと思います。そこまでNZ政府が日本の市場に肩入れしていることに、驚いた人も多いかもしれませんね。

そこでニュージーランドのキウイフルーツ産業について、とくに日本市場との関係について調べてみました。

日本市場

近年日本では新鮮な果物の消費量が例年下がっていますが、キウイフルーツは別でバナナと並んでここ数年消費量が上昇しています。

人気が高まるキウィフルーツは供給の7割を海外からの輸入に頼っています。その海外からの輸入市場の9割をゼスプリの名で呼ばれるニュージーランド産が占めます。ニュージーランド産が日本のキウイフルーツ輸入市場を独占しているようなものです。

ニュージーランドにとって、日本は最大のキウィフルーツの輸出国であり、一昨年の2020年には前年度の69%の伸びを記録し、例年7億5千万NZドルの売上げが見込まれています。

世界への輸出事情

ニュージランドの全果物の輸出において、キウィフルーツは果物全体の輸出の71%を占めます。額にして年間28NZ億ドルに相当します。二番目のりんごは市場の21%を占め8億4千3百NZドルの売上げと、キウイフルーツがメインの商品であることは明らかです。

中でも2016年に市場に導入されたゴールドのキウィフルーツは、フルーツ全体の輸出の50%近くを占め年間売り上げは19億NZドルにも上ります。グリーンは23%で9億2千3百万NZドルとなっています。

日本の記者会見の席でアダーン首相が述べたように、グリーン、ゴールドに続いて赤い品種を市場に導入することで更に販売が拡大することが期待されています。

ZESPRI (ゼスプリ)について

 

ご存知のように、ゼスプリはニュージーランド産のキウイフルーツのブランド名です。1997年に命名されました。

組織としてのゼスプリ( ZESPRI international Limited )は、ニュージーランドのキウイフルーツを取り扱う唯一の会社です。

ゼスプリという名前については、ゼスプリ社のサイトでこのように説明されています。

「鮮やかで、元気で、健康的で、栄養分が高く、活気があり、風味がよく、喜びとエネルギーにあふれている」というキウイフルーツのイメージを、情熱をあらわすzestと、精神をあらわすspiritを組み合わせた「ゼスプリ」という造語で表現しました。

( 出典 : https://www.zespri.com/ja-JP/brand/history )

そのゼスプリ社は1999年にゴールドキウィフルーツの品種に紹介し、世界中の話題となりました。
2020年からは、赤い色をした新種ゼスプリ・ルビーレッドを4月~5月の期間限定で発売しています。

現在ゼスプリ・キウイフルーツはニュージーランドだけでなく、日本の愛媛県と佐賀県でも栽培されています。

このため日本では4月から12月の間はNZ産、10月から4月の間は日本の愛媛県と佐賀県で栽培されたゼスプリ・キウイフルーツと、1年中キウイフルーツが手に入ります。

(参考 : https://www.zespri.com/ja-JP )

キウィフルーツの特徴

● 歴史

キウイフルーツはマタタビ科マタタビ属の雌雄異株の落葉蔓性植物の果実です。そのルーツは中国にあり、12世紀の宋王朝に存在していたことが記録に残っています。1904年に中国から一人のニュージーランド人女性が種を持ち込んだことがきっかけで、ニュージーランドでキウイフルーツが世界で始めて商業的に栽培されるようになりました。
その後第二次世界大戦中にNZに駐在していたイギリスやアメリカの軍人の間でとても評判がよかったことから、1960年代にカリフォルニアに輸出されるようになりました。

● 名前の由来

中国では yang tao と呼ばれているキウィフルーツ、色や味が似ている事から Chinese Gooseberries (セイヨウスグリ)と呼ばれていました。がこの名前は人気がなかったので、1959年キウィフルーツの名に変えられました。名前の由来は、ニュージーランドの国鳥のキウィという鳥です。小さくて丸くて、茶色の毛が生えており似ていることから選ばれています。その当時は果物に鳥の名前を付けることは異例のことで反対もありましたが、海外市場にアピールする思い切った策として採用されました。

●品種

キウィフルーには大きく分けて  Actinidia deliciosaActinidia setosaActinidia chinensis の三つの種があり、それぞれ果実の形態や染色体の数が異なります。

緑色の果肉で繊維に覆われている茶色の皮が特徴のグリーンは Actinidia deliciosa 種に属します。黄色の果肉で滑らかなブロンズ色の皮のゴールドは、Actinidia chinensis 種になります。Actinidia deliciosa 種に比べ強い甘味と香りが特徴です。 一方、新種のルビー・レッドは色々な種が交配されています。小ぶりで皮が柔らかく、ベリーの味がします。アントシアンという色素が含まれている為、赤い色をしています。

● 栽培

暖かい気候の場所で夏の高い温度で育ち、実は秋に収穫されます。苗は雄株と雌株を混ぜて植え、蔓が絡まるように支柱や藤棚を立てます。収穫後は蔦の選定が必要です。苗は8年~10年の間の間に最も実をつけます。収穫した果実は直射日光を避けて室温で保存し完全に熟させます。

 

キウイフルーツの栄養と効能

「キウイフルーツはお母さん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃん、子供にとみんなにエネルギーを与えます。」

このゼスプリ社のTVコマーシャルは、ニュージーランドでのニュース番組でも何度も放送され、ちょっとした話題になっていました。

実際に、キウイフルーツの「栄養素充足率 (食品に含まれる17種類の栄養素の度合)」は果物の中でトップ。しかも実が柔らかくそのまま赤ん坊から高齢者まで簡単にいただけます。

そのキウイフルーツに含まれる主な栄養素と効能は次の通りです。

  • ビタミン C
    最も特徴的な栄養素。キウイフルーツ1個で成人が1日に必要とする100mのビタミン Cを摂取。免疫力のアップや美容・美肌を促進、またビタミンEも多く含んでいる為、相乗効果として抗酸化作用もある。
  • 食物繊維
    果物の中ではトップクラス。腸内環境を整え、便秘の予防や改善、また心筋梗塞や糖尿病などの生活習慣病予防にも効果がある。
  • カリウム
    不足しがちなミネラルの一つで、体内の細胞内液の浸透圧を調節する。余分な塩分や水分の排出を促進、高血圧やむく身に役立つ。
  • 鉄分
    貧血予防や疲労回復に欠かせない。豊富なビタミンCにより一層吸収力が高まるため、鉄分摂取の食品として理想的。
  • アクチニジン
    キウイフルーツ特有のタンパク質分解酵素。肉、魚などのタンパク質の分解し消化を促進、胃もたれや消化不良を防ぐ。

上記栄養素を含む量は、グリーンとゴールド、それからルビー・レッド種で異なります。


甘酸っさが特徴のグリーンにはゴールドの二倍の植物繊維が含まれています。
対してゴールドは酸味が少なく甘みが多く、ビタミンCがグリーンの2倍含まれています。またその分、カロリーや糖質量もグリーンに比べると高くなっています。一方ルビー・レッドにはビタミン Cが最も多く含まれています。

保存方法

 

キウイフルーツが食べ頃かどうか知るには実際に手で触ってみるのが一番です。

食べ頃のキウイフルーツは、常温ではなく冷蔵庫に入れて保存しましょう。食べきれない分は冷凍保存することもできます。

まだ十分に熟してないものは、風通しが良く直茶日光が当たらない所で常温で追熟させます。りんごやバナナが発するエチレン・ガスは追熟作用を早めるので、一緒に置くと早く食べ頃になります。

あとがき

 

ニュージーランドではキウィフルーツは朝食でヨーグルトと一緒に頂くのが一般的ですが、実は夜食べる方が効果があるそうです。
睡眠中は副交感神経が優位に働き腸の活動が活発になる為、夜食べると寝ている間に腸内環境がより整うというわけです。また、豊富に含まれているビタミンCも睡眠中の皮膚の再生に一役買ってくれるとか。

早速買って夜食べてみないわけにはいかないですよね。
今値段を調べたらカウントダウンではグリーン 1㎏あたり3.75 NZドル、ゴールド3.50NZドルと値段もお手頃です。

残念ながら新種のルビー・レッドの買い時期を逃してしまいました。来年こそは買って試してみたいと思います。

因みにアダーン首相の祖父母はキウイフルーツの栽培農家だそうです。何ともニュージーランドらしい話ですよね。

最後に、ニュージーランド人はどうしてキウィと呼ばれるのかや、ニュージーランドならではの食べ物として、キウイフルーツの他に、マヌカハニーグリーンマッスルクムラアボガド、それからラム肉ついて別の記事で紹介しています。

是非合わせてご覧ください。

Ngā mihi
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ABOUTこの記事をかいた人

アバター

1997年にNZに渡航。以来住み心地がよく現在に至る。旅行、ホテル業界を経て現在は教育業界に従事。 趣味は、ガーデニング、アートと映画鑑賞、夏のキャンプ旅行。 パートナーと中学生娘とウェリントン在住。