待ちに待ったテパパのアート・ギャラリーがリニューアル・オープン!
テパパの2025年新しいアート特集の第一回目のこの編では、テパパの4階の部分のアート・ギャラリーについて詳しく紹介します。
常設展なのでアート・ギャラリーも勿論*無料で鑑賞できます。
テパパを訪れる際は、忘れずにアート・ギャラリーも覗いてみてください。
*但し海外からの旅行者は、テパパに入館する際に入館料35ドルがかかります
はじめに
Kia ora
6階建てのニュージーランドの国立博物館テパパでは、4階の一部と5階がアート・ギャラリーにあたります。
メイン・エレベーターを4階で降りてすぐ右横のTOI ART の標識がサインです。
TOI ARTのTOIはマオリ語でアートを意味します。
これまで4階のアート・ギャラリーは、TOI ARTの玄関口として大型の画期的なアート・インストレーションで話題となりました。
今年2025年は、大型のマオリ彫刻が並ぶ「TĒTĒKURA」展と対照的な白黒の写真展「Leslie Adkin」展。
これだけでワクワクしてきませんか?
『TĒTĒKURA』
その4階のTOI ARTに一歩足を踏み入れると、そこはまるで別世界。
新しくお目見えした『TĒTĒKURA』展では、広いギャラリーの空間に二つの大きなモニュメントのようなアートが対座し、圧倒的な雰囲気を醸し出しています。
TĒTĒKURA(テーテークラ)は、マオリ語でシダの葉のことで、生命の成長、死、そして再生のサイクルを表します。
この『TĒTĒKURA』展では、焼け落ちた木材と焼成粘土から作られた二つの作品を通して、人間の忍耐力と回復が表現されています。

『 BLACK PHOENIX 』
『 TĒTĒKURA 』展に入ると、巨大な木製の船の帆先のような建物が目に飛び込んできます。
このインストレーションの名前は『Black Phoenix(ブラック・フェニックス)』。マオリ人アーテストの巨匠「Ralph Hotere (ラルフ・ホテレ:1984-88)」によって作られました。
フェニックスは、ご存じのようにエジプト神話に伝わる自身の焼けた灰から再び蘇る不死鳥のこと。また『ブラック・フェニックス』は、アーティストのホテレが1960年代にヨーロッパで研究していた際に見た、ロンドンを拠点とする黒人の政治的権利を訴える急進的な雑誌の名前でもあるそうです。
この『ブラック・フェニックス』は、ダニーデンのPort Chalmers(ポート・チャルマー)で火事で燃えたボートと小屋の木材を使って、その昔マオリ族が営んでいた集落の外柵を形どっています。
その昔北島のノースランド地方に根を下ろしていたホテルの先祖は、敵の部族から襲撃を受けると集落を燃やして煙の中に姿をくらまして逃げ、別の場所に集落を築いて部族が存続した言われています。
『ブラック・フェニックス』の床材には「 Ka hinga atu he tetekura, ara mai he tetekura」(シダの葉が一本枯れると、別の葉がその代わりを務める)という諺が刻まれています。

「Ngā Morehu」
「Black Phoenix」に対座するのは、karannga ( カーランガ:儀式の際入場者をマラエに呼び入れる掛け声)を行っているマオリ女性の群像です。作品名の「Ngā Morehu」はマオリ語で生き残りを意味します。
オーギュスト・ロダンのブロンズ作品「カレーの市民」(1884-89年)にインスピレーションを受けていたというこの作品、よく見ると後部にしゃがんでいる高齢の女性たちは俯き、立っている像の眼差しは悲哀に満ちています。またそれぞれが着ているビクトリア王朝を象徴する黒いドレスにはマオリ女性を蔑む言葉が書かれています。先頭に立って見上げている小さな女の子は母親や母の悲哀を感じているのか、それともただじっと見つめているのかはわかりません。
ですが、アーティスト、Shona Rapira-Davis (ショーナ・ラピラ・デイヴィス)の、ポスト植民地主義への不条理に耐えたマオリ女性の悲痛な叫びに心を揺さぶられることでしょう。

『 Leslie Adkin :Farmer Photographer 』
心に迫るマオリアートを鑑賞した後は、『 TĒTĒKURA 』の奥のギャラリーでノスタルジアを彷彿させる白黒の写真展『Leslie Adkin 写真展』に足を運んでみましょう。きっと心休まるかと思います。
『Leslie Adkin 写真展』は、威圧感のあるマオリアートとは対照的に、イギリス人入植者家族の日常生活を垣間見ることができます。


地質学者であったLeslie Adkin(レスリー・アドキン(1888-1964))は、Levin(レビン:ウェリントンから車で1時間ほど北上した)に住みアマチュア写真家として才能を開花しました。
アドキンの写真には、1900年代から1930年代にかけての日常生活の貴重な一面が捉えられています。被写体はアドキンの愛妻のポートレートやレビン近郊の家族経営の農場での生活まで、多岐にわたります。
ニュージーランドで最も優れた初期の写真家の呼び声高いアドキンの写真は美しく、また当時の入植者家族の日常生活を知ることができる貴重な情報です。


テパパ国立博物館情報
名称 : Te Papa Tongarewa
設立 : 1998年2月14日
住所 : 55 Cable Street, Wellington 6011, NZ
開館日 : 10時~6時 クリスマス日を除き無休
入館料 : NZ 滞在者無料
海外在住者$35(48時間有効)
HP : https://www.tepapa.govt.nz/
あとがき
今回は、テパパの4階の部分のアート・ギャラリーを紹介しましたが、5階のギャラリーのアートについては ↓ をクリックしてご覧ください
また、テパパのアート以外の展示については ↓ を。
Ngā mihi
wonderer




















