Kia ora
今年もMATARIKI ( マタリキ) の時期がやってきました。
マタリキとはマオリ語でおうし座のそばにある小さなプレアデス星団を指します。
日本では昴(すばる)と呼ばれ、秋の終わり頃から春先にかけて肉眼で見る事ができます。
ニュージーランドでは、マタリキは、この時期6月~7月の間の明け方、東の空に低く昇ります。
今年 ( 2022 年 ) のマタリキ
2022年は、マタリキは5月23日に現れ、6月21~29日の間に観ることができます。
この間国を挙げてのマタリキ週間として各地で色々な催しが行われますが、特に2022年はマタリキ祝日が初めて制定された年にあたり、マタリキ祝日の6月24日は大々的な催しが予定されています。
マオリ族にとってのマタリキとは
その昔、冬至(最も日照時間が短い日)の後に明け方東の空に登場するマタリキの星は、マオリ族にとって新しい事の始まりを象徴し、新しい年の始まりを意味しました。
ちょうど6月から7月にかけては、kumara ( クムラ: さつま芋)や、魚や鳥など食料の収穫を終えてPATAKA (パタカ)と呼ばれる食べ物の倉庫に保存するなど冬に備える作業がちょうど済んだ頃でした。
そのため、MATARIKI ( マタリキ)の星にその年の豊作豊漁に感謝するとともに来たる年も豊作豊漁であることを願い、家族や親戚が集まり団をとりました。ご馳走が振舞われ、お互いのことをねぎらい、家族や親類部族に伝わる古い話をしたり、興に演じたりしながら何日かにわたって新年を祝っていました。
同時に亡くなった家族を惜しみ、浜辺でhangi( ハンギ:地熱を利用した料理)しその匂いを空まで届けて、亡くなった家族の魂を慰める習わしもありました。
この名残で、今でもマタリキの時期になると、全国のあちこちでハンギ料理が振る舞われています。
マタリキの現在
現在は、マタリキはマオリ人の間だけでなく、国を挙げてマオリ新年として祝うイベントが全国各地で催されています。
天体ツアー、凧揚げ大会、Kapa Haka, 読み聞かせ、美術品や工芸品の展示など色々な催しが行われているので、興味がある方は市役所などのイベントサイトを見てみるといいでしょう。
私の娘が通う小学校では、Kapa Haka と呼ばれるマオリダンスを披露したり、凧などのクラフトを作るイベントが毎年恒例の行事となっています。
また近所の Intermediate school ( インターミディエート:中学校)では、夕方に提灯を提げて指標を読みながら学校周辺を練り歩き、最後はスープを飲みながらお年寄りの話に耳を傾けたり、子供たちと一緒にマオリの waiata ( ワイアタ:歌 )を歌います。
誰でも参加が出来るコミュニティー行事といったところでしょうか。
マタリキの見つけ方
最後になりましたが、マタリキの星々の見つけ方です。
夜明け前に北東の方向の低空でまず Tautoru/ Orion’s belt と呼ばれるオリオン座の三つ星を見つけます。( ニュージーランドではオリオン座は日本の逆向きに見えますのでご注意を。)
そこから北向きに線を伸ばすと、明るい星の集まりが見えます 。これがマタリキです。
意外に簡単に見つかるので、ニュージーランドにいる人は早起きして東の空を見てみませんか?