『ポーカレカレアナ』NZの非公式の国歌、マオリ族のワイアタ特集②

Kia ora

マオリ族の伝統的な歌ワイアタの第二弾です。

今回はニュージーランドでは非公式の国歌として知られている『ポーカレカレアナ』を紹介します。
一度聴いたら忘れないほど印象深い曲です。
一緒に歌ってみませんか?

世界の名曲とも言える『ポーカレカレアナ』は、ニュージーランドの先住民族マオリ族の歌です。
歌はマオリ語で waiata / ワイアタと呼ばれます。
マオリ族にとって、ワイアタはただ単にその場や気持ちを活気づけるだけが目的ではなく、伝統儀式の進行などマオリ文化の重要な役割を担っています。

もっと詳しくワイアタについて知りたい方は、次をクリックしてご覧ください。

『ポーカレカレアナ』は、ワイアタの中で waiata aroha/ワイアタ・アロハ と呼ばれるラブソングです。

第一次世界大戦中にニュージーランドのノースランド地方で生まれ、オークランドの軍の訓練所でヨーロッパの戦地に向かう兵士の間で歌われたのが始まりだと言われています。
オリジナルはマオリ語で書かれましたが、現在は英語にも訳され世界中で親しまれています。

ニュージーランド国内においては、これまでニュージーランド航空のテレビのコマーシャルに2回登場しています。
また2013年、アジア太平洋地域で初めて同性婚法案が可決された時に、議員と詰めかけた聴衆が一緒になって歌った歌としても知られています。

海の向こうでは、2005年の韓国の映画『クライングフィスト』の主題歌としても歌われました。

マオリ語の歌詞と日本語の意味を書いていますが、その前に、次の動画をクリックしてニュージーランドの歌姫 Hayley Westenra(ヘイリー・ウェステンラ)が天使の声で歌う『ポーカレカレアナ』を聴いてみて下さい。

Pōkarekare ana, ngā wai o Waiapu(Rotorua)
Whiti atu koe hine, marino ana e.

*E hine e, hoki mai ra. Ka mate ahau, I te aroha e.

Tuhituhi taku reta, tuku atu taku rīngi,
Kia kite tō iwi raru raru ana e.

(*繰り返し)

Whati whati taku pene, ka pau aku pepa
Ko taku aroha, mau tonu ana e.

(*繰り返し)

E kore te aroha, e maroke i te rā
Mākūkū tonu i, aku roimata e.

(*繰り返し)

ワイアプ(ロトルア)の岸に寄せる波
あなたは行ってしまった

*愛する人よ 戻ってきて恋しくて胸が張り裂けそうだ

想いつづる手紙を書いて指輪を送りました
私がどんな思いでいるのか、あなたの家族にわかってもらえるだろう

*繰り返し

筆は折れてしまい、書く紙も無くなってしまいました
それでもあなたへの愛は変わらない

*繰り返し

あなたへの愛は枯れることなく
私の涙も一生 乾くことがないだろう

*繰り返し

Hayley Westenra (ヘイリー・ウェステンラ)が天使の声で歌う『ポーカレカレアナ』も良いのですが、個人的にはこちらの動画で歌われる『ポーカレカレアナ』が好きです。

前にも書きましたが、2013年に国会で同性婚法案が可決された時に、詰めかけた聴衆の一人が歌い始めるとその場の全員が一緒に合唱しました。その模様を夕方のテレビのニュースで観てとてもニュージーランドらしい出来事だと思ったことを覚えています。

このように『ポーカレカレアナ』は色恋沙汰の愛だけでなく、幅広い意味で愛情を表現するときに歌われます。
これからニュージーランドにおいでの方で、まだ聴いたことがない方はこの機会に聴いてみて下さいね。

Ngā mihi
wonderer

ABOUTこの記事をかいた人

1997年にNZに渡航。以来住み心地がよく現在に至る。旅行、ホテル業界を経て現在は教育業界に従事。 趣味は、ガーデニング、アートと映画鑑賞、夏のキャンプ旅行。 パートナーと中学生娘とウェリントン在住。