Kia ora
先週ニュージーランドではマオリ族のKoroneihana (コロネイハナ)が行われました。
今年のコロネイハナは、去年若くしてマオリのクイーンの座に就いたナーワイ・ワイ・ホノ・イ・テ・ポーの初めて公に姿を見せる場として、注目が集まりました。
そして、その新マオリ・クイーンの力強い見事な演説に、観衆は虜となりました。
そのKoroneihana (コロネイハナ)と、新クイーンの演説の内容はどんなものだったのか、詳しく紹介してきます。
koroneihana ( コロネイハナ )とは?
Koroneihana (コロネイハナ)は、英語で戴冠を意味する coronation をマオリ語にしたもので、ニュージーランドでは、マオリの君主の即位と戴冠式の記念日を祝う祝賀行事を指します。
コロネイハナは、毎年ワイカト州ナルアワヒアにあるトゥランガワエワエ・マラエにある君主公邸で1週間に渡り開催されます。
あまりマオリ王室について馴染みがないという人のために、ここでマオリ王室について簡単に紹介します。
1858年、マオリの各部族を終結させる目的で王室が生まれました。そして最初にマオリ王に就いたのは、Kīngi Pōtatau Te Wherowheroです。
「クイーン・ビクトリアと同等の立場に立ち、これよりキリストのご加護のもと法律に基づき未来永劫保護される」として任命を受けました。
現在のクイーンは8代目の君主になります。
2025年のコロネイハナ
今年2025年のコロネイハナは、去年即位した若干28歳のクイーンである Te Puhi Ariki Ngawai Hono i te Po Paki (テ・プヒ・アリキ・ナーワイ・ホノ・イ・テ・ポー・パキ)の初めての公式行事として、例年に増して国内外から注目が集まりました。
前国王であるキング・トュヘイティア前マオリ国王の一人末っ子で一人娘であるナーワイ・ワイ・ホノ・イ・テ・ポーは、1年前に父親の逝去に伴いクイーンとして即位しています。
マオリ族の慣習で前国王の死後1年間は喪服期間として、新マオリ君主は公の場で声明を発表しない決まりとなっています。
これに倣って、新クイーン、ナーワイ・ホノ・イ・テ・ポーはこれまで公の場で発言することは勿論、姿を見せることもありませんでした。
このため父親の死からちょうど1年が経過した今年のマオリ君主制を祝うコロネイハナが、初めての公の場で演説となりました。

新クイーンの演説
多くのマオリにとって新しいクイーンを拝む待望のチャンスとして、何千人もの人々がトゥランガワエワエ・マラエに集まりました。
そして小雨の中大観衆が見守る中、28歳という若き君主、ナーワイ・ホノ・イ・テ・ポーはマオリ語で30分の演説を行いました。
聴衆は新クイーンの冗談に笑い、時には涙を流し、彼女の父親が人々に植え付けようとした結束、そしてマオリであることの意味について語る彼女に賛同の意を表しました。
演説の主な内容を取り上げて紹介します。
自身について
まず演説の冒頭でクイーンは自分自身についてこう語り、すぐに聴衆の心を掴みました。
この一年、皆さんの目には感情的にも精神的にも孤立し、新しい人生の現実から逃げ出し、かつて娘の不安を癒してくれた父の温かい胸を求めて逃げている私が映っていたかと思います。
私は同情を求めてこれを話しているのではなく、むしろ、私も皆と同じ人間であることを思いだして欲しいからです
人々への呼びかけ
そして次に、*マオリと政府の間の緊張が激化している現在の状況に対して呼びかけました。
マオリであることは、敵や克服すべき課題を持つことで定義されるものではありません。私たちの言語を話すことであり、環境を大切にすることであり、私たちの歴史を読み、学ぶことであり、マオリの名前で呼ばれることを選択することです。マオリであることを表現する方法は、抗議活動の時だけでなく、数多くあります。
マオリであることは永遠ですが、自らの運命を握るために、マオリであることの表現を常に育んでいかなければなりません。
*緊張している状況とは、現在の連立内閣が2年前に政権を取って以来、マオリ語の公用語化の縮小や、建国の文書であるワイタンギ条約の原則を国民投票にかけようとした試みの失敗など、マオリに対する波風が立っています。
今後のマオリ王室の動向
そして最後にマオリ王室の動向について触れました。
マオリ王室は19世紀にマオリの主権を守り、イギリス王室に抵抗するために部族を団結させようとした運動の中で生まれた、マオリの機関では最も長い歴史を持ちます。君主の役割は主に儀礼的なものですが、指導者はイウィ(部族)の最高酋長でもあると考えられ、連立政権の対マオリ政策の方向性に関する議論の形成に大きな影響を与えてきました。
そのような背景を踏まえ、政府によるマオリ向けのプログラムと資金の縮小を指して、
マオリへの取り組みが廃止され続けていることをもはや黙って許している訳にはいきません。今は2025年です。外部からの力に邪魔されず、新たな道を歩む必要があります
と述べ、2つの解決策を提示しました。
- マオリの人々の機会を創出するための経済サミット開催
- マオリ機関事業からの初期投資基金
演説の後
そして新クイーンは、
「焦ることはありません。また重荷を背負うこともありません。そういうのは私に任せてください。」
という言葉で演説を締めくくり、聴衆を送り出しました。
その後は部族(ワイカト・タイヌイ族)のマオリ族の伝統芸能カパハカに加わり、見事なポイ裁きを披露しました。

(出典)
https://www.theguardian.com/world/2025/sep/05/new-zealand-maori-queen-first-speech
あとがき
画像や動画を見てわかるかと思いますが、新クイーンのナーワイ・ホノ・イ・テ・ポーは気品があって美しいですよね。
それに28歳という若さにありながら、力強さが感じられます。
生まれながらに持っている品格というのでしょうか。女王の座にふさわしい女性だと思います。
彼女が演説の中で打ち出した二つの施策、経済サミットとビジネス初期投資基金について情報が集まり次第、別の編で詳しく紹介しようと思います。
お楽しみに。
Ngā mihi
wonderer














