pōwhiri( ポフィリ : マオリ歓迎儀式)

Kia Ora

ニュージーランドでは、学校や職場で pōwhiri( ポフィリ )と呼ばれる式典が催されることがあります。
特に2月は、子供の学校の入学の歓迎式典として pōwhiri( ポフィリ )が予定されているけれども、初めての事で戸惑っている方も多いかもしれませんね。

ロトルアのマオリ文化体験する観光名所でも、必ずと言っていいほどこのpōwhiri( ポフィリ )から始まります。

この編では、その pōwhiri( ポフィリ )とは何か、そして実際に参加される人のためにその手順を詳しく説明します。

実際の手順を説明する前に、pōwhiri( ポフィリ )で頻繁に使われる言葉について説明します。

● Tangata whenua ( タンガタ・フェヌア )
迎える(主催者)側の人々。
Tangata は人々を whenua は大地を指し、合わせて地元の人々を意味します。
日常では、西欧からの入植者と識別する為に住民族マオリの意味で使われています。
対照的に、マオリ以外の入植者は Tangata Tiriti ( ワイタンギ条約の人々)と呼ばれます。

© wikimedia Commons

● Manuhiri ( マヌヒリ )
招待者、客。
グループを代表してKaumatua ( カウマトゥア :  グループのリーダー格の年長の男性 )が、スピーチなどを行います。
昔は、マオリ族が別の部族のマラエを初めて訪れた際は、ポフィリの前にカウマトゥアがグループの安全を願い * karakia ( カラキア: 祈り ) を行っていました。

karakia ( カラキア: 祈り )についてはこちらを。


手順

1.Wero (ウェロ:挑戦 )

マヌヒリ ( 訪問客 ) がマラエに近づくと、まず タンガタ・フェヌア(主催者側 )から三人の戦士が迎え出ます。
戦士は タイアハ(槍のような武器)を使いながらマヌヒリ が敵か味方か判別するために威嚇の動作や表情を見せます。
その後、一人目の戦士が rākau whakaara ( 警告を知らせる武器)を象徴する枝を地面に置き、マヌヒリの代表が拾うと集団の中に戻ります。
二人目の戦士は rākau takoto ( 戦いをやめること)を象徴する枝を、三番目の戦士は rākau whakawaha  ( 道を開けること)を象徴する枝を置き、それぞれマヌヒリが拾うと、三番目の戦士がマヌヒリをマラエまで案内します。

2.Karanga ( カランガ:歓迎の呼びかけ )

タンガタ・フェヌアの中から年長の女性がマヌヒリに向かってKaranga ( カランガ:歓迎の呼びかけ ) を行います。
これはマヌヒリがマラエ内への入場を許可する合図となります。
マヌヒリ側からも女性が呼びかけをして応答し、その後女性そして男性の順にゆっくりと静かにマラエ内へと歩いていきます。途中、足を止めて亡くなった祖先へ黙祷を捧げます。
学校や職場などでのポフィリは Wero ( ウェロ:挑戦 ) を省き、Karanga ( カランガ:歓迎の呼びかけ ) から始まるのが一般的です。

3. Haka pōwhiri ( ハカ・ポフィリ: ポフィリ用の武闘の踊り )

マヌヒリがマラエ内に到着すると、時としてタンガタ・フェヌアがポフィリ用の武闘の踊りをすることもあります。特に敬意を表す時に行われます。

© wikimedia commons

4.Whaikōrero ( ファイコレロ : スピーチ  )

マラエではタンガタ・フェヌアとマヌヒリが向かい合って座ります。通常男性が前の席に、女性が後ろの席に座ることになっています。これは、万が一タンガタ・フェヌアとマヌヒリの間で争いが起こった時に備え、部族に子孫をもたらすという大事な役目を担い、また武器を持たない女性を敵から守る事に由縁します。
全員が席に着くと、タンガタ・フェヌアの代表に続いてマヌヒリの代表カウマトゥアが whaikorero ( ファイコレロ : スピーチ ) をします。

5.Waiata ( ワイアタ : 歌 )

4のそれぞれの スピーチの後には、仲間がWaiata ( ワイアタ: 歌 )を歌います。歌はその部族に伝わる伝統的なものと決まっています。
( 日本人の団体としては「さくら」などがよいでしょう。)

6. Koha ( コハ:贈り物 )

マヌヒリは床に Koha ( コハ : 贈り物  ) を置き、タンガタ・フェヌアが拾い上げます。

7. Hongi ( ホンギ:鼻を擦り合せる挨拶 )

Te Puia Rotorua © Fraser Clements

ポフィリが滞りなく行われたという証として、マヌヒリはタンガタ・フェヌア側に招かれ、一人ひとりとHongi ( ホンギ:鼻を擦り合せる挨拶 )をしながら握手します。伝統的に男女に関係なくホンギをする決まりです。ホンギをすることで同じ大地の息を吸う、つまり仲間になったという事を意味します。

* ホンギの詳細についてはこちらを。

8. Hākari( ハカリ:食事)

マオリ伝統の manaakutanga (マナアキタンガ : もてなし)の精神にのっとり、hakari( ハカリ : 儀式用の食事)を全員で取り分けて食べます。
食べ物を口に入れるのは、必ずkarakia ( カラキア: 祈り ) の後です。気をつけましょう。

昔は土の中で料理したhangi ( ハンギ )が振る舞われていました。現在はお茶とおつまみ程度が多いようです。

* ハンギの詳細についてはこちらを。

9. Mihimihi ( ミヒミヒ : 挨拶 )

Karakia( カラキア: 祈り ) に続いて一人一人Whakapapa ( ファカパパ : 先祖) の話しを交えながらくだけた形で自己紹介します。
タンガタ・フェヌア側から始まりマヌヒリ側に続きます。

10. Poroporoaki ( ポロポロアキ:別れの挨拶 )

ポフィリは Poroporoaki ( ポロポロアキ:別れの挨拶 )で締めくくりです。 エチケットとして、ポロポロアキはマヌヒリ側から始めます。

( 参考文献 )
https://teara.govt.nz/en/marae-protocol-te-kawa-o-te-marae/page-2
https://www.newzealand.com/jp/feature/powhiri-maori-welcome/

あとがき

以上、伝統的なポフィリの手順を説明しました。過去にポフィリに参加した事がある方でも、詳細を読んでなるほどそういう意味があったのかと思っていただければありがたいです。

前にも書きましたが、新入生や新社員歓迎などの一般的なポフィリでは、簡略化された手順で行われます。
但し、ホンギは決まりごとの一つですので、初めての方は今から練習されていた方がいいかもしれませんね。

伝統的なポフィリに興味のある方は、ロトルアのマオリ村などで体験してみてはどうでしょうか?

( 例 )
タマキ・マオリ・ビレッジ
https://www.tamakimaorivillage.co.nz

ミタイ・マオリ・ビレッジ
https://www.mitai.co.nz

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1997年にNZに渡航。以来住み心地がよく現在に至る。旅行、ホテル業界を経て現在は教育業界に従事。 趣味は、ガーデニング、アートと映画鑑賞、夏のキャンプ旅行。 パートナーと中学生娘とウェリントン在住。