テパパの新アート写真展『Slow Burn』はダイバースなニュージーランドがよくわかる

TE Tangi of Rūaumoko by Tia Ranginui
TE Tangi of Rūaumoko by Tia Ranginui © Tepapa Tongarewa

ニュージーランドの国立博物館テパパのアート・ギャラリーで、新しいエキシビションがオープンしました。

そのエキシビションのタイトルはこれまたかっこいい『Slow Burn | Ahi Tāmau |スロー・バーン』。その意味する通りニュージーランドでじっくりと醸成された写真作品が楽しめます。

この『Slow Burn |Ahi Tāmau | スロー・バーン』のエキシビションの入場料は無料です。
ウェリントンを訪問の際はお見逃しなく。

はじめに

Kia ora

「Slow Burn | Ahi Tāmau |スロー・バーン」展は、1960年代から現在に至るまでのニュージーランドの女性や*ノンバイナリー・アーティストによる写真作品の集大成と言ってもいいエキシビションです。
女性だけでなく*ノンバイナリーのアーティストも含まれているなんて、いかにもダイバースなニュージーランドですよね。

「Slow Burn |Ahi Tāmau |スロー・バーン」展はテパパの4階のアートギャラリーで展示されています。
以前紹介したマオリの巨匠の作品、『TĒTĒKURA』もまだ開催中ですので是非一緒に観てみて下さいね。

ノンバイナリー (Non-binary)
男性・女性の二元的な枠に当てはまらない、どちらでもない、両方ある、流動的など、多様な性自認を持つ人を指す

『 Slow Burn 』特徴

『Slow Burn |Ahi Tāmau | スロー・バーン』はニュージーランド出身の女性やノンバイナリー・アーティストによる150点以上の写真作品からなる写真展です。

『スロー・バーン』の名の通り、どの作品も時間をかけてじっくりと、そして丁寧に作り上げられものばかり。
そして、各作品に共通するテーマは過去と現在を結びつけ、アイデンティティや家族、場所、時代を超えた繋がりの探求です。

勿論、世界のフェミニズム運動の影響も随所に見られます。

写真作品の中には、ダイバースなアーティストと同様に、内省的で、不確かで、戸惑わせる作品があるなど、ダイバースな内容になっています。

© wonderer

展覧会の主な概要は以下のとおりです。

  • 作品総数:150点以上の写真作品
  • 参加アーティスト:ニュージーランドの女性とンバイナリー・アーティスト50名
  • 対象範囲:60年間の写真史(1960年代~2020年代)
  • ギャラリー数:4ギャラリー
    Rere Ao | Joy Riders、Rere Pō| Night Hawkes、Hangarau Tūpuna| Ancestor Techonologies、Anamata | The Neat Future

各ギャラリー紹介

The Intelkectual WEALTH of a savage mind by Tia Ranginui
The Intelkectual WEALTH of a savage mind by Tia Ranginui © Tepapa Tongarewa

ジョイライダーズ
遊びとパフォーマンスをどこまで創造的に追及できるかを問う作品群のギャラリー。
私たちが暮らす空間は、帰属意識と孤独の両方を感じさせる場所として捉えられています。
アーティストにとってイメージ制作は身体表現、あるいは社会的な繋がりを生み出すプロセスであることが表現されています。

Mirror Images by Victoria Ginn © Te Papa Tongarewa
Dive by Lisa Reihana © Te Papa Tongarewa

ナイトホークス
このナイトホークスでは、身体とジェンダーを表現する多様な方法が称賛されています。アーティストにとって、写真は複雑な思考や感情を整理する手段です。優しさと反抗心を交互に湛えた写真は、変容、逃避、幻想、そして神話といったテーマを探求しています。

32 Highbury road by Ans Westra © Tepapa Tongarewa
Soph Chin by Abhi Chinniah © Te Papa Tongarewa

伝承される技術写真
写真は、マオリ語で Whakapapa | ファカパパと呼ばれる先祖へと繋ぎ、その先祖の霊と触れ合う手助けをしてくれます。アーティストの多くは、古くから伝わる技法や技術を用いながら、アイデンティティ、場所、そして物の物質性を探求することで、個人と公共の歴史を取り戻そうとしています。

Lingua Geographica 1996 by Ruth Watson © Tepapa Tongarewa

写真は驚くほど人間に密接した表現手段で、切望、喪失、そして愛といった感情を鮮やかに描き出します。このギャラリーに展示されている写真やアルバムは、アマチュア写真家とプロの写真家の両方によって制作されたものです。家庭生活や家族に焦点を当てたこれらの作品は、私たちの感情世界がいかに広大で複雑であるかが見てとれます。

テパパ博物館情報

名称  : Te Papa Tongarewa 
設立      : 1998年2月14日

住所      : 55 Cable Street, Wellington 6011, NZ
開館日  : 10時~6時 クリスマス日を除き無休
入館料  : NZ 滞在者無料
     海外在住者$35(48時間有効)
HP      : https://www.tepapa.govt.nz/

あとがき

『Slow Burn | Ahi Tāmau |スロー・バーン』の中でもっとも私が気に入った写真は、Rere Pō| Night Hawkes ギャラリーの紹介欄で写真を挙げている、Diva|ディーバという作品です。
マオリの男性が美しく輝いている瞬間が捉えていて、アーティストの愛おしく思う気持ちがこちらまで伝わってきました。

アーティストはマオリ新鋭アーティスト Lisa Reihana | リサ・レイハナです。
このリサ・レイハナというアーティストは以前アート界の最高峰と言われるベネチア・ビエンナーレ(国際芸術展)にNZを代表して出展した他、テパパでもソロで展示されたことがあるほど、NZのアート界ではよく知られています。
ご興味のある方は、↓の記事も是非ご覧下さい。

Ngā mihi
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