2025年の(南半球)の夏、ニュージーランドの首都ウェリントンではイギリスの伝説的なファッションデザイナー、ヴィヴィアン・ウエストウッドのジュエリー展が特別展として開催されています。
この編ではその『ヴィヴィアン・ウエストウッド・ジュエリー展』を実際に鑑賞した感想やみどころなどを詳しく紹介しています。
鑑賞前にこのブログを読むと、『ヴィヴィアン・ウエストウッド・ジュエリー展』を面白く、そして深い意味で楽しめるかと思います。
是非、最後までお読みください。
1. はじめに
アートの街ウェリントンでは、『アート・オブ・バンクシー』展に続き、『ヴィヴィアン・ウエストウッド・ジュエリー展』が話題を呼んでいます。
私が観に行った時は、パンクの他に、ヴィヴィアン・ウエストウッドのジュエリーをまといバッグまでこだわった人、ヴィヴィアン・ウエストウッドのD.I.Y (DO IT YOURSELF ) 精神に影響を受けてとてもクリエイティブな人など、色々な服装をした人で賑わっていました。中にはロリータ・ファッションをした少年/少女たちもいました。
年齢層も様々で、さすが、ヴィヴィアン・ウエストウッドならでは。
そしてエキシビション自体がとにかく面白くて、一旦会場を出た後にまた戻って再度見たほどです。
この『ヴィヴィアン・ウエストウッド・ジュエリー展』は、ニュージーランドの次は中国の上海で公開される予定だとか。
もしかしたら、その次は日本かもしれませんね。
2. 『ビビアン・ウェストウッド・ジュエリー展』とは?
『ビビアン・ウェストウッド・ジュエリー展』は、イギリスのファッションデザイナー、ビビアン・ウェストウッドの40年間に渡る創作活動の集大成とも言えるエキシビションです。
主に、ジュエリーを中心としたこのエキシビションでは、550個にも及ぶ独創的なジュエリーの他、15着の美しいガーメントが展示されています。
ビビアン・ウェストウッド・カンパニーとイギリスの制作会社が共同で制作し、ニュージーランドの首都ウェリントンにあるテパパ国立博物館を皮切りに、世界各地で展示される予定です。
テパパでのエキシビション入場料は一般大人$30、学生/シニア$23 子供$5。
チケットは一日中有効で、同日であれば何度でも入場できます。
ただし海外からの旅行者はテパパ博物館の入場料$35が別途かかります。
開催日は4月27日まで。
テパパの次はアジア、北米、ヨーロッパで開催予定です。

3. みどころと感想
❖ みどころ
展示数はなんと500点以上、そしてどれもがとても面白いので選ぶのはとても難しいのですが、敢えてという前提でみどころを選んでいます。
❖ シー・モンスタードレス
シルクの生地のプリントはなんと手で描かれているというまさにDYI(DO IT YOURSELF )なドレス。ヴィヴィアン・ウエストウッドがこよなく愛したエリザベス女王一世の有名な肖像画にインスピレーションを受けて作られたドレスとトップは、柔らかいパステルカラーにからし色を、そして蜘蛛の巣のアクセサリーを加えることでエッジの効いたモダンな装いに。

❖ オーブ
ウェストウッドと言えばオーブ。イギリス王室の紋章に土星の輪を付け、過去の歴史や伝統にユニバーサルで未来に向けた思考を象徴し、ウェストウッドのエンブレムとして位置づけられている。そのオーブが、1985年に作られた元祖オーブの他、100種類もの異なるデザインがまるで宝石箱を開けたように一同に展示。


❖ とにかく面白いジュエリーが満載
今やセレブリティの御用達であるパールネックレスや、ウェストウッド自身も着用した悪魔の角のティアラ、ほんもののカタツムリや日本のビール缶を材料としたもの、男性性器を形どったジュエリーなど話題が尽きない。勿論、現在人気商品であるコルセットも展示。




❖ 活動家としてのヴィヴィアンの情報
政治腐敗や環境保護活動、そして中国の道教を敬うといったウェストウッドの信条の他、アートと歴史造詣の深さやパートナーであるアンドレアとの関係が壁上で表現。
特に5分間のウェストウッドがアートを語るビデオは必見。


❖ 感想
ビビアン・ウェストウッドは安全ピンなどパンクファッションを流行させた人として有名ですが、それはビビアン・ウェストウッドの創作活動のほんの一部。ストリートファッションをファッション界に定着させ、またファッションを通じて環境問題や動物保護、そして DIY(DO IT YOUSELF ) 主義などの社会活動のメッセージを広めた人でもあります。
それ故に、ビビアン・ウェストウッドは、イギリスでもっとも偉大なファッションデザイナーと称えられています。
このエキシビションは、ジュエリーなどのファッションだけでなく、そうしたビビアン・ウェストウッドの人生の歩みがよくわかってとても面白かったです。
尚、テパパではチケットはその日限りですが何回でも入場できます。
たぶん展示数が多いからだと思うのですが、途中でコーヒー・ブレイクを入れたりしながらゆっくり見られるので嬉しいですよね。
4. ヴィヴィアン・ウエストウッドはどんな人?
面白いジュエリーを見たら、きっとビビアン・ウェストウッドについてもっと詳しく知りたくなったという人は多いことでしょう。
そういう方のために、ビビアン・ウェストウッドのプロフィールを簡単にまとめてみました。
ヴィヴィアン・ウエストウッド(Dame Vivienne Isabel Westwood )
1941年イギリス中部のチェシャーにヴィヴィアン・イザベル・スウェアとして生まれる。美術教師を志し ウエストミンスター大学で芸術を学ぶ。1962年デレク・ウエストウッドと結婚し苗字がウェストウッドに変わる。長男ベンジャミンが誕生するが離婚。1967年にはセックス・ピストルズのマネージャーとなったマルコム・マクラーレンと結婚し、ロンドンのキングズ・ロードのブティックショップ「SEX」で服飾雑貨を売り、パンクブームを担った。マクラーレンとの間に次男を設けている。
尚、このショップは「ワールズ・エンド (World’s End) 」の名で現在も続いている。
1981年に初めてのキャットウォークコレクションを開催。
1988年オーストリアの大学で講師として23歳年下の生徒のアンドレア・クロンターラーと出会い、アンドレアがビビアンを追う形でロンドンに移住し二人での制作活動が始まる。1993年アンドレアのビザのために二人は結婚するが、周囲には2年ほど秘密にしていた。
1998年、カジュアルラインであるアングロマニアが伝説的なコレクションとなった。
2005年公民権運動、2008年核軍縮キャンペーンに参加。2013年環境保全、動物愛護などの活動に加わった。また緑の党に入党しキャンペーンのゲストスピーカーとしても参加する予定だったが、会社のイギリスでの租税回避が党の主旨に反するとして除籍された。その後「プロパガンダへの積極的な抵抗」というマニフェストを作成。また、ウィキリークスの編集長であるジュリアン・アサンジの解放に向けて様々なキャンペーンを行った。
2006年、デイム (DAME)の称号を授かる
2022年12月29日他界。ビビアン・ウェストウッド・カンパニーは夫であったアンドレアがクリエイティブ・ディレクターとして後継している。
5. あとがき
ここまで『ヴィヴィアン・ウエストウッド・ジュエリー展』について詳しく紹介してきました。ご参考になれば幸いです。
実はテパパの前では『Disney : The Magic of Animation 』展も開かれており、近いうちに訪れる予定です。勿論ブログとして特集を組んで皆さんに紹介したいと思っています。
お楽しみに!
Ngā mihi
wonderer