NZで大活躍 日本人画家 Rieko Woodford-Robinson さん

Kia ora

ニュージーランドのポップアート界で大活躍されている Rieko Woodford-Robinson ( 以下Rieko )さんの特集です。

Rieko さんは、緻密で独特な雰囲気のある動物の肖像画を描くことで知られています。

個展を開く度に作品はすべて sold out、 今年は NZ Pride In Print Awards の Gold Award を二年連続で受賞されるなどの快挙を成し遂げられ、NZのアートシーンでも最も成功されているポップアーティストのひとりです。

 Rieko さんのプロフィール


Rieko Woodford-Robinson。兵庫県加古川市出身。大学で法学部を専攻後、 大阪の法律事務所に勤務。1999年にNZに渡航。映画編集者であるご主人とウェリントン在住。

 Rieko さんの詳細

   特徴

Rieko さんの作品の主人公は動物です。
衣装やアクセサリーを身につけた動物が、さながら人間のように鎮座しています。

レトロなぬいぐるみや、ためらいがちな眼差しの動物をモデルとした肖像画には、ノスタルジックという表現がよく似合います。

                   Princess Deirdre © Rieko Woodford-Robinson


もう一つの Rieko さんの作品の特徴は、確立された独特の画法にあります。
主人公の動物やモチーフ、背景に至るまで、ダビンチ、レンブラントといった油絵の巨匠の技法が取り入れられ、綿密に幾重にも塗られて描かれています。こうして緻密に塗られた絵は重厚感があり、実物と見間違うくらい精度の高い絵に仕上がります。

一枚の絵を完成するのに、油絵具で塗って一週間かけて乾燥させ、そしてまた塗るという作業を何度となく繰り返すため、およそ2年の年月を要するそうです。

昨今の*シュルレアリスム・ブームの中でも、Riekoさんの作品がひと際異才を放ち、そして幅広い層に支持されている事に頷けます。

*シュルレアリスム ( シュールの語源 )
超現実主義。元々は夢と現実の矛盾した状態の肯定」を目指し1924年に始まった運動である。驚異、意外な並列、不条理性がシュルレアリスム特徴である。不条理で非論理的な風景や、日常的な風景と奇妙な非現実的な生き物が並列して描かれたり、無意識が表現されている。
引用元:  Artpedia Asia
https://www.artpedia.asia/surrealism/

   アーティストになったきっかけ

Platform No.7  © Rieko Woodford-Robinson

子供の頃から絵本作家になりたいと思いながらも、驚くことに日本ではアートとは全く無縁の生活を送っていました。
そんな Rieko さんでしたが、1999年にワーキングホリデービザを利用してNZに渡航し、人生の転機を迎えます。
そのきっかけとなったのは、
住み着いたウェリントンの家の壁に掛けられていた一枚の肖像画でした。

家の住人の祖先をモデルに19世紀に描かれたというその肖像画を一目見るなり、描写方法や、モデルの配置や表情、細工を凝らした額縁に魅入られます。そして肖像画の背景にある歴史を知り、Rieko さん自身も画家として自身の気持ちを表現していく決心をしたそうです。
ちなみに、Rieko さんはその肖像画の持ち主と結婚されています。正しく運命の出会いと言ったところでしょうか。

その後 Rieko さんは、アートを学ぶ為ウェリントンの大学に進学をしましたが、*ご主人から「実際に創作活動を始めた方が良い。自分が表現したい事を深く追求してみたら」とアドバイスを受け、模範とするドイツ人画家の手法を独学で研究し、メランコリックで被写体の気持ちがわかるような独自のスタイルを確立していきました。
* ご主人は、父親が彫刻家で美術教師でもある家庭環境で育ち、アートに精通されています。

   代表作品 Kākāpō について

Riekoさんの作品には、可愛らしい動物の他に、Kiwi、Tūī 、Kākāpō、Huia、Ruru など、NZの珍鳥が数多く登場します。

その中でも代表作と言える作品に Kākāpō( カカポ )の肖像画があります。

カカポは、NZにのみ生息するオウムです。現在生息数がわずか200羽あまりと絶滅の危機にあり、自然環境局の下手厚く保護されています。

manu whenua © Rieko Woodford-Robinson

Riekoさんは Sirocco (シロッコ)という名前のカカポに出会った時、その堂々とした姿と振る舞いに威厳を感じ、その想いを「Manu Whenua」という作品に表しました。(画像上)

なるほど、マオリの Korowai(外套)をまとい、* heitiki (  マオリのグリーンストーンのペンダント)や鳥の羽、tewhatewha ( 斧のような武器 )に飾られたカカポは、マオリ部族の酋長のように見えますよね。

マオリ語のタイトル「Manu Whenua」( 大地の鳥の意 )は、Riekoさん自身が、大地の人々の意の「Tangata Whenua 」と、偉大なる土地の意の「Mana Whenua」を掛け合わせた造語です。

NZに人類が(マオリ族が)初めて足を踏み入れたのは、今から僅か1000年前。それまで生息していた哺乳類はコウモリと沖を回遊するセミクジラのみで、NZはまさに鳥にとって王国のようなものでした。
ですのでこの「Manu Whenua」は的を突いた表現だと思います。

尚、この絵の売り上げはすべてカカポ保護団体に寄付されています。

Te Kete Aronui © Rieko Woodford-Robinson

二枚目のカカポの絵のタイトル「Te Kete Aronui 」は、マオリ神話に登場する三つの知識の籠の一つの名前です。それぞれの籠が異なる意味を持っており、この「Te Kete Aronui 」の籠には、愛、平和、工芸が詰まっており、生き物や自然環境に対する意識を象徴するとも言います。
その「Te Kete Aronui 」の籠をカカポが手前に差し出して、何を言おうとしているのか。。。色々な考えが浮かぶことでしょう。

   フィロソフィー

Rieko さんは、NZの美しい鳥や自然との出会いや、そして人々から恩恵にあやかったりする中で感じたことを表現し、カカポのような絶滅の危機にある野生動物の保護や自然環境に対する意識を高めることに努められています。
またここ数年は、子供たちの才能の育成に努められ、子供のアートのワークショップや、ウェリントンでは恒例となりつつある子供の絵の展覧会を主宰するなど、コミュニティーにも高く貢献されていますす。

これからはNZの歴史上の出来事にも挑まれるそうで、今後の活躍が楽しみです。

   個展とshop紹介

現在Riekoさんは、Aucklandにて「Heros」というタイトルで個展を開かれています。
Aucklandにお住まいの方、覗いてはいかがでしょうか?

個展Herosの詳細
日程   : 10月8日~28日
場所   : Black Door Gallery 251 Parnell rd, Parnell, Auckland, 1052
連絡先:(09) 368 4554

info@blackdoorgallery.co.nz

また、りえこさんの作品はウェリントンのお洒落なアートショップに常設されています。
プリントやカードは、日本へのクリスマスプレゼントやお土産にいいかもしれませんね。

ギャラリー:Eyeball Kicks
115 Manners St, Wellington NZ
月~土曜日 12 – 4 時オープン
https://www.eyeballkicks.com

そして Riekoさん自身のサイトです。
https://riekowoodfordrobinson.com/

以上、日本人ポップアーティスト Rieko Woodford-Robinson さんを紹介しました。
Rieko さんのこれからのますますの活躍を願います。

Ngā mihi
wonderer


 

 

 

 

ABOUTこの記事をかいた人

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1997年にNZに渡航。以来住み心地がよく現在に至る。旅行、ホテル業界を経て現在は教育業界に従事。 趣味は、ガーデニング、アートと映画鑑賞、夏のキャンプ旅行。 パートナーと中学生娘とウェリントン在住。