Kia ora
ニュージーランドからひさびさの朗報です。
以前、特集『2024年 ニュージーランドで生活する上でのプラス、マイナス要素』でお伝えしましたが、何と6年ぶりに物価が下がり始め、物価高が終焉したと言われています。
また住宅ローンの利子率も引き下げられました。
2024年後半、ニュージーランドでの生活は楽になるのでしょうか?
1. 食糧品のインフレ率が下がる
食糧品の値段のインフレーション率が、2023年の6月から2024年6月にかけての1年の間に0.3%に下がっています。
インフレ率が下がったのは、2018年8月以来と実に6年ぶりです。
前年度のインフレ率は2.1%、その前の年は何と12.1%でした。
食糧品のインフレ率が下がった要因に、じゃがいもやトマトなどの野菜の値段が大きく下がったことが挙げられています。野菜、肉類、魚類全体で見ると、前年度に比べ16.1%の値下がりを示しています。
実際に特にKumara(クマラ)と呼ばれるさつもいもが今年頭は1kg当たり値段 14.25NZドル だったのが現在は5.72NZドルと、 およそ3分の一の値段になっています。
というように、食糧品全体のインフレ率は下がっていますが、それでも値段を比べると、1961年に統計が取られるようになって以来3番目に高い値を示しています。
また、月別でみると今年6月のインフレ率は5月よりも1%上昇しています。
その原因として、外食産業やジュースなどの値段が上昇していることが挙げられます。
特にオリーブオイルの値段は 45.9%上昇と目を見張るものがあります。
2. 物価全体のインフレ率下がる
インフレーション率が下がっているのは食糧品だけではありません。
今年2024年6月の時点で、他の商品を含めた物価全体の1年間の上昇率は、Reserve Bank (リザーブ・バンク、日本の日銀に相当)の予想の3.6%を下回り3.3%でした。
その要因として、
- ガソリンは0.5%, ディーゼルは 0.2%減
- ホテルなどの宿泊費3.4%減
- スポーツ、ペット用品などの娯楽品の値下がり
が挙げられます。
3. 住宅ローンの利子引き下げ
マイホーム・オーナー、そして、これからマイ・ホームを購入する人にも嬉しいニュースです。
8月中旬にニュージーランドの日銀なる Reserve Bank (リザーブ・バンク)が、*offical cash rate ( オフィシャル・キャッシュ・レイト)を5.25%に下げたことを受けて、最王手の銀行ANZが住宅ローンの利子を 7.39% から 7.09%に調整するなど、次々にニュージーランドの各銀行が住宅ローンの利子率を下げています。
*オフィシャル・キャッシュレート(OCR)は物価安定を図る政策手段のひとつとして用いられる政策金利。銀行間の資金取引に適用される翌日物貸出金利。
オフィシャル・キャッシュ・レイトが下げられた背景には、勿論低いインフレ率が関係しています。
リザーブ・バンクはインフレ率を1%から3%の範囲内をターゲットとしており、オフィシャル・キャッシュ・レイトは来年末までに4%、2027年中旬には3%まで下がると見込んでいます。
尚、今回発表されたオフィシャル・キャッシュ・レイトの5.25%の数字は、コロナ禍以降初めての低い率です。コロナ禍直前の2018年は、オフィシャル・キャッシュ・レイトは1.75%、住宅ローン利子率は5%でした。
4. 求人率上昇
物価、それから住宅ローンの金利に続いて、今度は求人率について紹介します。
この7月から8月にかけて、求人数が3%上昇しています。それまで5か月の間、求人数は減る一方でした。求人数が伸びた業種は、小売業と政府機関で、経済回復の兆しと捉えられています。
特にこの夏は小売り、ホスピタリティ、ツーリズムなどで売り上げの伸びが期待されています。
5. 一方で逆風も
これまでニュージーランドで生活するにあたって追い風となる要因を紹介してきましたが、その一方で、下記の項目では未だ値段が上昇し続けています。
- 賃貸物件の家賃 4.8%
- 住宅の建築コスト3%
- Rates (住民税)9.6%
- 保険14%
6. あとがき
現在変動金利制の住宅ローンを支払っている私家族にとって、住宅ローン利子率が低くなっているのはとてもありがたいことです。
ですが、rates (レイツ)と呼ばれる住民税が毎年上がっており、しかもかなり高い率で上昇している上に、各種保険料も上がっているのでそう手放しでは喜べない状況です。
こうしたマイナス要因は、2024年 ニュージーランドで生活する上でのプラス、マイナス要素というトピックでも紹介しています。
ぜひ併せてご覧ください。
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