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世界的な混乱の時代に、『政治界の寵児』とうたわれたニュージーランドの元首相ジャシンダ・アダーン卿。
日本でもとても人気がありましたよね。
その元首相ジャシンダ・アダーン卿を主人公にしたドキュメンタリー映画が公開されています。
映画のタイトルは、その名もずばり『 Prime Minister | 首相』です。
若干37歳で首相の座に就き、出産、育児をしながら難題に立ち向かう若い女性リーダーとして生きることのあり方が赤裸々に映されています。
今年1月にサンダンス映画祭で観客賞を受賞したこの作品は、現在ニュージーランドのとアメリカ合衆国の劇場で公開中です。特にニュージーランドではドキュメンタリー映画としては異例の興行収益を挙げているほどの話題の映画です。
日本でもきっと公開されることでしょう。
この編ではその『 Prime Minister | 首相』について紹介します。
はじめに
2017年、ニュージーランド国内でも無名だったジャシンダ・アダーン元首相は、37歳という若さで第40代首相の座に就きました。
2019年クライストチャーチで発生した銃乱射事件や、世界的なパンデミックなどの前例のない困難を、思いやりと大胆な政策で乗り越えて国を導き、世界的に注目を集めました。
また、在任中に出産した史上二人目の女性であり、同時に包括的で共感的なリーダーシップスタイルを推進し、リーダーのあるべき姿に対する世界の期待を変えました。
特にアメリカ合衆国のトランプ大統領に対し対照的なリーダーとして、世界中のマスコミの注目の的になりました。
実際アーダーン元首相はどんな気持ちで局面に対応していたのでしょうか。そして在任中パートナーや子供との関係はどうだったのでしょうか。
気になる方は、是非この『 Prime Minister | 首相』をご覧ください。
『Prime Minister』
タイトル:『Prime minister』
ジャンル:ドキュメンタリー
時間:101分/制作国:ニュージーランド、アメリカ合衆国/言語:英語
監督リンゼイ・アッツ ミシェル・ウォルシュ
主演:ジャシンダ・アダーン
上映:2025年
あらすじ
ジャシンダ・アダーン卿のニュージーランド首相としての任期を描き、共感と毅然とした姿勢で危機を乗り越え、グローバルリーダーシップを再定義した軌跡を追う。
感想
『Prime Minister | 首相』は、2017年から2023年までの5年間に渡るアダーン元首相の公使にわたる姿が収めされています。
もっと詳しく説明すると、人気が急降下していた労働党に新風を巻き起こすために総選挙の僅か7週間前に労働党党首に任命された時から、首相を辞任するまでの間です。
のちにアダーン元首相が『気が進まないことが多々あったが参加した』と語ったこの映画には、夫であるクラーク・ゲイフォード氏が公私にわたってカメラやフィルムに収めた二人の瞬間が断片的に使われています。
クラーク・ゲイフォード氏は全国的に有名なテレビ・ラジオキャスターでした。

このため、映画『Prime Minister | 首相』では、素のアダーン元首相がいたる場面で見られます。
例えばスッピンでベッドの上で資料を読んでいる姿や、愛娘のNeve(二-ブ)ちゃんに母乳を挙げたり遊んでいるところなど。
それも家の中は小さな子供がいると一目見てわかるくらい散らかっていたり、時にはパートナーのクラークが洗濯物が入ったバスケットを持ってうろうろしていたり。。。
これが本当に Premier House |首相公邸なの?と疑うくらいに、どこにでもあるような普通の生活空間で、全く取り繕った感がありません。
本当にどこまでも自然体な生活ぶりがよく見て取れます。
政治手腕についても同じで、口先だけでなく謙虚でありながらも国や国民のために強い信念をもって行動する姿や数々のシーンが盛り込まれています。
これほど生々しく、時には脆い姿をさらけ出し、そしてこれほど率直に過去を振り返る世界のリーダーはそう多くないと思います。
「左派」や「右派」といった「立場」に関わらず、予期せぬパンデミック、国家史上最悪のテロ攻撃、火山噴火、妊娠、育児、そして男性政治家が決して直面することのない厳しい監視の中で、国家の重荷を背負うことが真に何を意味するのかを深く掘り下げられています。
笑える場面も沢山あります。特に正反対と言われるトランプ米大統領についてどう思うかメディアからの鋭い質問に対し、上手くはぐらかしながらしかもユーモア交じりに回答している様子は面白いです。
それから映画全体の流れについて言及すると、キュメンタリー映画によくある関係者(例、高校時代の恩師とか)のコメントが一切盛り込まれておらず、アダーン元首相だけのコメントに絞られています。本題から全くピントが外れることもなく、仕上がりの良いドキュメンタリー映画だと思います。
ドキュメンタリー映画として★★★★★です。

アダーン元首相プロフィール
このブログを読んでいる人でアダーン元首相について知らない人はいないかと思いますが、簡単にアダーン元首相のプロフィールを紹介します。
Dame Jacinda Kate Laurell Ardern。ニュージーランドの政治家、活動家。2017年から2023年まで第40代ニュージーランド首相を務めた。自身を社会民主主義者であり進歩主義者だと称している
1980年7月26日、ベイ・オブ・プレンティのムルパラのモルモン教徒の家庭に次女として生まれる。父親は警察官。(現在は外交官として南洋諸島の事情に携る)。17歳でニュージーランド労働党に入党し、ワイカト大学を卒業後、当時の首相ヘレン・クラーク氏の事務所で研究員として勤務。
2017年8月総選挙直前に、低迷する労働党の救済主として党首に選出。労働党の支持は急速に高まり、その結果37歳で世界最年少の女性首相となる。また、世界で2人目の首相として在任期間中に出産した。
国内の住宅危機、子どもの貧困、そして社会的不平等といった課題に直面しながら、2019年3月、クライストチャーチのモスク銃乱射事件を受け厳しい銃規制を迅速に導入したことや、2020年、COVID-19パンデミックへの対応を主導し、ニュージーランドがコロナ感染に封じ込めに成功したことで称賛を浴びた。
2020年総選挙では圧倒的な勝利で首相として2期目を迎えたが、経済より人命優先のパンデミック対策が反発を煽り支持率が低くなったことを受けて、2023年「十分な戦力がない」と辞任した。
同年ニュージーランド功労勲章(GNZM)のデイム・グランド・コンパニオンを受勲。アースショット賞 ( Earthshot Prize)の評議会メンバーに任命。
現在は政界から身を引きハーバード大学の公共政策大学院の特別研究員を務め、同時に過激主義者によるインターネット上で犯罪を防ぐ研究機関の仕事にも携わっている。
夫のクラーク・ゲイフォードとの間に娘ニーブがいる。

あとがき
言うまでもなく、私はジャシンダ・アーダーン元首相の考え方に賛同派の一人です。映画の中で、「政権で批判を浴びた最後はコロナ禍の対応について悔いはないか?」という質問に対し、「そうしてなかったら多くの人が死んでた筈。確かにやり過ぎたのかもしれないが、やらないで人の命を失うよりやり過ぎていた方がまし」と答えています。
この回答には、ニュージーランド社会と国民のために、自分を投げ打ってまで信念を貫く姿勢が象徴されていると思います。
映画を観るとわかるかと思いますが、国会でプロテストしている人の多くは、自分の思う通りにならないと、正々堂々と弁論するなど意見するのではなく集団の形を借りて罵詈雑言を浴びせる、暴力に訴えることしか出来ないしかない人たちです。「スカートをはいた女が政治なんか」と全く時代錯誤のやじが当たり前のように飛んでいました。
別のタイプには邪悪な陰謀説にすっかり騙された人が挙げられます。
実際私の身の回りにもいました。
そういう人に是非この映画を観てほしいのですが、たぶん観ないのでしょうね。
Ngā mihi
wonderer














