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この度、ニュージーランドのジャシンダ・アダーン元首相が大英勲章の Dame (ディム)の称号を授かりました。
ジャシンダ・アダーン元首相は、去年2023年1月に首相を辞任するとともに政界から引退し、なかなか表舞台に出てくることはありませんでした。
そこでこの編では、ジャシンダ・アダーン元首相の久々のニュースであるその叙勲の模様を詳しくお伝えします。
1. はじめに
ニュージーランドの政治を知らない人でも、ジャシンダ・アダーンの名前は聞いたことがあるという人は多いのではないでしょうか。
その類い希れない政治手腕から一時期は政治界のprodigy (寵児)として、また在任中に出産した首相としても世界の注目を浴びました。
日本でも、若くて美しい女性として人気があったようですね。
ですが、コロナ・ワクチンの義務付けに対する反ワクチン派の反社会的な運動や、経済下落が引き金となり、2期目を満了することなく去年1月に首相の座を辞任。その後はすっかり姿が見られなくなりました。
が、調べてみると、実は人知れず(?)ジャシンダ・アダーン元首相は色々な活動を行っていることがわかりました。
まずは大英勲章受勲の話から紹介していきます。
そのジャシンダ・アダーン元首相の生い立ちや、政治手腕などについては、こちらをご覧ください。
2. Dame 勲章とは?
冒頭でも紹介したように、ジャシンダ・アダ―ン元首相は、イギリスのチャールズ国王の2023年度の King’s Birthday and Coronation Honours (ニュージーランドのおける国王の誕生と戴冠を記念する叙勲 )で、 勲章を授かりました。
ニュージーランドでは勲章はニュージーランド・メリット勲章(New Zealand Order of Merit)と呼ばれ、イギリス王室やニュージーランド国民に対して卓越した努力や能力を持って貢献した人を称えます。
そしてその勲章には5つの種類がありますが、アダ―ン元首相が受賞したのは、Dame Grand Companion of the New Zealand Order of Merit (GNZM) というもっとも高い勲章です。
3. 叙勲の言葉
そしてその勲章の授与式が先月10月16日にイギリスのウィンザー城で行われました。勲章を授与したのはウイリアム王子です。
アダ―ン元首相は受賞後のインタビューで、
「とても光栄に感じるとともに謙虚な気持ちで受け止めており、これまで5年の間自身を支えてきた家族と元同僚が認められとも思っている。今後は他人への小さな思いやりを広めることに勤める」と述べています。
また、勲章を環境問題の解決に貢献する人を表彰する「アースショット賞」に一緒に取り組んでいるウィリアム王子から受け取ったことは、ことさら格別な思いがしたとか。
政界から引退後は、海洋環境問題、南極保護活動の他、 empathetic leadershipを実践に向けてトレーニングや執筆活動をしているというアダーン元首相。
その中の上司の共感力で導く意の empathetic leadership について、「相手の感情や経験をポジティブ、ネガティブ含めて自分のことのように理解しようとすること。決して相手と同じ気持ちになること(同情)とは異なり、一言でいうと、小さな優しさを広げること」と、説明しています。
4. 若い女性へのメッセージ
ジャシンダ・アダーン元首相は、叙勲の際のインタビューで、これから政界やリーダーシップに入ることを目指す若い女性に何かメッセージをと聞かれて、次のようにコメントしています。
「まだ気づいてないかもしれないけど、あなた方は何でもできます。私はよく若い女性が自身に困難にチャレンジできる資質を備えているかどうか自信が無い話をよく聞きます。実際私もそうでしたが、政界という特殊な環境の中でいくつもの難局を乗り越えながら、現在の私に至っています。実際に何ができるかはわからないのだから、したいことに挑戦するのみです。
一方で女性が政界に就く障害として、ソーシャルメディアの悪用によって自身の安全性が侵害されることが挙げられます。インターネットに掲載されている極度の暴力、テロ的な内容、洗脳などが女性に対する暴力に繋がっていることは明白です。
5. あとがき
デイム受勲後のインタビューを聞く限りでは、ジャシンダ・アダーン元首相のしなやかな考え方は変わってようないです。
むしろ、首相に就いていた時よりも更に強いメッセージを発信しているように思えます。
今回はジャシンダ・アダーン元首相の受勲について紹介しましたが、最近の活動、結婚について別に特集を組む予定です。
ご期待のほどを!
Ngā mihi
wonderer