マオリ語で自己紹介 第二弾 : Whānau ( 家族 )の名前を言う

Kia ora

ニュージーランドでは Whānau  ( ファーナウ ) というマオリの言葉をよく耳にします。Whānau とは家族のこと。マオリ人は mihi (ミヒ) と呼ばれるマオリ語での自己紹介を本格的にする際は必ず家族についての説明も交えます。自身の出身地や名前がマオリ語で言えるようになったら、是非この機会に家族のことも紹介してみませんか?

 はじめに

マオリ語で集まりの席で自己紹介することをmihi (ミヒ)といいます。またその自己紹介文はpepeha (ペペハ) と呼ばれます。最近はビジネスシーンでもこのマオリの mihi式の自己紹介を頻繁に目にするようになりました。また、学校の新年度には pepeha ( ペペハ )を家庭で作ってクラスで発表することも根付いてきたようです。

以前別の編で、マオリ語で自分の出身地や名前を挙げて自己紹介する方法を紹介しました。この編ではその自己紹介の方法の第2段として、家族の紹介方法を説明して行きます。

自分自身の紹介方法についての編をまだ読んでない方は是非こちらをご覧下さい。

 人間関係をあらわす単語

まずは家族や人間関係を表す単語を紹介します。一度声に出して読んでみて下さい。

アルファベットの上に線(マクロンと呼ばれます)がついている音は、伸ばして発音します。
例えば 家族を表すWhānau は、マクロンがついている  ā  の文字を長く発音してファーナウと読みます。

マオリ語  読み方 意味
whānau  ファーナウ 家族
māmā マーマー 母親
pāpā パーパー 父親
koro(ua) コロ(ルア) 祖父
kuia クイア 祖母、老女
matua マトゥア 叔父、男性の先生、
whaea ファイア 叔母、女性の先生
tāne ターネ 男性、夫
wahine ワヒネ 女性、妻
tamariki タマリキ 子供
tama タマ 息子、男の子
tamāhine/ kōtiro タマーヒネ/コーティロ 娘、女の子
pēpē ペーペー 赤ん坊
mokopuna モコプナ
kaumātua カウマートゥア 男性の老人
kuia クイア 女性の老人
hoa ホア 友人

 私の taku/ toku の使い方

単数形を指す「私の」という所有格を表す代名詞には tāku と tōku があります。

tāku は一般的な名詞に、 tōku は、山や川などの自然の他、家屋、交通手段、衣類など日常生活に欠かせない大事な名詞の前に使います
人間関係においては、自分と同等もしくは目下の一人の人に対してはtāku、目上の人に対してはtōku  を使います。
ある意味 tōku は、日本語の尊敬語の使い方と似ています。

ですので、上の表にある言葉を使って私のという場合は次のようになります。

● tamariki ( 子供 )や、 kōtiro ( 娘) や、tāne (夫)、wāhine ( 妻) は、tāku  を使います。

例)  tāku tama (私の息子) 、tāku tāne ( 私の夫 )

● māmā (母)、pāpā (父) 、kororua ( 祖父 )、kuia(祖母)、matua(叔父)、whaea(叔母)、 kaumātua (男性の老人)、kuia(女性の老人)は、tōkuを使います。

例) tōku māmā(私の母)、tōku  matua (私の叔父)

 文章を作る

では実際に家族を紹介する文章を作りましょう。

まずはおさらいとして自分の名前を言う文章を思い出して下さい。

( 初めてこのブログを読む方は、上にリンクしている自己紹介の pepehaの中でご確認下さい) 

自分自身の名前を紹介する文章は、Ko  ~   ahau. です。
Ko は 後に続く言葉が固有名詞であることを表します。
「私は山田花子です」は、Ko Hanako Yamada ahau. になります。

他の人の名前を紹介する時は、上の文章の私を意味するahau の代わりに、上の表にある人を入れます


▼ 例
私の娘はエミリーといいます。
Ko Emily tāku kōtiro.

私の父は山田太郎といいます。
Ko Tarou Yamada tōku pāpā.

▼ 問題
ではここで問題です。「 私の夫はジョンです」を Ko John の後に続けて言ってみてください。
夫はマオリ語で tāne です。

単数を指す「私の」所有格を表す代名詞は、tāku、tōku ですが、私の夫にはどちらを使いましたか?
正解は tākuで、Ko John tāku tāne となります。尊敬の意味を表して tōku を使うことはありません。
マオリ語は、男女平等だと覚えておいて下さいね。

 あとがき

単数形を指す「私の」を意味する tāku と tōku を使い分けることは日本人にはさほど難しくないかと思います。ところが、尊敬語という概念が存在しない英語のみを話す人には、目上の人に対して使うのは理解できても、山や川などの自然や家屋などにも tōku を使うという事が素直に飲み込めず、なかなか覚えきれない人が多いようです。語学は習うよりは慣れろと言います。とにかく何度も繰り返し言ったもん勝ちと言って良いでしょう。

ところで、本文中で夫という言葉 tāne には tāku を使い、マオリ語では男女平等であると説明しました。その背景にマオリ文化では、女性は子供を生むことから部族の存続を支える担い手として尊まれてきたことがあります。また、部族の集団生活の中でも女性が果たす役割は男性と同じく重要であると認められていたこともあります。意外でしたか?

Ngā mihi
wonderer



ABOUTこの記事をかいた人

1997年にNZに渡航。以来住み心地がよく現在に至る。旅行、ホテル業界を経て現在は教育業界に従事。 趣味は、ガーデニング、アートと映画鑑賞、夏のキャンプ旅行。 パートナーと中学生娘とウェリントン在住。