Kia ora
ニュージーランドの地名には、英語よりもマオリ語の名前の方が、その土地がどんな所なのか分かりやすかったり、中には浪漫を感じるものがあったりと、興味深いものがあります。
そんなマオリ語の地名を前回に引き続き紹介しています。
第二回目の今回は南島の地名です。
北島の地名も知りたい!という方は、前回の特集をお読み下さい。こちらになります。
目次
地名によく使われている言葉
地名について説明する前に、場所の名前によく出てくる単語を挙げています。
単語の意味を知ると、地名の意味も理解しやすいですので、一度目を通してみて下さいね。
ara (アラ)道
maunga(マウンガ) 山
moana (モアナ) 海
nui (ヌイ) 大きい
one (オネ) 泥、砂、海岸
puke (プケ) 丘
roto (ロト) 湖
wai (ワイ) 水
whanga (ファンガ/ワンガ) 湾
whenua (フェヌア) 土地、国
南島 : Te Wai O Pounamu
南島は マオリ語でTe Wai O Pounamu (テ ワイ オ ポウナム) と言います。
「水とグリーンストーンの島」を意味し、マオリ語で pounamu と呼ばれるニュージーランドを代表する石のグリーンストーンが、南島の Arahura (アラフラ) 川と呼ばれる川底で採掘されることに由来します。
*もっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
南島の各地の地名
▼ Marlborough : Te Tau Ihu o Te Waka-a-Māui
( テ タウ イフ オ テ ワカ ア マウイ )
「マウイのカヌーの船首」
NZの北島になった魚を釣ったマウイのカヌーの
船首がこの辺りに位置するというマオリ神話に由来。
tauihu 船首 waka カヌー
- Nelson : Whakatū ( ファカトゥー)
「住居を構える」の意 whaka ~させる tū 立つ - Blenheim : Te Waiharakeke ( テ ワイ ハラケケ )
「ハラケケの水辺」Wai 水 harakeke 植物の名前
▼ Canterbury : Waitaha ( ワイタハ )
昔住んでいたWaitahaという部族の名前
- Kaikoura ( カイコウラ )
「クレイフィッシュを食べる場所」
Kai 食べる koura クレイフィッシュ
- Christchurch : Ōtautahi ( オータウタヒ )
「先祖オータウタヒの場所」 - Tekapo : Takapō ( タカポー )
「夜に急いで出発する」の意。
その昔マオリ族はこの辺りでモアなどの鳥を狩った後、急いで岐路に着いた事から
Taka 寝ゴザ pō 夜 - Mt cook:Aoraki ( アオラキ )
Ngāi Tahu ( ナイ タフ ) 部族に伝承される神話の登場人物の名を取ったもので
「雲を突き刺す」の意
Ao 雲、世界 raki ( rangi ) 空、天候
- Timaru ( ティ マル)
元々は Te Maruで、カヌーで水上を旅している人々の「避難所」という意味。
間違ってTimaru と英語表記され、「cabbage treeと呼ばれるシュロの種類の樹木がある所」と訳されている。
▼ West coast : Te Tai o Poutini
( テ タイ オー ポウティニ )
「ポウティニの海岸」tai 海、海岸線
Poutini : taniwha ( タニファ ) と呼ばれる水中に住む
海獣の名前。人々とグリーンストーンの守護神。
- Punakaiki ( プナカイキ )
「積み重なった岩の間の潮吹き穴」
puna 潮吹き穴 kaiki 積み重なった岩
- Hokitika ( ホキティカ )
「すぐさま引き返す」hoki 戻る tika まっすぐ
グリーンストーンを得るために侵入した部族の首長が川で溺れ死に、残された一行はすぐさま引き返したため
▼ Otago (オタッゴ)
- Oamaru ( オアマル)
「マルの場所」「火が点る場所」の2つの説がある - Duniedin : Ōtepoti (オーテポティ)
- Queenstown: Tāhuna ( ターフナ)「浅瀬」
- Wānaka ( ワーナカ)
「神聖な学び場」wānanga の方言
▼ Southland : Murihiku ( ムリヒク )
「最後尾」muri 後ろ hiku 尾
- Invercargill : Waihōpai ( ワイホーパイ)
- Stewart Island: Rakiura ( ラキクラ )
「光輝く空」時々南天オーロラが見えることから
- Te Anau ( テ アナウ )
Te Ana-au の略で、「渦流のある洞窟」
Ana 洞窟 au 渦巻
▼ Fiordland:Ata Whenua ( アタ フェヌア)
「陰影のある美しい土地」Ata 影 Whenua 大地
- Milford Sound : Piopiotahi ( ピオピオタヒ )
「一羽のピオピオ鳥」
マウイが村人の不死身を賭けて死んだ朝、一羽のピオピオと呼ばれる鳥が飛来したというマオリ神話に由来。
あとがき
前回紹介した北島の地名もそうですが、マオリ語の地名の中には浪漫溢れるものがあって面白いですよね。
特に、スチュアート島は英語名ではピンと来ませんが、オーロラが光輝く意の Rakiura のマオリ名には、私のように実際に訪れてオーロラを見たくなったという人は多いのでは。
最後に、ニュージーランドがなぜマオリ語で 「白い雲が長くたなびく地」の意の Aotearoa ( アオテアロア ) と呼ばれるようになったのか、別の編で紹介しています。
興味のある方はこちらもどうぞ。
Ngā mihi
Wonderer