Kia ora
毎年恒例の「Bird of the Year |NZの鳥2026」に、世にも珍しい Karure | NZ Black Robin ( カルレ|ブラック・ロビン)が選ばれました。
先住民族のマオリ語で Karure と呼ばれるブラック・ロビンは、チャタム諸島に数百羽のみ生息するというとても稀な鳥です。
また、ブラック・ロビンはいったん絶滅寸前に追い込まれ後に復帰しつつあり、その保護活動も世界的に有名です。
この編ではKarure |NZ Black Robin(カルレ|ブラック・ロビン)と、その保護活動について詳しく紹介していきます。
バード・オブ・ザ・イヤー
「Bird of the Year(バード・オブ・ザ・イヤー)」とは、ニュージーランドの固有種の鳥を対象とした「人気投票コンテスト」で、ニュージーランドで毎年開催されています。
環境保護団体である Forest & Bird が2005年から主催しており、単なる人気投票にとどまらず、ニュージーランドのユニークな野生動物や、直面している絶滅の危機について人々の関心を高めるための重要なイベントとなっています。
コンテストはとてもユニークな方法で行われ、鳥ごとに後援者がSNSなどを通じて猛烈なキャンペーンを展開します。
過去には、絶滅の危機に瀕しているNZ固有のコウモリ(ツノウサギコウモリ)がまさかの1位に輝いて世界中で大きな話題となったこともあります。
毎年人気が上昇しており、今年は過去最高の投票数を記録し、10万5000人と去年より3万人多い人々が投票しました。

カルレ|ブラック・ロビンってどんな鳥?
その「Bird of the Year」2026年は、Kākāpō| カカポが序盤リードしていましたが、最終的に2万6610票を獲得した Karure I Black Robin ( カルレ|ブラック・ロビン)が見事に栄冠を勝ち取りました。
元々「Bird of the Year」はNZの固有種のみが対象ですが、その中でもこのブラック・ロビンはチャタム島にのみ生息しています。しかも一時期はその数が5羽、つまり世界に5羽しかいなかったというとても稀な鳥です。
一体どんな鳥なのか見ていきましょう。
名前
学名: Petroica travers
英名:NZ Black Robin
マオリ名:Karure
和名: チャタムヒタキ

分類
科名: オーストラリアヒタキ科(Petroicidae / Eopsaltriidae)
*日本の野鳥の分類に当てはめる場合ヨーロッパのコマドリ(ヒタキ科)やアメリカのコマドリ(ツグミ科)ではなく、ヒタキ科(Muscicapidae)に極めて近いグループ
生態
・ニュージーランドのチャタム諸島にのみ生息する固有種
・*鳴禽(めいきん)類
・完全に昆虫食で、林床で甲虫やクモ、ワタ(ニュージーランド固有の大型昆虫)などを捕食。
・絶滅危惧種(推定数300羽前後)
*鳴禽(めいきん)類
美しく複雑な声でさえずる小鳥、および生物学上の分類であるスズメ目スズメ亜目(鳴禽亜目)の鳥の総称
特徴
・全身が真っ黒な羽毛で覆われ、体長約15cm、体重22〜25gほどの丸みのある小さな鳥
・鳴き声の種類は限られ、通常は4~5音の明瞭な音から成る
・主に林床近くの低い層で活動
・人の気配に引き寄せられて近づいてくることがよくある
奇跡的な回復
Karure I Black Robin ( カルレ|ブラック・ロビン)は、絶滅の一歩手前から奇跡的に回復したことでも知られており、その成功例のおかげでニュージーランドは国際的に自然保護の国として認められました。
1980年、生存していたブラック・ロビンの数はわずか5羽のみで、その5羽の内、繁殖可能なメスは「オールドブルー」と呼ばれる1羽のみでした。
そこでチャタム諸島のコミュニティと野生生物局(後に環境保全省となる)は、繁殖ペアであるオールドブルー(メス)とオールドイエロー(オス)の1組から活動を開始し、状況を好転させました。現在、2つの害獣駆除済みの自然保護区の島には、約350羽の成鳥が生息しています。

バード・オブ・ザ・イヤー2026 トップ10
ちなみに「Bird of the Year |NZの鳥2026」のトップ10には、次のような鳥がランクインしています。
- Karure,|NZ Black Robin (チャタム・ヒタキ)
- Kākāpō( フクロウ・オウム)
- Kārearea | NZ Falcon ( NZ ハヤブサ )
- Kea (ケア)
- Takahē (タカヘ )
- Ruru| Morepork (ルル)
- Tawaki Piki Toka|Eastern Rockhopper Penguin ( 東岩跳ペンギン)
- Pīwakawaka|fantail ( NZ扇ヒタキ)
- Toroa Ingoingo | Northern Royal Albatross ( 北ロイヤル・アホウドリ)
- Hoiho| Yellow-Eyed Penguin (キンメペンギン)
残念ながらこれらトップ10に入った鳥類のすべてが、何らかのレベルの脅威や絶滅の危機に直面しています。
あとがき
「Bird of the Year |NZの鳥2026」のトップ10ランキングをよく見たら、「Kiwi | キウイ」が入っていません。
調べたら「 キウイ」は2009年に1位に入って以来、トップ10にランキングもしてないようです。
「キウイ」はNZの国鳥としてすでに国を挙げて保護活動がなされているので、「Bird of the Year 2026 」では他の絶滅の危機にある鳥にスポットライトを当ててキャンペーンが行われているのかもしれませんね。
それにしても、ニュージーランドには面白い鳥が沢山いますよね。そしてニュージーランド国民の鳥や自然に対する意識の高いこと!
話しは変わりますが、自然や環境を守ることをニュージーランドの先住民マオリの言葉で「kaitiakitanga | カイティアキタンガ」と言います。最近色々な場面で使われており、なんと世界で一番美しい単語にも選ばれています。
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