鬼才ウェス・アンダーソン最新作『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』を一足先にニュージーランドで見たレビューです。
人の家族の絆と再生を描くブラック・コメディな『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』は、これまで以上にビジュアル感が強く、キャストも超豪華!
カンヌ国際映画祭では7分半にわたるスタンディングオベーションを浴びました。
ウェス・アンダーソンのファンでない人もきっと楽しめることでしょう!
映画概要
原題:『The Phoenician Scheme』
2025年製作/101分/G/アメリカ・ドイツ合作
監督、脚本、原案、製作:ウェス・アンダーソン
原案、製作総指揮:ローマン・コッポラ
出演:ベニチオ・デル・トロ、ミア・スレアプレトン、マイケル・セラ、リズ・アーメッド、トム・ハンクス、スカーレット・ヨハンソン、ブライアン・クランストン、マチュー・アマルリック、ジェフリー・ライト、ルパート・フレンド、ホープ・デイヴィス、ベネディクト・カンバーバッチ
日本配給:パルコ
日本劇場公開日:2025年9月19日
あらすじ
舞台はレバノンを中心とした海岸地帯にある、架空の大独立国フェニキア。独立した複数の都市国家からなるそのフェニキア全土の開発計画を、ヨーロッパの大富豪ザ・ザ・コルダが全財産を投じて画策する。が、とある妨害によって財政難に陥ったため、ビジネスパートナーから資金調達をすることを決める。
これまで6度の暗殺未遂から生き延びたザ・ザ・コルダがだったが、命の危機を感じたため、疎遠になっていた娘の修道女リーゼルを後継人に任命し、一緒にフェニキア全土を横断する旅に出る。

感想
映像美と細部までこだわった描写、そして徹底した独特のスタイルと絶妙なカメラワークはさすが、ウェス・アンダーソン‼
特に負傷したザ・ザ・コルダが、白と黒の床のタイルが敷かれた部屋でバスタブに浸かっている頭上からのショットはまるで動く芸術作品を観ているようでした。
ザ・ザ・コルダ館の壁に掲げられているルノワールやマグリットの絵画などは美術館から借りた本物。また、小物などもカルティエ、プラダ、ダンヒルなどの一流のものが使われているそうです。
本当にこだわってますよね。
それから、いつもにもましてキャストが豪華!あとからあとから有名な俳優が現われます。
そんな中で、主役のザ・ザ・コルダ(ベニチオ・デル・トロ演)の修道院で育った娘リーズルを演じた女優は新顔だなと思いながら観たのですが、後で調べたらケイト・ウィンスレットの娘だと知ってびっくり。オーディションを受けて数百人の中から選ばれただけあって、母親と同じように存在感が半端ではありません。これからの活躍が楽しみです。
それにしてもセットやカメラワークにとことんまでこだわり、豪華なキャストにはかなり高いギャラを払っているでしょうに、果たして映画として利益は出ているのか、どうしても気になってしまいますよね。

さて肝心のストーリーは、ここ数年ウェス・アンダーソンは『アステロイド・シティ』(2023年公開)、『フレンチ・ディスパッチ リバティ・カンザス・イヴニング・サン別冊』(2022年公開)など、社会風刺の映画を発表していたのですが、この『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』は初期の作品『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』、『ダージリン急行』のように家族の絆がテーマです。
と言っても、そこはウェス・アンダーソン、話はストレートに進まず七転八倒しながら展開し、最後の最後まで先が読めず面白いです。
個人的には、『グランド・ブダペスト・ホテル』の美しさと面白さがさらに高尚した映画として、ウェス・アンダーソンの作品の中でもベストトップ3に入るんじゃないかなと思います。
『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』、色々な面で楽しめるのでウェス・アンダーソンファンでない人にもおすすめです。
評価星5 ★★★★★

監督/キャスト紹介
📣 監督:ウェス・アンダーソン

Wesley Anderson 映画監督、映画プロデューサー、脚本家。1969年アメリカ合衆国テキサス州ヒューストンに生まれる。キサス大学オースティン校で哲学を学ぶ。学生時代、映画に常連俳優オーウェン・ウィルソンと一緒に住んでいたことがある。
主な作品 : 天才マックスの世界』1998年、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ 』2001年、『ライフ・アクアティック』2004年、『ダージリン急行』2007年、『ファンタスティック Mr.FOX』2009年、『ムーンライズ・キングダム』2012年、『グランド・ブダペスト・ホテル』2014年、『犬ヶ島』2018年、『フレンチ・ディスパッチ リバティ・カンザス・イヴニング・サン別冊 』2021年。『アステロイド・シティ』2023年。『グランド・ブダペスト・ホテル』はゴールデングローブ賞作品賞の他、数々の賞を受賞した。
★ 主演:ベニチオ・デル・トロ

Benicio Monserrate Rafael del Toro Sánchez プエルトリコ出身の俳優
1967年にプエルトリコのサン・ヘルマンに生まれる。スペイン人とイタリア人の血を引く。9歳のときに母親が他界し、アメリカ合衆国に移住。両親や祖父のように弁護士になるつもりでカルフォルニア大学で学んでいる間に演技に目覚め、大学中退。1988年映画デビュー。『007 消されたライセンス』や『ユージュアル・サスペクツ』で注目を浴びる。2000年の『トラフィック』でアカデミー助演男優賞などの賞受賞。続く2003年の『21グラム』、2008年の『チェ』でも受賞。2012年オムニバス映画『セブン・デイズ・イン・ハバナ』の月曜日を監督。2015年の『ボーダーライン』では英国アカデミー賞 助演男優賞にノミネート、2017年『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』に出演。
あとがき
『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』のレビューでしたが、楽しんでいただけたでしょうか?
私の周りでもこの映画は珍しく評判が良いので、絶対おすすめします。
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Ngā mihi
wonderer












