ニュージーランドならではの事柄や言葉を指す kiwiana ( キウィアナ)特集の第二弾です。
第一回目のkiwiana ( キウィアナ)用語特集では、何故ニュージーランド人は Kiwi ( キウィ ) と呼ばれるのか、鳥や果物の Kiwi ( キウィ ) の名前の由来についてでした。
記事を読みたい方は下をクリックしてご覧ください。
さて、今回の kiwiana ( キウィアナ)特集第二弾では、ニュージーランドと言えば真っ先に浮かんで来る言葉の一つ、ALL BLACKS ( オールブラックス ) の名の由来を説明します。
ALL BLACKS は勿論ラグビーのニュージーランド代表チームの名前 です。
世界最強と言われるこのチームは、泣く子も黙る ALL BLACKS という表現がふさわしいかもしれません。
現在 ALL BLACKS の名前はスポーツ界だけでなく、色々な市場でブランド商標としても扱われています。
さて、その ALL BLACKS ですが最初からこの名前で呼ばれていた訳ではありません。
その昔は、New Zealanders ( ニュージーランダーズ ) や Morilanders ( マオリランダーズ) 、Colonials ( コロニアルズ:当時の大英帝国の植民地における人々を指す)と呼ばれ、濃紺の色のシャツ(襟のついたラガーシャツではありません)を着ていました。
1892年にラグビーユニオンが設立された際に、シャツの色が濃紺から黒に変わりましたが、まだズボンの色は白のままでした。
ズボンの色も黒に変わり全身黒の色になったのは、1905年11月に開催されたワールドツアー( イギリス、カナダ、フランスのチームと対戦 )でイギリスに遠征した時のことです。
the first all black jersey worn in 1905 © Frederic Humbert via Wiki Media
ワールドツアーの初戦に新調の黒ずくめのユニフォームで登場したニュージーランド代表チームは、地元イギリスのチームを見事に破りました。
そしてその翌日のイギリスの新聞紙上で「新しいいでたちの身体的に勝るオールブラックスは、観客を魅了した。。。。」とコメントされたのが、ALL BLACKSと呼ばれるようになったきっかけだと言われています。
その後ワールドツアーでニュージーランドチームが勝利を重ねていく内に、イギリスでは ALL BLACKS の名前が使われるようになりました。
が、母国ニュージーランドでは対照的に、国の代表チームをBlacks と呼ばれることに当時の首相を初め政界で異議を唱える人が多く、新聞紙上では ALL BLACKS の名は使われることがありませんでした。
翌年3月にワールドツアーから凱旋した時でさえ、新聞紙には New Zealand football team と掲載されていました。
がその翌日 Herald 紙が、大きな目立つ活字で「 ALL BLACKS 帰還」と掲載すると、すぐさま全国各地の店先でALL BLACKS 記念セールなどの広告が掲げられるようになりました。
こうして、イギリスに半年遅れでようやく ニュージーランドでも ALL BLACKS の名が定着していったという訳です。
と、ここまで kiwiana ( キウィアナ)用語としてAll BLACKSについて説明しました。
それにしても、All BLACKS の名前が当時のニュージーランド社会で受け入れられなかったとは驚きです。
現在のリベラルなニュージーランドではちょっと想像つきにくいですよね。
Ngā mihi
wonderer