Kia ora
マオリ文化や社会の中で欠かせないものに、マラエ ( marae ) があります。
マラエはマオリ部族の集会所の役割を果たし、またマオリ人にとっては心の拠り所でもあります。
ニュージーランドでは、マオリ人でなくても子どもが学校のお泊り行事 ( e noho ) でマラエに宿泊したり、自身がマラエで行われる冠婚葬祭に出席するという機会は珍しくありません。
そこで、これからマラエとは何かを詳しく説明していきます。
併せてマラエを訪れる際のエチケットも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
マラエとは?
マラエ(marae ) は、ポリネシアの言語を語源とし、元々草や木が取り除かれた開けた原っぱを意味します。
ニュージーランドでは、柵に囲まれた建物とその前に広がる空間がマラエと呼ばれ、マラエがある集落に住む部族( iwi : イウイ ) に属します。
その昔は、敵から襲撃を避けるため、pā と呼ばれたマオリ集落の中で入り口から最も離れた高台に建てられていました。
現代社会においても、マオリ人にとってマラエは tūrangawaewae ( トゥーランガワイワイ : 自身が帰属する場所) と呼ばれ、心の拠り所として特別な場所です。
同時にまたマオリコミュニティの拠点でもあり、冠婚葬祭、スピリチュアルな行事、マオリ文化の教育のワークショップ、ミーティングなどが行われています。
全国におよそ一千戸のマラエがあると言われており、中にはキリスト教の教会と併用されているものもあります。
マラエの様式
マラエは色々な建物で構成されている
マラエは wharenui ( ファレヌイ 🙂 と呼ばれる大きな建物と,ファレヌイの前に広がる空間 marae ātea ( マラエ・アーテア)を指します。
wharenui ( ファレヌイ) はマオリの彫刻が刻まれており、この建物自体をマラエと呼ぶこともあります。英語ではミーテイング・ハウスと訳されます。
ファレヌイには、ダイニング・ルーム、キッチン、シャワー、トイレの棟が隣接して建てられています。
ファレヌイには祖先が象徴されている
ファレヌイの建物の構造は人間の体を表します。
一般的にその部族の伝説的な存在である祖先を象徴し、その祖先が部族を敵から見守ってくれるよう願いが込められています。
1. 顔 : テコテコ( tekoteko )
2. 腕 : マイヒ ( maihi )
3. 足 : アモ ( amo )
4. 背骨 : タフフ ( tahuhu )
5. 肋骨 : ヘケ ( heke )
tuhuhuから下に伸びる繋がる幾つもの梁(はり)
ファレヌイ( Wharenui ) の中には巧みに彫られた poupou ( 像 ) が置かれています。これらの像にはその部族の先祖や部族に代々伝わる逸話などが表現されています。
また、壁に亡くなった人々の写真が飾られていることもあります。
マラエでは共同生活が行われる
マラエはその近くに住む部族の人々によって運営、管理されています。
彼らは、行事が行われる都度 ポフィリ( pōwhiri )を行って訪問客を迎え、マラエで執り行われる行事がスムーズに行われるよう手伝ったり、泊まり込み客の世話をします。
マラエの中では共同生活が行われます。
泊まり客は用意された布団でファレヌイの中で寝て、隣接する建物で料理をして食事を取ります。
マラエを訪問する
初めてそのマラエを訪問する人は、waewae tapu (聖なる足の意) と呼ばれ、ポフィリ ( pōwhiri : 歓迎の儀式 ) に参加する決まりとなっています。
ポフィリに参加する目的は、訪問客が招待側つまりマラエの部族の人々と一体になる事にあります。
ポフィリの詳細についてはこちらをご覧ください。
マラエでのエチケット
マラエに招かれてなくても、外を歩いていると出くわすことがあるかと思います。
マラエは外側から見るのは大丈夫ですが、中に入るには許可がいります。
また、外側からでも写真撮影は許可が要りますので、気を付けましょう。
ファレヌイの中は、神聖な状態を保つため昔は戦などで汚れや邪気がついた履物は中に入れない慣習がありました。このため、現在でもファレヌイには靴を脱いで入ります。
また、ファレヌイの中では飲食は厳禁です。
https://www.newzealand.com/nz/feature/marae-maori-meeting-grounds/#:~:text=Marae%20are%20used%20for%20meetings,a%20toilet%20and%20shower%20block.