Tēnā Koutou Katoa,
旅先で、冠婚葬祭で、職場で、子供の学校の入学式などの行事で、思いがけずマオリ式の歓迎を受けてどぎまぎした経験はありませんか? 備えあれば憂いなし、いざという時のために、T.P.Oに合わせたマオリの挨拶を紹介しています。
私達が普段「こんにちは」と言葉を交わしたり、お辞儀をしたり、あるいは握手したりと、状況に合わせて挨拶しているように、マオリの挨拶にも幾つかの方法があります。
Kia ora
マオリ語の代表的な挨拶と言えば、何といってもKia Ora (キィオラ) です。
朝昼晩いつの時間でも Kia Ora、それからありがとうの意味でも使われます。
ここ数年テレビやラジオのニュース番組の冒頭でも使われている程です。
と、マオリ人のみならず一般社会に浸透している Kia Ora ですが、昔から挨拶として使われていた訳ではありません。
その昔、1800 年代初頭に入植してきたイギリス人やアメリカ人らが乾杯する時、’ for health ’ ( 皆の健康を祈って ) と音頭を取っていたのを真似して、Maori人も同じ健康の為にという意味の Kia Ora を使い出したのが始まりだと言われています。
Tēnā koe / korua / koutou
前述の Kia Ora は19世紀に入って使われるようになった言葉で、それまでは Tēna という言葉が挨拶として使われていました。
今でもお年寄りの中にはKia Oraと言わず、Tēnāと言う人もいます。
Marae ( マラエ:マオリ部族の集会所。ある意味聖域に近いものがあります)で行われるPōwhiri ( ポフリ:伝統的な歓迎式 ) や Tangi ( タンギ:葬式 )などの行事や、公式や公衆の場では 相手に敬意を示す意味で Tēnā を必ず使います。
「テーナー」とゆっくりと発音し、そしてその後に、話している相手が一人の場合は、Koe、二人の時はKōrua, 三人以上の場合はKoutou を続けて言います。
Tēnā Koe 相手が一人の場合
Tēnā Kōrua 二人
Tēnā Koutou 三人以上
また相手が多数である場合、Tēnā Koutou の後に全員という意味のKatoa をつけて、Tēnā Koutou Katoa 「ここにいる皆さんに」としたり、さらに、Tēnā Koutou Tēnā Koutou Tēnā Koutou Katoaと三回繰り返して強調されることもあります。
文面での挨拶
メイルや文書を書く場合も同じです。くだけた感じの時は、Kia Ora、公式の文書を書いたり相手を敬う気持ちを表したい場合は、Tēnā Koe/ Kōrua/ Koutou ( katoa ) を用います。
文末は、敬具やかしこで結ぶように、相手が一人の場合は He Mihi, 相手が複数の場合は、Ngā mihi で結びます。
いかがでしたか? 読むだけでなく是非実際口に出して練習して、実践に備えましょう!
また、挨拶の方法として鼻をこすり合わせる hongi についても説明してます。
併せてご覧ください。
それから、マオリ語のNZ社会における意義について興味のある方はこちらもどうぞ。
Ngā mihi
wonderer