「 ピーターラビット2 バーナバスの誘惑 」感想:絵本ファンは複雑な気持ち

Kia ora

ニュージーランドでは他の国よりいち早くピーターラビット映画の第二作目「バーナバスの誘惑( 原題:The Runaway ) 」が劇場公開さています。

ピーター・ラビットファンとしては、この機を見のがすまいと早速子供のスクールホリディ中のイベントとして家族で観てきました。

ご存知のように、この映画は原作の絵本の実写版になります。
イギリスの女性作家ビアトリクス・ポターが描いた絵本の「ピーターラビット」は、1902年に発行されて以来大ベストセラーとなり世界中で愛されています。

2018年に公開された絵本の実写版の映画「ピーターラビット」第一作目も、世界中で大ヒットし興行収入は約382億を超えました。

あらすじ

「ピーターラビット」第一作は、イギリスののどかな湖水地方( Lake District ) で、ピーターラビットとその兄弟や仲間の動物、美しくて優しい女性のビア、お隣に住む宿敵マクレガー老人の家に引っ越してきた孫のトーマスが、愉快で人間愛に溢れたドラマを繰り広げました。

それから3年後、ビアとトーマスはめでたく結婚。彼らを祝福し、そして父親気取りのトーマスにも何とか仲良くしようとするピーターですが、その努力も虚しくトーマスとは相変わらず対立が続くばかり。
トーマスに理解してもらえず失意の中、ピーターは街中でバーナバスという名前のウサギに出会った事をきっかけに暗黒街に引き込まれ、悪事に手を染めるようになります。ついにはピーターの兄弟や仲間を巻き込み、事態はおもわぬ方向に向かいます。

感想

第一作目は、原作の絵本に登場しないトーマスやビアという二人の人間が出てきたものの、ピーターとその兄弟、そして他の動物たちが本物そっくりのリアルで美しいGCで描かれ、そして時にはイギリスらしいブラック・ユーモアも交えながらそれぞれの動物の特徴が十分に活かされた動物映画でした。公開された当初は、オリジナルの絵本の話と異なると批判もありましたが、それでも、のどかで美しくい牧歌的な風景を背景に、愛くるしいうさぎや他の動物がリズミカルな展開で紹介され、絵本の「 ピーターラビット 」の世界を存分に楽しむことができました。

二作目「 バーナバスの誘惑 」は、あいかわらず愛くるしくて愛嬌たっぷりに描かれているピーターや他の動物たちですが、話の内容が「 ピーターラビット 」の題名からあまりにもかけ離れすぎ、といよりそぐわないと言った方がいいかもしれません。
動物やキャラクターものの映画で、主人公が悪と対決しながら成長するという子供向きのありきたりの話しになっています。
それに動物の行動や会話も、一作目でそれぞれの個性を出し切ってしまっていたせいか、今回はあまりにも現実とはかけ離れており、実写版映画としては不自然に感じられました。
単なる二番煎じに終わってしまったような印象が残り、シネマ好き、ピーターラビットファンとしては見なければよかったと思う映画です。
評価は星二つ ★★ です。

が、一緒に観た11歳の子供にはとても面白かったようです。
実物そっくりのピーターという名前のうさぎやその仲間がドタバタ劇を演じ、最後はハッピイエンドで終わる子供向きの話しとしては良い映画なのでしょう。
ですので評価は、ランクを一つあげて星三つ ★★★ にしました。

絵本のピーターラビットを期待しなければ面白い子供映画かと思います。

余談ですが、登場人物の中にアジア人としてナカモト・サラという日本人名の女の子が出てきます。
日本人として思わず嬉しくなりました。


キャスト


・ビア役 : ローズ・バーン  ( Rose Byrne )

1979年生まれ。オーストラリア、シドニー出身。
1994年に映画デビューしその後 「 スターウォーズ II スター・ウォーズ エピソード2 / クローンの攻撃 ( Star Wars: Attack of the Clones (Episode2) 2002 」や「 トロイ ( Troy  ) 2004 」などに出演。日本でも放映されたアメリカの大ヒットテレビドラマ「 ダメージ( Damages ) 2007-2012 」では準主役の新人弁護士エレン役を演じ数々の賞にノミネートされる。
現在はコメディやサスペンス映画など幅広いジャンルに出演。
アメリカ人俳優ボビー・カナベール ( Bobby Cannavale ) との間に二人の子供がいる。

・トーマス役:ドーナル・グリーソン  ( Domhnall Gleeson )

1983年、アイルランドのダブリンに生まれる。父親のブレンダン、弟のブライアンも俳優である。世界中で大ヒットした映画「 ハリーポッターシリーズ 」でビル・ウィーズリー  ( Bill Weasley ) を演じその名を馳せる。その後も、「 アンナ・カレリーナ( Anna Karenina )2012 」、「 レヴェナント: 蘇えりし者 ( The Revenant ) 2015 」の他、 「 スターウォーズ三部作2015-2019 」ではジェネラル・ハックス ( General Armitage Hux ) として出演。舞台劇や、脚本、監督業も手掛ける。

あとがき

最後になりましたが、この「 ピーターラビット2 バーナバスの誘惑( 原題:The Runaway ) 」のピーターの声の吹き替えは前作と同じで、英語版はジェイムズ・コーデン ( James Corden )、日本語版は千葉雄大です。

日本では劇場公開が何度も延期されましたが、ようやく6月25日( 金曜日 )に封切りとなっています。

くどいようですが、絵本の内容とは全く関係のない新ピーターラビットとして、ご家族でお楽しみください。

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ABOUTこの記事をかいた人

1997年にNZに渡航。以来住み心地がよく現在に至る。旅行、ホテル業界を経て現在は教育業界に従事。 趣味は、ガーデニング、アートと映画鑑賞、夏のキャンプ旅行。 パートナーと中学生娘とウェリントン在住。