カルト的なマオリ料理のレストラン「HIA KAI ( ヒア カイ )」を堪能する

Kia Ora

先週「Hia Kai ( ヒア カイ ) 」レストランで食事をする機会に恵まれました。

この「Hia Kai ( ヒア カイ ) 」レストランは、マオリ族に古くから伝わる食材を用いて革新的な料理を創造し、ニュージーランドの料理界に旋風を巻き起こしています。

開店当時よりカルト的な人気で知る人ぞ知る存在でしたが、マスコミで度々取り上げられたことにより、今では一般の間でもよく知られるようになりました。

また、2021年度のロンリー・プラネットにニュージーランドで唯一上位にランクインされたこともあって、益々人気が高まっています。
2022年には「世界のベストレストラン50」の番外編と言える「世界のベストディスカバリー50」にも選ばれました。

これからその「Hia Kai ( ヒア カイ ) 」レストランの料理哲学やメニューの他、オーナーシェフの Monique Fiso  ( モニク・フィソ ) について紹介していきます。

Hia Kai レストランとは?

「Hia Kai ( ヒア カイ ) 」 レストランは2016年にニュージーランドの首都ウェリントンにオープンしました。


レストランの名前「Hia Kai ( ヒア カイ )」はマオリ語でお腹が空いていることを意味します。
この名前から察しがつくように、ニュージーランドの先住民族マオリ族の料理を専門にしています。

それも、従来のマオリの食文化の典型的な概念をくつがえす斬新なアイデアに富んだ料理が特徴です。
マオリ族やポリネシア諸島に古くから伝わる材料が入念にリサーチされた上で、革新的な方法で料理されています。その結果、インテリジェントで舌だけでなく思考にもチャレンジ精神に溢れた料理として評論家の絶賛を受けています。

その例として、シェフ自身が毎週森に入って葉や野菜、花などの食材を集める作業から始まり、それからメニューが決まります。
このため、メニューはその時々に応じたコースメニューのみです。アラカルトメニューはありません。
そしてそのコースメニューは、*マオリ神話に沿って組み立てられています

こうしたコンセプトを常に心の中に抱いていたと語る「Hia Kai ( ヒア カイ )」レストランのオーナーシェフの Monique Fiso ( モニーク・フィソ )  はまだ若干34歳の女性です。

今年2021年には、NZで唯一ロンリー・プラネットに上位ランクインし、「Hia Kai ( ヒア カイ ) 」とともにモニーク・フィソの名前の知名度は益々あがっています。

 (出典 : https://www.stuff.co.nz/travel/destinations/nz/wellington/123431860/wellington-restaurant-hiakai-makes-lonely-planets-best-in-travel-list)

コースメニュー例

ここに筆者自身が口にした「Hia Kai ( ヒア カイ ) 」のコースメニューを挙げます。
7コースの品が、マオリ神話の天地創造の伝説に習って運ばれてきました。

Orokohanga – Creation
( 創造 )

牡蠣 ライム入りレモンジュースドレッシング

Te kore – Beginning
( 始まり )

牛タンと大根の柚子ポン酢和えゼラチン包み

Te Pō  –  Darkness
( 暗闇 ) 

ニョッキ入りクロモチトウモロコシソース

Tamariki – Cucurbitaceae family
( ウリ/大地の子供

ローストカボチャの味噌ゴマだれと胡瓜の酢もの

Tāne Mahuta – The GOAT
( The Greatest Of All Times / 史上最強 )
羊肉のパイ包みと茄、マッシュルームホワイトソース和え

Te Ao Mārama – * The Separation
(空と大地の分離により地上に光が入る)

ホワイトチョコムースと果物、ライム入りカラメル焼き

Eternal Aroha – The End
( 空と大地の神の永遠の愛 )
クマラチーズケーキと
チョコレートの*マヌカいぶし

尚、コース料理の値段は料理の内容によって異なります。上の例は135ドルでした。
また、各品に組み合わせたワインを付けることができます。7種類で90ドル、ノンアルコール飲料は70ドルです。
どちらも各料理の味を最大限に楽しむことができるように厳選されておりお薦めです。

感想

Hia Kai ( ヒア カイ ) レストランは、モダンでお洒落な内装でありながらそれでいて肩がこらないでくつろげる雰囲気。きっちりフォーマルにかしこまらなくてもカジュアルな格好でも全く大丈夫です。

テーブルの上にはメニューの裏に素材の説明書きがしてあり、各料理を運んでくれるウェイティング・スタッフも細かく説明してくれます。またウェイティング・スタッフの心遣いに溢れたおもてなしと気の効いた会話で、始終和やかな雰囲気に包まれていました。

そして肝心の料理はというと、どの品も色々な味が混ざりながらも決して濃くなく味加減が絶妙。私個人は、牛タンと大根の柚子ポン酢和えゼラチン包み、ローストカボチャの味噌ゴマだれと胡瓜の酢ものは、繊細ながら個性溢れる味付けで、精進料理に通じるものがあり気に入りました。同席のマオリの友人は、ニョッキ入りクロモチトウモロコシのスープを何とも言えない不思議な甘さととろみで、絶賛していました。

オーナー・シェフ Monique Fiso

オーナーシェフ Monique Fiso ( モニーク・フィソ ) のプロフィール:

1987 年生まれ。マオリとサモア人の血を引く。
ニュージーランドの著名な料理人Martin Bosleyの元で働きながらウェリントンの学校で料理とペイストリーを学ぶ。首席で卒業後ニューヨークに移り、ミシェランレストランで働く。2016年ニュージーランドに戻り、「Hia Kai ( ヒア カイ ) 」を開く。

2018年「Netflix」の人気料理番組「The Final Table」に出演各国から選び抜かれた23人のシェフと腕を競い、最終まで残る。以来世界中の注目を集め各国の様々なシェフと料理を共にする。イギリスのセレブリティ・シェフ、ゴードン・ラムジー ( Gordon Ramsay ) のナショナル・ジオグラフィックの番組に登場し一緒に森林の植物を集めたこともある。


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ABOUTこの記事をかいた人

1997年にNZに渡航。以来住み心地がよく現在に至る。旅行、ホテル業界を経て現在は教育業界に従事。 趣味は、ガーデニング、アートと映画鑑賞、夏のキャンプ旅行。 パートナーと中学生娘とウェリントン在住。